ウィズワークス開催のセミナーで困っていることをたずねると、「社内報が読まれない」と答えるご担当者がとても多いと感じます。皆さんも、同じような悩みをお持ちかもしれませんね。
そんな皆さんは、社内報を「誰」に読んでほしいと考えていますか。もちろん「全員」が理想なのですが、年齢層もキャリアも全く違う社内のすべての人に読んでもらうというのは、とても難しいことです。では、どうすれば――?
読者ターゲットに悩む人は多い!
この問題を考えるにあたり、まずは、社内報の読者ターゲット設定の現状をデータで見てみましょう。
『社内報白書2020』で「直面している問題や悩み」を聞いたところ、「読者ターゲットが明確でない」との回答が21.8%ありました。回答全体から見ると少数に感じるかもしれませんが、実はこれ、大問題なのです。なぜなら、読者ターゲットをどこに据えるかは、社内報の発行目的と紐付いているからです。例えば発行目的が「若手社員の離職防止」ならば、読者ターゲットは「20代~30代社員」となります。また、「将来的な管理職育成」が目的ならば、読者ターゲットは「キャリアアップを考える中堅社員」となるでしょう。
同じ問いかけを『社内報白書2018』と比較すると、「読者ターゲットが明確でない」と回答した人は、8.4ポイントUPしています。読者ターゲットと発行目的の関係性を理解する担当者が増え、それゆえ悩む人が増えているのかもしれません。
企画ごとにターゲット設定してみよう
同じ会社の従業員といえども、仕事や会社に対する考え方、経験、価値観などは一人ひとり異なります。その人々全員に向けた社内報は “広く浅く”なりがちで、結果的に誰にも響かないということが起こりやすくなります。
つまり、読まれる社内報にしたいのならば、読んでほしい人=ターゲットを絞ることが必要なのです。
「そうは言っても、やはり全社員に読んでほしい」と思うなら、企画ごとにターゲット設定するという手もあります。特に、納得・共感して自分ごと化し、そこから行動に結び付けることをねらう特集企画は、毎回明確なターゲットを決めて編集することが、成功の第一歩となります。
ターゲット設定をする際は、「管理職クラス」のような大まかな像よりも、具体的な人物をイメージすると、よりリアルな切り口で企画を考えることができます。
例えば、管理職が率先して働き方を変え、残業削減を推進するねらいで、「マネジャーの働き方改革」という企画を立案したとします。このとき、「○○部の△△課長に読んでほしい!」と具体的な人物を決めてしまうのです。
リアルな読者ターゲットを決めたら、企画書を作ってみましょう。そうすることで企画の構成内容を考える、ターゲットに最適なアイデアを練るなどの思考が整理され、テーマを深掘りできること間違いなしです。
設定ターゲット以外へ興味が広がることも
一方で、ターゲットを絞り込んで実施した企画に、別のターゲット層が興味を持つこともあります。例えば、ある会社で入社2年目の社員を的に据えた「2年目の本気」という企画を掲載したところ、本来のターゲット層からの反響に加えて、管理職から寄せられたのが、このコメント。
若手の気持ちがわからなかったけれど、あの企画で少しは理解できるようになり、マネジメントに生かせた
ターゲットを絞って考えた企画が本来の層以外にも効果をもたらし、ご担当者はとても喜んでいました。
ターゲットについて知ることから始めよう
読者ターゲットとなる人々は、どのような思いで仕事をし、会社に対してどんな思いを抱いているのか。現在抱えている不安は何か。モチベーションの源は何か。社内報ご担当者は、それらを知ることが重要です。まずは、社内の人とたくさんコミュニケーションを重ねて、いろいろな思いを知ること。大変な作業ではありますが、これこそが「読んでほしい人」を具体化する近道となります。千里の道も一歩から。がんばりましょう!
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