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ゴールド賞受賞企業と「社内報アワード」を振り返り、2021年の社内報を考察する

ゴールド賞受賞企業と「社内報アワード」を振り返り、2021年の社内報を考察する社内報アワード2021」の応募受付から約2カ月が経ち、さまざまな業種の企業様から応募作品が届いています。ちょうど今、準備を進めている方もいらっしゃることでしょう。
そこで、ゴールド賞受賞経験がある3社にご登壇いただき、社内報の発行目的や「社内報アワード」の効果についてお話しいただきました。社員の働き方が大きく変化する昨今、インターナルコミュニケーション(以下、IC)で効果を上げている企業は、どのような社内報企画を実施しているのでしょう。

※令和3年3月5日に1都3県での緊急事態宣言が延長されたことを考慮し、「社内報アワード2021」の応募期間を4月23日(金)まで延期することを決定いたしました。

〈パネリスト〉

山田 侑輝

佐川急便株式会社
東京本社 経営企画部
広報課 主任


三宅 隆弘

株式会社メイテック
広報部長


浅香 梢

株式会社UACJ
経営戦略本部 コーポレートコミュニケーション部
広報チーム

各社のIC施策

――まず、各社のIC施策を発表していただきましょう。

【佐川急便株式会社 山田様のプレゼンテーション】

 冊子社内報『HIKYAKU』と、映像社内報「ふれあい」を発行しています。後者はDVDで全営業所に配布するほか、社内ポータルサイトや会員用Webサイトにも掲載しています。

冊子社内報『HIKYAKU』は1974年創刊、映像社内報「ふれあい」は1978年から

冊子社内報『HIKYAKU』は1974年創刊、映像社内報「ふれあい」は1978年から
冊子社内報『HIKYAKU』は1974年創刊の月刊誌、映像社内報「ふれあい」は1978年で、隔週発行

 2012年4月に『HIKYAKU』の編集方針を大きく変更。会社の方向性の周知は変わりませんが、以前は家族向けや従業員同士のコミュニケーションが中心だったのに対し、現在は「社内報で得た知識を現場ですぐに使える」「営業支援ツールとしても活用できる」を目指しています。

 読者ターゲットはセールスドライバーと呼ばれる現場の第一線で活躍する従業員。限られた時間の中で理解できるよう①特集で伝えるべき内容はしっかりと見せ、②流し読みできるように文字を少なく写真・イラスト・図表で目を引き、③マンガも多用し短時間で理解促進、④すぐに役立つ営業やマナーのネタを多く取り入れています。

特集では毎月1つテーマを設定
特集では毎月1つテーマを設定し、社長とディスカッションする双方向コミュニケーションを意識

 映像に関しても、尺をできるだけ短くし、要点を分かりやすく紹介するように努めています。映像でしかできない「動き」で表現できるコンテンツや「感情」が伝わる生の声を大事にしています。

 情報収集は①モニターアンケート。毎月60営業所×10人=600人にアンケートを実施。今号の感想の他に、今後予定している特集企画のヒントになる問いかけを入れ、その回答を基に取材。②社内報編集委員会の実施。毎月1回、本社各部署から選出された編集委員が集まり内容を議論しています。

視聴者からの質問

Q:読者アンケートの設問内容が知りたいです。効果測定の方法と、そこから次回以降の企画作りをどのように行うのでしょう? また、アンケートの結果を企画に反映する期間は?

山田:直近の社内報については、その理解度を10段階でつけてもらい「どのコーナーが役立ったか、その理由は?」など。次回以降の企画の参考については、例えば「あなた(個人あるいは営業所)が車の事故を起こさないために気を付けていることは何ですか?」と問うと、個人・営業所の取り組みを書いてくれます。安全運転をテーマにした回に、その中から全国的に紹介し水平展開できそうな事例を取り上げます。
アンケートには翌々月の企画に関する質問事項も入れるので、回答結果は回収してから半月で反映します。

 

Q:映像制作は内製ですか?

