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ルポ形式で「現地のリアル」を伝える!(ダイキン工業株式会社)

澤田さん
人事本部 人事企画グループ 澤田 沙都子さん

2018年10月18日に開催した「社内報アワード2018 表彰&ナレッジ共有イベント」では、上位入賞を果たした優秀企業8社にプレゼンターとなっていただき、「社内報制作の事例発表」を行いました。「社内報ナビ」では、各社の発表内容をご紹介していきます。

第8回は、急成長するアジア事業にフォーカスした企画で、[社内報部門]特集・単発企画(8ページ以上)のゴールド賞に輝いたダイキン工業株式会社。空調事業で世界シェアNo. 1も達成し、150カ国以上に事業を展開しているグローバル企業が手がけた海外企画は、読み応え十分。海外取材も敢行した力作の舞台裏を紹介します。

アジア事業の勢いから発展の可能性を感じてもらうために

 当社におけるインターナルコミュニケーションの主要ツールは、1956年から続いている冊子版社内報『ダイキンタイムス』です。発行は年3回。経営方針と経営理念の徹底・浸透、従業員のモチベーション向上を目的に、一人ひとりが理念を「実践」につなげるための一助となるような情報発信を心掛けています。

ゴールド賞を受賞した号の、表紙と特集扉
ゴールド賞を受賞した号の、表紙と特集扉

 今回、ゴールド賞をいただいた「急速に発展するアジアの最前線」は、その編集方針を的確に落とし込めていると、社内でも高い支持を得た特集です。

 企画した理由は、主に2点。一つは経営戦略で、著しい経済発展を遂げるアジア市場を北米に次ぐ重要拠点と位置づけていること。もう一つは、今後アジア主要国すべてでNo. 1シェアを目指す中で、経済発展や気象条件に左右されない事業経営に着手している背景があったことです。誌面でこうした事実を知らせることで良い刺激を与え、より高い目標を持って仕事に取り組むきっかけにしてもらえたらと考えました。

 今回は従来より多めの19ページを特集に割き、4部構成で展開しました。

「急速に発展するアジアの最前線」の構成

第1部:導入としてアジア市場の現況と当社のアジア事業を数字で紹介(2ページ)

第2部:アジア3カ国(ベトナム・インド・インドネシア)の現地ルポ(各国4ページ、全12ページ)

第3部:今後の発展に向けた地域を挙げての取り組み紹介コラム(2ページ)

第4部:アジアで活躍するメンバーと担当役員が目標や夢を語るコメント集(2ページ)

現地の活気や文化、息遣いを誌面に反映

 特集のメインは、現地取材を行った第2部の現地ルポです。取り上げた国は、アジア事業の中でも特に成長・発展の著しいベトナム、インドネシア、インドの3カ国。現地に赴く機会はなかなかないため、取材は苦労した半面、大きなやりがいも感じました。

現地ルポの誌面
3カ国(ベトナム・インドネシア・インド)の現地ルポは、現地の取り組みがよく分かると大好評

 そして、この絶好のチャンスを生かすため、誌面作りには徹底してこだわりました。
伝えたかったのは、現地の活気や息遣い、現地で働く従業員の躍動や頑張り、喜怒哀楽、思い、そしてその国ならではの暮らしや文化、価値観です。資料や人から聞く話ではうかがい知れない「リアルな現場」を読者に感じてほしいと考えました。

 大事にしたのは、編集サイドが感じたことをふんだんに盛り込むこと。その実現手段として、ルポ形式を採用しました。取材者が自由に語るルポの強みを生かし、その国ならではの戦略の工夫や従業員の思いなど、国ごとに1本のストーリーとして、しかも多くの従業員を登場させながら表現することができました。

 さらには、例えばベトナムに降り立ったときのジメジメ感、急な悪天候で遭遇したホテルの停電・浸水トラブルなども当事者の臨場感を伝えられ、読者から「疑似体験しているようなリアリティーが感じられた」と好評を得られました。

