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露出とホワイトバランスをコントロールして 社内報の写真のクオリティを上げよう!

 

弊社で社内報ご担当者向けに開催している「カメラ基礎セミナー」は、ありがたいことにいつも満員御礼となっています。この講座では、撮影時の姿勢から社内報で撮影する場面を想定した上での注意点、構図の考え方など、文字通り「基礎」をお伝えしています。
そして、セミナー終了後によく質問されるのが、絞り(F値)やシャッタースピード、ISO感度などについて。今回は、「カメラ基礎セミナー」補足編として、その質問にお答えします。自分の(あるいは会社の)カメラとじっくり向き合って、社内報に掲載する写真のクオリティをどんどん上げていきましょう!

最適な明るさの写真は
最適な「露出」の設定にかかっている

 そもそも、カメラとは何でしょう? 簡単に言えば「光をためて対象物を写し取る機械」です。ためた光を使って対象物を写すので、たくさん光をためると明るい写真に、少ししかためなければ暗い写真になります。

 この「カメラにため込む光の量」が「露出」です。写真が適正な明るさになるか、はたまた明るすぎ(白飛び)てしまったり、暗すぎ(黒つぶれ)てしまったりするかは、露出次第ということです。
 では、どうすれば適正露出で撮影できるのでしょう? ここで登場するのが、絞り(F値)・シャッタースピード(SS)・ISO感度です。この3つをコントロールすることで適正露出が導き出されます。

最適露出のポイント
1:絞り(F値)

 まず、絞りについて解説しましょう。
絞りとは、レンズからカメラに入る光の量を調整する穴のこと。レンズの中にあり、穴の大きさを開いたり絞ったりして、光の量を調整しています。絞りの開き具合を数値化したものを「F値」と呼び、F値が小さいほど光を多く取り込み(絞りが大きく開く)、F値が大きいほど光の取り込み量は少なくなります(絞りが小さくなる)。

  絞りを開ける=F値を小さくする
  絞りを絞る=F値を大きくする 

 F値をどう設定するかにより、ピントが合って見える範囲が変わります。「背景をぼかした写真」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは、F値の設定を小さくして(つまり、絞りを開いた状態で)撮影した写真となります。一方、前後もぼかしがない写真を撮りたい場合は、F値を大きく設定します。

「カメラ基本講座」資料より
ウィズワークス「カメラ基本講座」資料より抜粋 ※無断転載禁止

最適露出のポイント
2:シャッタースピード

 次に、シャッタースピードについて。これは、シャッターが開いてから閉じるまでの時間の長さのことで、単位は秒です。カメラに「1/500」と表示されていたら、「1/500秒」という意味です。シャッタースピードが遅いということは、シャッターが開いている時間が長い、つまり光を長く(たくさん)取り込むことになり、シャッタースピードが速いということは、光を取り込む時間が短い(光の量が少ない)ことになります。
 シャッタースピードを速くすると、動いているものが止まって写るので、スポーツや動き回るペットの写真など、一瞬を切り取りたいときに便利です。逆に遅く設定すると、満天の星空を魅力的に撮影したり、川や滝の水の流れを迫力満点に撮ったりできます。このように、被写体とそれをどんなふうに撮影したいかによって、シャッタースピードをコントロールしていきます。

「カメラ基本講座」資料より
ウィズワークス「カメラ基本講座」資料より抜粋 ※無断転載禁止

 ……ここまで読んで、「あれ?光を取り込むって、絞りの解説でも同じことを言ってなかった?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。そうです、その通りです! 絞りとシャッタースピードは相互関係にあり、露出はF値とシャッタースピードとの組み合わせで決まるのです。つまり、F値を大きくしてもシャッタースピードを遅くすれば適正露出にできますし、F値を小さくしてシャッタースピードを速くしても、同じような明るさの写真を撮影することができるのです。
 先ほど例に挙げたスポーツやペットの写真なら、シャッタースピードを速くする分、F値を小さめに設定すれば、適正露出の写真が撮影できる、というわけです。

シャッタースピード(SS)とF値の相関関係
シャッタースピード(SS)とF値の相関関係。F値は各行で固定値に設定し、SSは各列で固定値に設定。F値が同じでもSSを変えると写真の明るさが変わり、逆にSSが同じでもF値を変えることで写真の明るさは変わる