山田社内報担当者は2名なので、社内の確認作業や調整は我々で行い、編集方針も議論します。編集委員会では、直近の企画案・取り上げるテーマなどの中身についての議論をします。制作は、紙・映像とも制作会社に依頼しています。

【株式会社メイテック 三宅様のプレゼンテーション】

 メイテックは、エンジニアを「正社員」として雇用し「派遣」というスタイルで企業に「技術」を提供する会社です。最大の特徴は、1万人のエンジニアがいても自社内にはおらず、お客様である製造業や企業の中で働いている点です。

 そのため社内報は「社員と会社、社員と社員を、情報で結ぶ“絆”」として創刊され(1979年)、現在は迅速性・情報網羅性をカバーするデジタルメディアと、普遍性(本質)や客観的視点をカバーする紙の社内報との2メディア体制で社内広報を行っています。

リーマンショックを機に2010年から2メディア体制に
リーマンショックを機に2010年から2メディア体制に。厳しい状況下で社員が欲しているのは「情報」。タイムリーに情報提供するために、日次でニュースメディアとして「SYORYU online」、シンキングメディアとして紙社内報『SYORYU』を季刊で発行

 社内報の編集方針は「本質の見える化」です。「人が語る」に、「技術を伝える」「必ず社内だけでなく社外視点も取り入れる」をテーマに追加。サイズをA4判からA5判に、ページ数は36ページから52ページに変更しました。企画立案、記事執筆、撮影は基本的に内製で一部制作会社に依頼しています。

年間テーマをトップとディスカッションして決める
中期経営計画を踏まえ、年間テーマをトップとディスカッションして決め、それを季刊ごとのテーマに落とし込んでいる
社内報に対する意識を、全社員を対象に実施
社内報に対する意識を、全社員を対象に実施。回答率は、全社員の約1割。厳しい意見もあるが、励みになる意見も多数ある

視聴者からの質問

Q:季刊であっても52ページは大作ですね! そのうち特集企画の割合はどれくらいを占めていますか?

三宅全体の半分、ページ数でいうと26ページは特集です。それ以外は6~7つの連載企画で構成しています。

Q:アンケートの「読む理由」に「面白い/お気に入りの連載がある」とありますが、どんな企画ですか?

三宅毎号、世の中のプロフェッショナルを紹介する「プロに生きる」です。エンジニアは「プロフェッショナル」という誇りを持って日々業務に向き合っていますので、共感するところがあるようです。「社外のプロを採り上げているのが面白い」との感想が寄せられています。

【株式会社UACJ 浅香様のプレゼンテーション】

 UACJは2013年に住友軽金属と古河スカイが合併した会社で、合併後に社内報が誕生しました。当初の編集方針は、楽しく読めて共感してもらえ、モチベーションが上がる、というように、コミュニケーションを中心に据えていました。まずはお互いを知ることに注力した誌面構成でした。

合併後当初の編集方針は、楽しく読めて共感してもらえる、などだった
合併後当初の編集方針は、楽しく読めて共感してもらえ、モチベーションが上がる、というものだった

 現在は経営戦略を浸透させる企画を増やし、日・英とタイ語で制作。体制は専任の私と、動画のみ兼務が1人。紙・動画とも制作会社に協力を依頼しています。コロナ禍でWeb社内報の拡充動画の配信を始めました。

他社の社内報からの刺激と社外視点での評価

――3社様とも、「社内報アワード」でゴールド賞の受賞経験をお持ちです。応募を振り返りつつ、ゴールド賞で最も印象に残った作品をご紹介ください。

【株式会社メイテック 三宅様】

 「社内報アワード2019」紙社内報部門の「単発企画8ページ以上」で受賞した『SYORYU』の特集「お客さまからの「期待」を知る」です。

2019年度の紙社内報部門「単発企画8P以上」でゴールド賞を受賞した企画
2019年度の紙社内報部門「単発企画8ページ以上」で、ゴールド賞を受賞した企画。自社のエンジニアがお世話になっているお客様6社に取材。 ※機密情報保護のため、誌面を部分的に加工しています

