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[お悩み]
社内報からグループ報に変わることになりました。
どんなことに気を付けて編集すればよいでしょうか?
M&Aによりグループ企業が増えたため、社内報からグループ報に刷新することになりました。誰に向けて何を発信すればいいのか、日常的に交流があるわけではないグループ各社の人々に読んでもらえるグループ報はどんな内容にすればいいのか、迷っています。
[お答え]
読者ターゲットを明確にした上で
読者の気持ちに立って企画立案しましょう。
社内報もグループ報も、編集の基本に変わりはありません。ただし、グループ報ならではの押さえどころはあります。読者ターゲットをどの層とするか、そこに関心や親しみをもってもらえる企画は何か、etc. 企画立案の際には「これを読んだら読者は何を感じてくれる? どんな気持ちになる?」と想像し、グループ間のインターナルコミュニケーションを深める媒体を目指しましょう。
社内報とグループ報、読まれやすいのは……
目の前に社内報とグループ報が置かれていたら、あなたはどちらを手に取りますか?
一般的には、社内報に手を伸ばす人がほとんどだと思います。なぜなら、グループ報より社内報のほうが、自分に身近な話題が載っているからです。
グループ報のミッションは、連結経営などグループ全体にかかわる情報の浸透となりますが、多くの読者の視線は自社の事柄に向けられがちで、グループ全体にまで視野を広げるのは難しいのが実情です。
言い換えると、グループ報は、社内報以上に一方通行になりかねない媒体なのです。
グループ報にマッチした読者ターゲット設定のすすめ
作り手にとっては難易度が高いグループ報ですが、読者ターゲットを適切に設定することで、閲覧率を上げることができます。弊社では、グループのインターナルコミュニケーションが無理なく及ぶ層は、各社の管理職以上であると考えています。
読者ターゲットをその層に絞れば、企画のテーマは「グループ経営理念の浸透」「組織課題解決」「連結決算」といったマネジメント層に強く訴求する内容となり、高い閲覧率が期待できるようになります。
グループ報の特徴
- 目的:グループの価値向上
- 対象:グループ各社のマネジメント層
- 役割:グループ間・事業間のシナジーを促し価値向上に資する
(具体的な情報)- 理念など
グループの経営理念、行動指針、中期経営計画、トップメッセージ 等 - 事業紹介
各社の事業、技術、製品・サービス、取り組み、ノウハウ 等 - 企業風土
グループのCSR活動、クラブ活動、コミュニケーションイベント、グループおよび各社の企業文化・社風 等 - 企業のハード情報
グループ概要、各社概要、ブランド、福利厚生、制度 等
- 理念など
グループ全社員をターゲットにする場合
とはいえ企業ごとに事情は異なり、「グループ全社員を読者ターゲットに据えたい」と考えるケースが多いのも事実です。
その場合は、「グループ報として伝えるべき内容」+「グループ社員の誰もが気軽に読めるコーナー」を併せ持つ媒体としてみてはいかがでしょうか。
グループ経営理念の浸透や連結決算といった、グループ報として外せない企画だけではなく、関連会社の垣根を越えて誰もが親しみを覚える企画、例えば「●●社の名物社員」「●●社社員が案内する地元の名勝」といった肩の力を抜いて読める内容を掲載するだけでも、グループ報の親しみ度は上がるものです。
編集委員・通信員制度を設け、Win-Winの関係を築く
さて、社内報と同様に、グループ報の編集も編集委員・通信員の制度を活用し、制作に巻き込んでいくことが成功の大きな要因となります。メンバーは、グループ各社から選出してもらうことになりますが、その際は会社の業務として公式に認めてもらえるとベストです。
編集員・通信員の方々には、各企業内の情報を提供してもらうだけでなく、こちらからもお役に立つ情報を提供するなど、委員の方々にメリットを感じていただく気遣いも大切です。
そして、少なくとも3カ月に一度くらいは、リアルタイムで意見交換ができる場を設けましょう。実際に顔を見て話す場に加えて、テレビ会議やチャット会議というのも一案です。メールより本音の話を聞くことができ、グループ報の編集を実り多いものにしてくれます。
また、社内報より興味喚起が難しいグループ報だからこそ、編集サイドと読者の距離を縮めるための読者アンケートが有効になります。実施頻度の目安は、年に一度。集まった意見は編集委員・通信員と共有し、課題解決や今後の企画の芽を探す材料として活用します。
慣れるまではグループ報編集の難しさに戸惑いを覚えるかもしれませんが、難しいからこそのやりがいもあります。うまくいかない点は改善し、試行錯誤しながらグループ報の制作を楽しんでください。「これを読んだら読者は何を感じてくれる? どんな気持ちになる?」と常に想像しながら企画を練り、グループ間のインターナルコミュニケーションを深める媒体を目指してください。
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