
6月から全3回に分けて連載された大人気記事「社内報インタビューのコツ」シリーズが、6/30にセミナー化しました!
当日のセミナーでは「社内報インタビューのコツ」シリーズで執筆にご協力いただいた勝山多恵子さんが登壇し、インタビューの事前準備から当日の流れ、アフターフォローまで詳しく解説。
前編は「目的づくり・依頼・事前準備・質問設計」に関するQ&Aをご紹介しました。
後編では「座談会や現場取材、話しやすい空気づくり、当日の進行、記事構成・編集、配信後の届け方」についてお答えします。
★「社内報インタビューのコツ」シリーズはこちらをチェック
インタビューのコツ①~経営層編~ | 社内報づくりに悩んだら「社内報ナビ」
インタビューのコツ② ~社員編~ | 社内報づくりに悩んだら「社内報ナビ」
インタビューのコツ③ ~対談・座談会編~ | 社内報づくりに悩んだら「社内報ナビ」
勝山多恵子 さん
ドリームテリア代表。広報・Web制作・編集・ライティングなどを通じて、企業や団体の「伝える」を支援。経営者インタビュー、社員インタビュー、対談・座談会、イベントレポートなど、さまざまな取材・記事制作に携わる。話し手の思いや背景をくみ取り、読み手に届く形に整えることを大切にしている。現在は「社内報ナビ」編集チームの一員としても活動中。
インタビューは、質問者が一方的に進めるものではなく、相手と一緒につくるコミュニケーションでもあります。話しやすい空気をつくること、目的に戻りながら進行すること、そして相手の言葉の温度を残して記事に整えること。
今回は、より実践の場面に近いご質問が多いので、具体的な声かけや考え方も交えながらお答えします。
なお、文字数の都合上、質問文は一部短縮・編集していますのでご了承ください。
座談会・現場取材に関する質問
Q. 座談会の進行や事前準備のコツを知りたいです。
Q. 現場・現地でインタビューする場合、場所の選び方や聞き方にコツはありますか。
座談会は、誰にどんな立場で話してもらうのかを事前に整理しておいた上で進めます。
当日の一番最初では、何の話から始めて、どこに着地したいのかを最初に共有しておくと、参加者の認識がそろいやすくなります。
座談会では、全員に同じ質問を順番に聞くよりも、立場の違いが見えるように、また特定の人に発言が集中しないように話をつなぐことを意識するとよいと思います。
たとえば、
「今のAさんのお話を聞いて、Bさんはどう感じましたか?」
「現場の立場から見ると、少し違う見え方もありますか?」
「その時、周りの方はどんな反応でしたか?」
のように、参加者同士の言葉を橋渡しするイメージです。
現場取材では、目の前にあるものを質問の入口にできます。 「この道具はどんな時に使うのですか?」「この場所で一番気をつけていることは何ですか?」のように聞くと、会議室では出にくい具体的な話につながりやすくなるでしょう。
話しやすい空気づくりに関する質問
Q. 相手が緊張せずに話せるようにするには、どんな工夫がありますか。
Q. 初対面の相手から、固くないコメントやお人柄を引き出すにはどうすればよいでしょうか。
当日の安心は、取材前のコミュニケーションでつくっておきます。
依頼メールや事前案内で、目的、聞きたい内容、所要時間、撮影の有無などを伝えておくと、相手の不安は減ります。
また、事前に「相手のファンになる」くらいの意気込みで相手についてよく調べておくと、取材者自身の緊張も減り、その方らしさに触れる会話もしやすくなると思います。
当日は、緊張をほぐそうとして、無理に雑談で盛り上げようとするより、取材者自身が最初の10秒を笑顔でスタートすると意識するだけで、空気が和みます。
口数の少ない方には、「今のお仕事はどのような内容ですか」「この部署にはいつからいらっしゃいますか」など、考え込まなくても答えやすい質問から始めると少しずつエピソードや思いに広げていけます。
また沈黙を恐れず、相手が考える時間を待つことも大事ではないでしょうか。
