社内報担当の皆さんの悩みとして「社内報制作業務で日々感じる素朴な疑問や悩みの相談先がない」とよく耳にします。そこで「社内報ナビ」が皆さんのお悩みにお答えします!
[お悩み]
どうしたら良いインタビューになりますか?
社内報の企画を深掘りするにはやっぱりインタビュー取材!と意気込んで臨むものの、いざ取材が始まると「話が膨らまない」「かと思うと脱線したときばかり話が弾む~」など、冷や汗ものの事態になることが…。どうしたら、限られた時間で的確な答えを引き出す良いインタビューができますか?
[お答え]
インタビュー取材中の心得を3つご紹介しましょう!
社内報のインタビュー取材は「準備8割・本番2割」というお話を以前いたしました。まずはこれらの準備を前提としていただいた上で、インタビュー取材中に思い出してほしい3つの心得をご紹介しましょう!
「言葉プラスアルファ」を受け止める
最も大切なことは、取材に協力してくださった方への感謝の気持ちを忘れず、真摯な態度で、話をしっかりと聴くことです。
「聞く」ではなく「聴く」。「聴」の字は「耳と十四の心」と書きます。十四の心とは、持てる感性をフルに発揮するということで、つまり「聴く」には、相手の意をできるだけ正確に酌み取る心構えが含まれます。
寄稿とインタビュー取材の大きな違いは、どこにあると思いますか? 寄稿の場合、皆さんが相手から受け取れるのは文字のみ。一方、対面取材ができれば、受け取る情報は桁違いに増えますよね。
発する言葉のみならず、相手が話したときの表情や声の抑揚、テンポ、身を乗り出す様子や身振り手振りなどなど…。対面してインタビューをするあなたは、それらのすべてから相手の思いをダイレクトに受け止め、感じ取ることができるのです。
これが、企画を深めてくれるインタビュー取材の醍醐味です。録った音声を文字起こししたら、それがインタビューの全部の情報でしょうか。そうではありません。相手の発する「言葉プラスアルファ」をしっかり受け止めましょう。
これをしっかり受け止めて初めて、話を膨らませる「良い切り返し質問」ができます。「あっ、この人は私の言いたいことをちゃんと理解してくれる!」と思ったら、もっと深いところを伝えたくなりますよね。インタビュー取材という「仕事」の場面ですが、やっていることはコミュニケーション。場の空気を共有するからには、五感をフル活用してこそ良いコミュニケーションが始まります。ぜひ心得て臨んでください。
「聴き手」の役柄に徹する
聴き手の私たちは、このインタビュー取材中はあくまで黒子。相手を引き立てる役回りを「演じる」力も必要です。
「あなたの話を、全身でしっかり聴いています」と相手にアピールするためにも、インタビュー中は意識して大きくうなずきます。うなずく動作は、メモを取りながらでもできますし、相手の話を邪魔することなく、続きをうながす意図もさりげなく示せます。
また、話の内容が理解しづらくなってきたときは、うなずきをいったん止めて、体を少し前に乗り出して「いま、お話に少しついていけていません」という雰囲気を醸します。
もちろん、話の区切りがついた時点で、理解しづらくなった部分をきちんと問いただして確認することは大切ですが、聴く役割の演じ方でも、相手のお話しぶりが変わってくる・変えることができるという点は、社内報インタビュー取材の最中に、ぜひ心得ておいていただきたいことの1つです。
うまくいかないときは、原点に立ち戻る
インタビュー取材は、ふたを開けてみないと分からないことがたくさんあります。お会いしてみたら謙虚過ぎるほどに寡黙な方だった、逆に面白おかしく脱線しまくる方だった、どうも質問がズレて伝わって、想定と違う答えが返ってくる……枚挙にいとまがありません。
そんなときは、限られた残り時間を思って、気が気ではなくなりますね。でも、焦る気持ちをぐっと抑え、いったん冷静になるためにも企画書や質問表に立ち戻りましょう。
「私の理解が十分でないかもしれませんので、これまでのところを整理してもよろしいですか」とお伺いを立て、企画書や質問表を相手にも見ていただき、一緒に確認します。
社長や役員など役職の高い方が相手の場合、軌道修正には勇気がいります。だとしても、取材現場で「このインタビューはうまくいってない…」と思ったらあやふやなままにせず、その場だからこそ確認できることをきっちり確認することは、とても大切。のちの原稿作成時に、きっと役立ちます。
インタビュー取材は1回1回にドラマがあり、まさに一期一会。誠意をもって傾聴し、分からないことを恥ずかしがらずに素直に聴けば、必ず「良いインタビュー」にできると思います。ステップ・バイ・ステップで、前回より今回、今回より次回と、少しずつ精度を高めていきましょう!
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