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わずか2項目の明確化で、脱・企画のマンネリ化

社内報ご担当者のお悩みの一つに、企画のマンネリ化問題があります。社内報の企画はなぜマンネリ化してしまうのでしょうか。新しいアイデアを閃かせるためには、どんな方法があるのでしょうか。ご担当者と同じく、日々マンネリ化問題と格闘している社内報ナビ編集部の筆者が、この問題の原因をひもとき、自身の対策をお伝えします。

定番企画と暗黙の了解が、マンネリ化を呼び寄せる

 なぜ、社内報の企画はマンネリ化しやすいのでしょう。この原因として、社内報に定番企画が多いことや暗黙のルールが挙げられます。

定番企画は、新年のTOPインタビューや4月の新入社員紹介といった、節目の時期に必ず実施する企画や、部署紹介などの連載企画で、毎年・毎号繰り返し実施するため、既定路線に陥りがちです。暗黙の了解というのは、社内報ならではのルールのこと。例えば「部署紹介で所属メンバーを紹介するときは、個々のスペースはできるだけ均等に」「新入社員紹介企画に載せる写真は、みんな同じサイズに」「企画内に社長のコメントを入れるなら、冒頭に」など。企業によっては、こういったルールがマストになっているようです。

 毎年・毎号実施するうちに企画の切り口まで定番化し、変えようと思っても暗黙のルールが足かせになる。気づけばアイデアは底をつき、マンネリ化へ一直線……。

 さて、ここであらためて考えてみましょう。なぜ、マンネリ化はダメなのでしょう?

 答えはとてもシンプル。「読者に興味を持ってもらえず、読まれないから」です。読まれなければ、伝えたいことが伝わらず、企画の実施目的が果たせません。

 では、「伝えたいこと」って、何でしょう? 「読者」とは誰でしょう?

「誰に」「何を」を細かく具体的に考える

 「伝えたいことは何か」「誰に伝えたいのか」。ここにマンネリ化解消のヒントがあるのです。企画を立案するときは、最初に「伝えたいこと」と「伝えたい相手」、つまり企画の実施目的を設定します。この設定は、細かく考えることが大切です。

【例】新入社員紹介企画の実施目的

 

新入社員を広く紹介する。

 

 

 

:これから同僚となる先輩社員たち(特に、新入社員の面倒を見ることになるであろう、30代前半の従業員)に、新入社員の素顔を知ってもらい、社内に早く溶け込めるようにする。

:新入社員に、会社の一員であることを自覚してもらい、業務に対するモチベーションを高めてもらう。初心を忘れないよう、思い出に残るインパクトを出す。

 NGの例はかなりざっくりしていて、OKの例はどちらも読者ターゲットや何を伝えたいかを踏まえて実施の目的を設定しています。

 また、OK①と②では、読者ターゲットが異なることにお気づきでしょう。①は先輩となる社員たち、 ②は新入社員本人たちです。ターゲットが異なれば、自ずと伝え方やその内容も変わってきます。先輩社員をターゲットにする場合は、新入社員から「先輩たちへの質問やリクエスト」を聞き出す、という内容が考えられます。新入社員がターゲットなら、「学生時代に取り組んできたこと」「誰にも負けないと自負すること」など、自分自身をとことん紹介するような質問が適切でしょう。

 企画の内容や質問を考えるときは、ターゲットとなる読者が興味を持つのはどんな事柄なのかをイメージしてみましょう。世代、社会情勢、流行、社内での立場などをヒントに考えるとアイデアが出やすくなります。

マンネリ化対策の一例として……

 手前味噌ながら、ここで筆者のマンネリ化対策の手法をご紹介いたします。

 企画の内容を考えるときは、まず「誰に、何を伝えたいのか」を考えます。伝えたい内容は何? 誰に対して? どうしてそのターゲットにその内容を伝えたい? どういう方法で伝えるのがよい? そのターゲットの場合、雰囲気は硬め、それとも柔らかめ? 写真とイラスト、どちらを使う? ……こんなふうに、企画に対して細かく問いかけ、答えを明確につかみ取るようにします。

 次に、上記を既定路線と別の立ち位置で考えてみます。例えば、先程例にした新入社員紹介企画。毎年、新入社員本人を読者ターゲットにしているなら、「そのターゲットとは違うターゲットはないか?」と考えてみます。ここが変わると、その先の問いかけの答えも変わっていき、結果的に企画の内容も変わることになります。

 それでも、何もアイデアが湧かないときは、雑誌の記事や新聞広告、テレビ番組などを思い出して「ああ、あんな感じがいいな」というのを頭に思い描くこともあります。図書館の雑誌コーナーは、アイデア探しにとても役立ちます。TOPインタビューの写真は、ビジネス誌を参考にすることが多いです。

マンネリ化=王道、という考え方もある

  さて、マンネリ化がダメな理由は前述した通り、「読者に興味を持ってもらえず、読まれないから」「読まれなければ、企画の実施目的が果たせないから」です。逆に言えば、伝えたいことが伝えたい人々にきちんと伝わり、実施目的が達成されるならば、毎年の繰り返しでも問題はないのではないでしょうか。

 例えば、勧善懲悪のテレビドラマ。ラスト15分で主人公が決めゼリフとともに悪者を懲らしめるパターンは、ある意味ワンパターンでマンネリ化していますが、それを楽しみにチャンネルを合わせる視聴者もたくさんいるのです。

 これを社内報に置き換えて考えてみましょう。定番企画の一つに、新春のTOPメッセージがありますが、新しい年の初めに会社のTOPがその年の抱負と会社の方向性や目標を語る内容を、背筋を正す思いで読む従業員は多いはず。これはマンネリ化ではなく、王道です。こういった企画は、堂々とその道を極めていくのも一つの手法です。

 マンネリ化の打開は難しいことではありますが、困ったときはぜひ、「企画の実施目的と読者ターゲットを突き詰める」「ターゲットが興味を示すのはどんな事柄なのかを考える」という2点に立ち返ってみてください。そうすることで新たな視点が得られると、一気にこれまでとは異なるアイデアが湧いてくるかもしれません。


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