インタビュー中の進行・時間管理・撮れ高に関する質問
Q. 間がもたなかったり、話がずれて時間が足りなくなったりします。進行のコツはありますか。
Q. 限られた時間内で、必要な「撮れ高」を確保するにはどうすればよいでしょうか。
Q. 十分な取材時間が確保できない場合、5分ほど余裕をもって終えるために、進め方で工夫できることはありますか。
まず、インタビューの最初にゴールを共有し、認識を合わせておくと、話がずれにくくなります。
また「今日は○時の5分前には終われるように進めたいと思います」と、最初に終了時間を伝えておくのも効果的です。
質問をすべて消化することより、記事の目的に必要な話が聞けているかを意識することが大切だと思います。事前に「必ず聞きたい質問」「深掘りしたい質問」「時間があれば聞きたい質問」に分けておくと、当日の判断がしやすくなります。
話が広がったときは、 「とても興味深いお話なので、もう少し伺いたいのですが、今日はぜひ○○についてお聞きしたいので、話題を移させていただきますね」 のように、相手の話を大切にしながら軌道修正します。
撮れ高が不安なときは、抽象的な言葉だけでなく、具体的なエピソードを一つでも聞けているかを確認するとよいのではないでしょうか。
記事構成・編集・脚色に関する質問
Q. 取材前に記事構成をイメージして臨みますか。それとも、取材後に構成しますか。
Q. 回答の順番を入れ替えたり、山場をつくったりすると、脚色しすぎていないか迷います。
Q. 編集する中で、自分の価値観がにじんでいないか不安になることがあります。
記事構成は、事前にある程度イメージしておくとよいと思います。ただし、その通りに進めるというより、「仮説」として持っておく感覚です。
話した順番のまま記事にする必要はなく、読みやすくするために構成を整えることは必要な作業だと思います。
ただし、本人が言っていないことを言ったように見せたり、迷いながら話していたことを強い断定に変えたりすると、意味が変わってしまいます。
迷ったときは、 「本人の意図とずれていないか」 「読者に誤解を与えないか」 「本人が読んだときに、自分の言葉だと思えるか」 を意識しながら整理するとよいのではないでしょうか。
配信後に読んでもらう工夫に関する質問
Q. 配信後、社員に読んでもらうための宣伝活動はした方がよいのでしょうか。
Q. 共有PCで働く現場社員に、Web社内報を見てもらうにはどのような工夫がありますか。
記事は、公開しただけではなかなか読まれません。
特に共有PCで働く現場社員の方に届けたい場合は、「Web社内報を見に来てもらう」だけでなく、現場社員の動線上に入口をつくる発想が大切だと思います。
休憩室や掲示板にQRコード付きの案内を貼る、朝礼やミーティングで紹介してもらう、記事の見どころを短く社内チャットで共有するなど、読むきっかけを複数用意するとよいのではないでしょうか。
また、スマホで読みやすいようにするには、冒頭に要点を入れる、見出しを多めにする、読了時間の目安を入れるなどの工夫もあります。
記事の内容によっては、短く編集して印刷し、休憩室に掲示する、休憩室のモニターでスライド上映する、社員研修の資料の一部に入れてもらう、といった届け方も考えられます。

最後に
インタビューに、唯一の正解はないと思っています。
相手や目的、記事の届け方によって、よい進め方は少しずつ変わりますし、私自身もこれから経験を重ねる中で、考え方が変わっていくかもしれません。
ただ、どの場面にも共通しているのは、相手の話を大切に受け止め、読者に届く形に整えていくことではないでしょうか。
インタビューは、質問して答えてもらうだけの時間ではなく、相手と一緒につくり、その言葉を読者へ届けるためのコミュニケーションだと思います。
今回のQ&Aが、一つでも皆さんの取材や記事づくりのヒントとなり、皆さんが自分なりのインタビュースタイルを見つけるきっかけになれば嬉しいです。