 当社のエンジニアがお世話になっているお客様6社に取材し、インタビュー記事を掲載。企画そのものはシンプルですが、取材を依頼し許可をいただき、われわれのことを語っていただく、そこに大きなハードルがありました。取材対象者には当社のサービスやエンジニアの評価だけでなく「これから世の中のエンジニアにとって求められる技術や能力」というマクロなテーマを盛り込むことで、取材承諾のハードルを少しでも下げる工夫をしました。

 お客様選定やアポイント調整に時間を要することが予測されたため、通常約3カ月で制作するスケジュールを前倒して、半年かけて企画・制作を行いました。営業部門と協力してヒアリングやデータ分析を行い、ご登場いただく6社の事業領域、規模、所在地域などが偏らないようにしました。

 最後にトップからお客様への感謝の意と、いただいたご意見、つまり「期待を超える」ことを力強く発信して、締めくくりました。

 読者アンケートでは「お客様からの声はリアルでとても役立った」と多くの反響が寄せられ、この号を教材にして各拠点で勉強会やディスカッションイベントを行う社員の自発的活動が実施されました。

 社内報制作は、創り手のエゴに走りがちという一面があると思っていて、その点、「社内報アワード」の審査で客観的な評価をいただくことは、自社の社内報の価値を改めて見つめ直すことができる良い機会となっています。審査講評から自信や反省が生まれるので、とても秀逸なイベントだと感じ、毎年参加しています。

【佐川急便株式会社 山田様】

 他社の社内報を見る機会は普段あまりありませんが、「社内報アワード」を通じて拝見し、参考にさせていただいています。また、「社内報アワード」の受賞により、社内報(インターナルコミュニケーション)の重要性について、上層部の理解を少しずつ得られるようになってきていると感じています。そのような理由で、「社内報アワード」に毎年応募しています。

 受賞作の中で強く印象に残っているのは、2020年に紙社内報部門「1冊子」でゴールド賞をいただいた『HIKYAKU』6月号の特集「クール便の品質は全員で守る」です。

本格的な夏を迎える時期に毎年特集で、便種間違い防止などを図っている
梅雨から本格的な夏を迎える時期に毎年特集を組み、便種間違い防止などを図っている

 当社では「飛脚クール便」というサービスを提供し、冷蔵と冷凍のお荷物を扱っています。お客様の口に入る食品が多く、運用方法を一歩でも間違えれば大きな問題になるため、その重要性をしっかりと従業員に伝える必要があります。梅雨から本格的な夏を迎える時期に毎年恒例で特集を組み、クール便の取扱い方法の再認識を目的にしています。

 受賞企画では、便種間違い(冷凍と冷蔵を間違える)や、降ろし忘れ(電気を切り溶けてしまった)など、人的ミスの事例をマンガで提示したり、トラブルゼロの営業所に取材して水平展開できそうな取り組みを写真ととともに紹介したりしました。訴求性をより強靭なものとするため、社外(専門家)の声も入れる工夫をしました。

【株式会社UACJ 浅香様】

 昨年、紙社内報部門 「単発企画8ページ以上」部門でグランプリをいただき、大変感激しました。その企画が『ALUMINIST』掲載の「UACJグループ従業員限定紙ラジオ みんなの声、全部聞かせて! オールナイト☆UACJ」です。

従業員の不満をキャラクターの「ウマレかえる」が伝えている
機密保持のためお見せできない箇所があるが、従業員の不満を真正面から採り上げている。緊張感なく読めるのは、キャラクターの「ウマレかえる」のおかげ

 企画のきっかけは、合併から6年経ち、不安や不満が漏れ聞こえてくるようになったこと。従業員から出るマイナスの言葉をそのまま載せることで、従業員にはガス抜きに、経営層には従業員の思いを共有することは大事と、この企画を作りました。従業員アンケートの結果からマイナスの言葉を前面に掲載して会社の状況を真っ直ぐに伝え、プラスの方向へ進めるようにしたい、と考えました。

