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経営からも、現場からも「愛される社内報」の秘密(亀田製菓株式会社)

 

社内報制作を担当する広報部の丸山愛子さん
社内報制作を担当する経営企画部 広報・IRチームの丸山愛子さん

国内シェア約30%を誇る米菓のリーディングカンパニー亀田製菓。グローバル展開はもとより、今や国民的お菓子&おつまみである「亀田の柿の種」は宇宙日本食にも認定済み。そんな亀田製菓の社内報は「経営目線、従業員目線、編集目線」がバランスよく調和する「三方良し」の編集スタイルです。一人担当の社内報編集部を訪問し、愛される社内報の秘密を覗いてきました。

周年で気づく、つながりの強さ

 現在、社内報『あしなみ』を担当するのは、経営企画部 広報・IRチームの丸山愛子さん。前任者からバトンを受け継ぎ編集長になったのは、昨年11月。「前任者の尾関は社内報を4年担当していました。昨年は広報チームでは企画担当者を筆頭に、昨年の設立60周年企画では周年ならではの取り組みに力を入れ、その様子を1年間あしなみで紹介していました」。

60周年特集の誌面
設立60周年を祝う誌面の一部。左下が「モザイクアート」(クリックで拡大)

 設立60周年を祝う誌面には「ファミリーデー」の紹介や「モザイクアート」など、華やかな企画が目白押し。中でも話題となったのが「モザイクアート」のチャレンジでした。これは、社員から集めた写真をジグソーパズルのピースに見立て、1枚の大きな「絵」を作るもの。60周年にちなみ目標は6,000ピースでしたが、実際には9,240枚もの写真が集まり、ダイナミックなモザイクアートが完成しました。

 「テーマは会社、商品、仕事の仲間、家族写真、何でも歓迎! とし、Webやスマホから手軽に投稿できるようになっており、集まってきた写真は、社員のみが閲覧できる外部Webサイトに掲載。どんどんアップしたことで、さまざまな職場で話題になったようです。

 弊社では、会長が『従業員はもとより、家族も大事にしたい』と常々言っています。周年のこうした取り組みを通じて、従業員はもちろん、家族も一緒に60周年を祝えたように思います」と丸山さん。

モットーは「現場に出向く」

現場への取材を積極的に行う丸山さん(右)
現場への取材を積極的に行う丸山さん(右)

 周年の取り組みを通じ「亀田製菓は、人とのつながりを非常に大事にしている」ことにあらためて気づかされたという丸山さん。日々の社内報作りでも、「つながり」を大事にしたいと考えています。「取材」へのこだわりにも、その思いはうかがえます。

 「弊社はトップの方針が明確です。そして現場は20、30代の若手から40代以上の社員もチャレンジ精神が旺盛です。一方で、新潟県民は『自分から手を上げて、アピールをすることはしない』性質。そんな従業員の思いを汲み取り、チャレンジの様子を伝えていくのが私の役目だと考えています。実際に足を運んで取材するのは、大切なプロセス。下調べをして、『●●の話を聞かせてください』と現場に出向けば、誰もが温かく迎え、親切丁寧に教えてくれます」

 丸山さんは、この夏からは新潟市内の4工場を回り、従業員の声を集める企画も計画しています。取材にこだわる背景には、過去のちょっぴり苦い経験もあるのだそうです。

 「以前、現場紹介の取材を電話とメールで行ったのですが、出来上がった誌面をあらためて見ると、現場に出向いて直接話を聞いていれば、皆さんの魅力をもっともっと引き出せたはず…と悔やまれました」

 現場任せの「寄稿」も、ともすれば現場の負担になりかねません。「手間を惜しんでは、いつか協力が仰げなくなるかもしれない。後悔のないように、直接話を聞きたい」と、現場へ足を運ぶことを自らに誓う丸山さんです。

積極的な取材からつくりあげた“現場”を伝える企画の誌面
積極的な取材から作りあげた“現場”を伝える企画の誌面(クリックで拡大)

経営との距離の近さも社内報の強み

 『あしなみ』の企画・制作プロセスはシンプル。担当の丸山さんが企画を立案し、上司に報告した後、会長にも報告するのです。

 経営陣にまで企画を通すと、話が複雑で重たくなるのでは?――と思いきや、「良いアドバイスをもらえます」と破顔する丸山さん。

 「編集部が立てた企画について上司たちと何度もやり取りする、『企画を叩いて練り上げる』スタイルも、他社にはあるようですね。弊社ではちょっと違って、会長から『もっと現場を出したら?』『ベテランから若手にアプローチしたら?』といった編集者目線のアドバイスを頂いています。このように自由に社内報を作らせてもらえることも、弊社の強みかもしれません。

 トップからは課題がストレートに降りてくる。それを担当者に任せ、形にさせてくれる。自社にはスピード感もある。経営層が従業員に伝えたいメッセージは明確ですし、従業員も『経営層にもっと自分たちのことを知ってほしい』という気持ちを持っています。だからこそ社内報は、そんな両者の間の潤滑油になりたいのです」

経営と編集部の距離が近いのも社内報づくりの強み。田中会長(左)と丸山さん
経営と編集部の距離が近いのも社内報づくりの強み。田中会長(左)と丸山さん

「一人ではない」一人担当者

 こうして経営層とのコミュニケーションを密に取り、現場に足繁く通う丸山さん。社内報作りが楽しくて仕方ない様子です。

 「本当にありがたい環境です。一人で編集していて困ったときも、前任者が残してくれたマニュアルを開けば『こういう特集のときはこういう人にアドバイスをもらうように!』と書いてあります(笑)。マニュアルに頼らなくても、前任者にひと声かければ、一緒に考えてアドバイスしてくれるんですよ」

社内報担当先輩の尾関さん(右)からもアドバイスをもらいます
社内報担当先輩の尾関さん(右)からもアドバイスをもらいます

 一人担当ではあっても、「一人ではない」――そんなところも、社内報『あしなみ』の特徴といえそうです。

 もちろん、読者の声に耳を澄ますことも忘れません。

 新春号の企画「今年の抱負」に登場してもらった従業員には、1年間のモニターになってもらうことをセットで依頼。読者目線で、社内報へのフィードバックを頂いています。一石二鳥というか、「なるほど、その手があったか」のナイスアイデア! 参考にしたいものです。

新春企画に登場いただいた方には、1年間モニターになってもらい、“読者の声”を集めています
新春企画に登場いただいた方には、1年間モニターになってもらい、“読者の声”を集めています(クリックで拡大)

 今後の目標は「会社をより良く変えていきたい、もっと活躍していきたいと思う社員を引っ張り上げるツールにしたい」と丸山さん。

 「控えめな県民性の性質を取り払って、個々の強み、部署の強みを、社内報を通して見せていきたい。それらを、亀田製菓の強い技術や強い力として発信したいですね」と、明確なビジョンを描いています。

 これからの課題の一つに「グループ広報」も掲げつつ、「小さなところから、やっていきます」。「小さなところ」というのは、社内報の1企画のこと。従来、亀田製菓本体だけを登場させていたコーナーの対象を、グループ全体に広げてみる。読者の反響を見ながら、一歩一歩、着実に――丸山さんのチャレンジは続きます。

 

亀田製菓さんの社内報『あしなみ』の表紙

  • 社内報『あしなみ』
    創刊:1959年
    発行部数:2,300部
    仕様:A4版、4色、32~40ページ
    発行頻度:年5回(季刊+新春号)
  • 会社情報
    URL:http://www.kamedaseika.co.jp/cs/

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