事前のカンプ制作と情報収集が成功の第一歩

現地のビジュアル
リアルな現場を伝えるために、ビジュアルには徹底してこだわりました。

 読者にとってもイメージが豊かに湧くように、「ビジュアルで魅せる」ことにもこだわりました。

 人、建物、自然、街、料理――写真は「質より量」の精神で、とにかく撮りまくりました。撮影枚数は1カ国につき約1,500枚。そのうち、実際に使ったのは25枚程度ですが、海外での写真は撮り直しができません。撮り過ぎることは決してない、という気持ちで常にカメラ・スマホを携帯していました。

 また、肝心の工場取材では、言葉が通じにくいことを見越して事前にカンプを制作。これは、取材先とのイメージのすり合わせのために行ったことですが、編集サイドでビジュアルイメージを固めるのにも、大いに役立ちました。

 国ごとに構成の仮説を立てて臨んだことも重要なポイントです。その国ならではの特徴を伝えるという目的に加え、3カ国の内容がかぶらないようにする狙いもありました。事前に得られる情報は徹底して収集することで、取材先も自ずと決まり、限られた現地での時間を有効に使うことができました。

取材の秘訣は、ゆるめのスケジュールとメモ

 現地で気をつけたのは、取材のスケジュールを詰め込み過ぎないことです。海外に限らず、取材はどうしてもタイトにしてしまうものですが、予定外のところから得られる情報というのはとても貴重です。今回も「ちょっとここに寄って行かない?」ということがたびたびあり、思わぬ収穫に結びつきました。また、海外では通訳に時間がかかり、段取りどおりにいかない場面も多々発生するため、時間的余裕がとりわけ重要です。

 加えて、“現地でしかできないこと”を優先することも押さえておきたいポイント。少しでも時間が空けばあちこち散策し、インタビューの整理より現地メンバーとの交流など現地でしかできないことを優先するようにしました。その際、感じたこと、心に残ったことをささいなことでもメモしておくと、ルポのネタに大いに役立ちます。

 現地ではたくさんのインプットがあって一瞬一瞬が早く過ぎ、大事なことでも忘れてしまうもの。単語だけでも案外たくさん思い出せますから、簡単な殴り書きでも「その都度メモ!」をお勧めします。

バランスの良い構成で、読者を惹きつける

 他の章についても簡単に触れておきます。第1部は、アジア事業の全体像とともに当社のアジア市場の発展の勢いを伝えることを狙いとしました。主にデータを活用していますが、グラフや表組みを用いて、見やすく、かつ分かりやすく伝えることにこだわっています。

第1部はグラフや表組みを活用して見やすい誌面に。

 第3部は、アジア全体の基盤づくりを3つの観点からコラム形式で紹介。第4部では、アジアで活躍するメンバー5名と担当役員に、どんな目標を持って仕事に取り組んでいるのか語ってもらいましたが、より多くの従業員を紹介できるよう、取材した3カ国以外から人選するよう心がけました。若手、ミドル層、ベテラン、幹部と、様々な立場の人を幅広く人選しているのもポイントです。

第3部と第4部の誌面
第3部と第4部でも多角的な視点を取り入れることで、より深みのある特集になりました

 全体としてバランスの良い構成ができたと自負していますが、特に評価が高かったのは、やはり第2部。当社は、海外売上比率が約8割を占めるグローバル企業ですが、日本で働く従業員にとって、海外は決して身近な存在ではなく、知られていない情報がほとんどです。

 例えば、インドネシアの住宅はベランダが狭く、電気量に限りがある国も多いですが、そうした環境に適した製品を販売していること、またインドのように50℃を超える気温でも耐えられる室外機を開発していることなど、知られざる情報をきめ細かく伝えられたことは、非常に大きな成果でした。

 今回の海外取材は、私たち編集部にとっても貴重な体験でしたが、それがゴールド賞という実りにつながり、とてもうれしく思っています。これを励みに、今後も精進していきたいと決意を新たにしています。

 

  • 『ダイキンタイムス』概要
    創刊:1956年2月
    仕様:年3回発行、A4判、24~40ページ、2色刷
    発行部数:19,400部

  • 会社情報
    URL:https://www.daikin.co.jp/

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