暗いマイナスなテーマを楽しく読めるように、深夜のラジオという設定に
暗いマイナスなテーマを楽しく読めるように、深夜のラジオという設定に。従業員の言葉というよりもDJカエルとリスナーのストレートな会話風に演出
アンケート結果は原文そのままに、良いことも悪いことも掲載
アンケートの結果は原文そのままに直球で大胆に、良いことも悪いことも掲載。DJが共感を示すことで、従業員に“受け止めてもらった感”を伝えた
共感するだけでなく考動につながる誌面作り
「自分たちは何をやっていけばいいのか」、共感するだけでなく考動につながる誌面作り

 社内報の継続ポイントや改善ポイントは、自社だけを見ていては気づけません。なので、社外の視線でのアドバイスは常に必要です。「社内報アワード」での審査講評により改善ポイントが明確になり、IC全体の質の向上がされると思います。

 今回のグランプリ受賞で編集メンバーのモチベーションは上がり、これからは社外評価を目標の1つとすることができるようになります。会社の業績が良くないときほど、社内報に対しマイナスの言葉を聞きますが、「社内報アワード」での受賞により、社内での理解が進むのも、ありがたいですね。

視聴者からの質問

Q:とても面白い企画ですね! 社内の反響はいかがでしたか?

浅香社長からは発行後に「良い紙面を作ったね」と褒めいただきました。私たちの目的や意気込みを理解してもらえたのだと思います。従業員からは「自分たちの言葉を飾らずに出してくれた」「正面から向き合ってくれた」とプラスの言葉が多かったです。

Q:キャラクターやラジオの設定は、浅香さんのアイデアですか? 外注はしたのですか?

浅香専任は私1人なので協力会社の力は借りました。ただ、社内の温度感や問題提起はやはり自社にいないと感じ難いので、社内で企画会議を繰り返し、議論して決めました。

ゴールド賞受賞企業が描く、今後のIC計画

――最後に、今後のICの計画を教えてください。

浅香 新しい企業理念を繰り返し伝えていくとともに、会社として注力していくサスティナビリティの理解・浸透についても毎回特集を組みたいと考えています。社内報のメディアミックスのさらなる充実をはかり、働き方改革など他社情報も含めたコンテンツ制作、国内外の情報の吸い上げと展開を、分かりやすさを意識した施策で進めていきます。

山田 経営層と現場の情報乖離をいかに埋めていくかが、社内報の役割であり存在意義だと認識しています。橋渡しとしての役割を果たすべく前例や既存の考え方にとらわれない新たな手段も視野に入れ制作していくことが課題です。3月からデジタル化へと移行します。テレワークなどの新しい働き方が増え、従来のようなコミュニケーションが難しい今、社内報などのインターナルコミュニケーションツールは重要性が高まっています。時代に合わせた企画・見せ方を積極的に取り入れ、より従業員に寄り添う社内報の実現が使命と考えます。

三宅 当社は社員のエンジニアだけでなく、世の中のエンジニアを含めた「すべてのエンジニア」の価値向上を起点として、企業価値の最大化を目指しています。ICにおいても、常に社外視点を持ち、客観的に自社の取り組み・社員の行動を評価できる企画や、世の中のエンジニアの人生・トレンド技術を紹介する企画を発信していきたい。究極は、社内外の垣根をなくして世の中のエンジニアとメイテック社員が同じ情報を共有できディスカッションできるなど、「豊かなエンジニア人生」を目指す上で役に立つ、コミュニケーションプラットフォームを実現したいです。

――今日は貴重なお話をありがとうございました。社内報アワード」をきっかけに多くの企業様のICが活性化するよう、今年度も高品質な審査に努めます。皆さまもぜひご応募をご検討ください!応募締切は4月23日(金)です。


[編集部PickUp/「社内報アワード」に応募するなら必読!]

 


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