社内報担当の皆さんの悩みとして「社内報制作業務で日々感じる素朴な疑問や悩みの相談先がない」とよく耳にします。そこで「社内報ナビ」が皆さんのお悩みにお答えします!
[お悩み]
社内報に使う写真を撮るときのポイントは?
社内報に使うために写真を撮る場面というのは、大勢集まってもらった集合写真、遠方の拠点取材、多忙な現場の方の貴重なすきま時間――等など、「失敗できないワンチャンス」ばかり。もちろん「初心者は数で勝負!」と大量に撮りますが、ポイントを押さえられていないと結局、使えない写真を量産しただけで終わることも…。最低限注意すべきポイントを教えてください!
[お答え]
編集者が撮影する機会の多い3つの場面に絞ってご紹介
以前「写真撮影 6つのポイント」では、写真撮影がテーマの社内報セミナーの概要をお伝えしましたが、ここでは初心者の皆さんのために、編集者が撮ることになりがちな、社内報のための撮影のシチュエーションを3つ挙げ、それぞれの注意点をご紹介しましょう!
写真に求められるのはメッセージ性
社内報の誌面は、見出しと写真で第一印象が決まります。そして、第一印象を決めるような写真に求められるのは、メッセージ性。
皆さんが実際に写真を撮影するとき、あるいはカメラマンに撮影を依頼しディレクションするときにも、写真にその企画としてのメッセージを込めたいと思ったら、写真から何を伝え、何を感じ取ってもらいたいかをはっきりさせておくことは、とても重要です。
誌面の仕上がりをイメージできるラフ・レイアウトを作成し、「どんな写真を撮りたいか」を自分の中で明文化してから、撮影に臨みたいものです。
1: カメラ目線の人物写真は「場作り」から
カメラ目線の場合、基本は笑顔の写真を撮りたいものです。被写体が1人のときは、何気ない会話をしながら緊張を和らげ、複数人数であれば、場が和むよう、雰囲気作りを大切にしましょう。
1人の顔写真は、ガチガチに真正面にしてしまうと、まるで免許証の証明写真のようになってしまいます。体を少し左右どちらかに向けた上で、顔だけ、あるいは目線だけカメラに向けてもらうと、立体感のある自然な写真になります。
集合写真は、誌面の目的にもよりますが、軽くでもポーズをつけてもらうと、誌面に元気さ・明るさが出ます。なお、集合写真撮影のコツについては、こちらのコラムもぜひご覧ください。
2: 自然体の人物写真は、構図・背景・光
座談会、対談、インタビューあるいは講演会など、被写体が話をしている写真は、顔の表情とともに、手の動きも臨場感を伝える要素です。
カメラの望遠に頼り過ぎず、場の状況・雰囲気を乱さない程度に被写体に近づいてみましょう。「最初に構えた位置から2、3歩前へ」が目安です。
背景には、余計なものや邪魔になるものは入れないようにしましょう。例えば、座談会や対談の会場の壁に目立つ絵画の額や、企画と関係ない掲示物があれば、あらかじめ外して片付けておいたほうがいいでしょう。逆に、その企画のメッセージ性にかかわるものであれば、確たる意図をもって構図の中に取り込んでみることも考えてみましょう。
光は順光ならフラッシュは使わず、できるだけ自然光で。逆光のとき、光が足りなさそうなときはフラッシュを使用します。念のため、フラッシュ使用・未使用の両方を撮っておくと安心です。
3: 式典イベントの写真はタイミングを逃さず
ニュース記事などで扱う式典(新年祝賀式、入社式、開所式)や講演会の写真には、必要なメッセージを的確に盛り込んだ構図のカットを押さえておくことが肝心です。
講演会やセミナーの場合は、聴講者が多く見える位置と角度を、試行錯誤して探します。テープカット、表彰式での授与シーンはタイミングをよくよく見極めましょう。
講演でプロジェクターを使用する場合、会場が暗くなるので、まだ明るいうちに何カットか撮影しておくと、プロジェクター使用中に良い写真が撮れなかったときの押さえになります。
なお、イベント撮影のコツについては、こちらのコラムもぜひご覧ください。
インタビュー取材と同じように、写真も場数です。仕事に限らず、プライベートの写真でも場数は踏めます。大事なことは、撮ってみては振り返り、振り返ってみてはやり方を変えてみて、「次へ、次へ」と生かそうとする気持ちを持つこと。その気持ちさえ持てれば、社内報に使う写真を撮るときも、少しずつイメージに近い写真が撮れるようになりますよ!
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