最適露出のポイント
3:ISO感度

 さらにもう1つ、露出を決める要素があります。それが「ISO感度」です。デジタルカメラにおいては画像センサーの光の感度のことを指し、「いそかんど」「あいえすおーかんど」などと読みます。
 ISO感度は100~200程度に設定するのが一般的ですが、設定数値が高いほど敏感に光を写し取るので、夜景や暗い室内での撮影時はISO感度を高く設定するほうがよいでしょう。同じ条件下でISO感度を低くすると、写真が黒つぶれしがちです。また、ISO感度が高ければ少ない光でも明るく撮影できるため、シャッタースピードが速いスポーツシーンの撮影や、薄暗い場所でもフラッシュなしできれいな写真が撮れるというメリットがあります。ただし、高く設定すると写真のノイズが多くなり、ざらついた印象になってしまいます(高性能カメラの場合はノイズが少ないこともあります)。

手軽に最適露出にするなら撮影モードを活用

 いろいろ書いてきましたが、露出を手軽にコントロールする方法があります。カメラに搭載されている撮影モード(露出モードと呼ぶこともあります)を活用するのです。
 メーカーや機種によりモードの数は多少異なりますが、「AUTO」「P」「S」「A」「M」はたいていのカメラにはあると思います。※キヤノンのカメラはS=Tv、A=Av。

カメラのモード設定 ※メーカーによりモード数や名称が異なる場合もあります。

  • AUTO=すべての設定をカメラ側で設定
  • P=ISO感度は自分で設定。 
    ※それに合わせてF値とシャッタースピード(SS)はカメラ側で自動設定。
  • S=シャッタースピード(SS)とISO感度は自分で設定。 
    ※それに合わせてF値はカメラ側で自動設定。
  • A=F値は自分で設定。 
    ※それに合わせてシャッタースピード(SS)はカメラ側で自動設定。ISO感度も設定されるが、自分で変更も可能。
  • M=マニュアルモード。すべての設定を自分で行う。

 一眼レフ初心者はまずはAUTOで。カメラの扱いに慣れてきたら、AモードでF値の設定にトライしてみてください。それをマスターしたら次はSモード、その次はPモードへとチャレンジを。「うまく露出調整できるかな……」という心配はご無用。今はほとんどのカメラに適正露出機能がついているので、安心してください。

「白いものを白く写す」ための機能
それが「ホワイトバランス(WB)」

 そしてもう一つ、セミナーでよく出る質問に「ホワイトバランス」があります。
 被写体には、太陽や電球、蛍光灯など、さまざまな光が当たっています。白い被写体に対して、人間は「それは白いものだ」と脳内で自動的に補正をかけ、白いものとしてとらえますが、カメラは現実のまま写し出します。その結果、肉眼では白く見えるものが、電球の光を受けるものは黄色がかった写真に、蛍光灯の影響を受けたら青みがかった写真になってしまいます。
 それを補正するのが、ホワイトバランスなのです。撮影環境における光の色の影響を補正して、白色をきちんと白色に写すための機能です。たいていのカメラには「AWB(オートホワイトバランス)」という、撮影シーンをカメラが判別してホワイトバランスを自動調整する機能が備わっていますが、もちろん自分で調整することも可能です。
調整の種類はカメラの機種にもよりますが、基本となる「太陽光」「日陰」「曇天」「電球」「蛍光灯」といった設定は、ほとんどのカメラに搭載されていると思います。基本はAWB設定にして、撮影状況に応じて最適な設定になるよう調整してみてください。

写真のクオリティが上がると
社内報全体の雰囲気もアップ 

 いかがですか? カメラの全自動設定から卒業できそうでしょうか? 大切なのは、「まずはチャレンジ!」という姿勢です。いろいろ試してみることで、設定により写真がどう変化するのかを実感し、次第にカメラの仕組みが理解できるようになっていきます。
 いきなり「思い通りのすてきな写真」は難しいでしょうが、日々チャレンジを重ねることで、従業員の笑顔や自慢の社屋、注目の新製品など、被写体ごとに最適な露出、色味の写真が撮影できるようになります。写真のクオリティがアップすれば、それだけで社内報全体の雰囲気も変わっていきますよ!

 

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