
今回から3回にわたってお届けする「社内報インタビューのコツ」シリーズ。
テーマは「経営層編」「社員(若手・ベテラン)編」「対談・座談会編」の3つです。インタビュー前の準備から進行のポイントまで、丁寧に解説していきます。
第1回は「経営層編」。経営層は、組織の方向性を示す重要なメッセージを担う存在です。だからこそ、インタビューの成否は“準備力”と“設計力”に大きく左右されます。
忙しい経営層から本音を引き出し、社員にしっかり届く言葉へ。そのためのコツを一緒に学んでいきましょう!
STEP1:インタビュー前の準備
インタビュー依頼が通りやすい“伝え方”
「経営層へインタビューを申し込んだけど、なかなか取り合ってもらえない…」という方は、下記を伝えることから始めてみましょう!
- 社内報のテーマ
- 社員にどんな効果があるか
- 経営層の言葉がどんな価値を持つか
経営層は多忙だからこそ、優先順位が明確。「なぜこのインタビューが必要なのか」を依頼時にしっかり共有することで、スケジュールに入れてもらいやすくなります。
また、候補日時は1つではなく、幅を持たせて提示するのが鉄則。秘書・アシスタントには、質問案を先に共有しておくと判断が早まります。
事前アンケートは“余白”を残そう
経営層へのインタビューでは、立場上、発言に慎重になる場面もあります。だからこそ、アンケートは「書きやすい質問かどうか」だけでなく、「深掘りできる余白があるか」を考慮する必要があります。
例えば…
×「今後の経営戦略を教えてください」
質問の範囲が広すぎるため、答えが曖昧になりがち。深掘りもしづらくなってしまいます。
○「今期の重点テーマのうち、社員に特に伝えたいポイントはどれですか」
話題を1点に絞ることで、「なぜそれを選んだのか?」「具体的にどういうことか?」と自然に次の質問が生まれるよう誘導できます。
アンケートは“答えを確定させるもの”ではなく、“本番で深掘りするための地図”として設計しましょう!
STEP2:インタビュー当日
最初の1分で“信頼”と“ゴール”をつくる
経営層は、忙しい分、時間管理を大切にしている人が多いです。冒頭の1分で下記3つを簡潔に伝えることで、「何をどこまで話せばいいか」が明確になり、相手も安心して話しやすくなります。
- 今日のゴール
- 読者(社員)の状況
- 記事での使い方
また、「社員からは『現場の変化が見えにくい』という声が多いのですが、どう見ていますか」といったように、取材者側の仮説を軽く添えるのも効果的!
話の出発点が示されることで、考えやすくなり、より具体的な言葉を引き出しやすくなります。
本音を引き出す“具体→抽象→未来”の流れ
経営層の話は、どうしても方針や理念など抽象度の高い内容になりやすいものです。そのため、社員に届く言葉にするには具体的なエピソードが欠かせません。そこで有効なのが次の順番です。
- 具体:「最近、現場で印象に残ったできごとはありますか」
- 抽象:「そこから感じた組織の課題や強みは何でしょう」
- 未来:「それを踏まえて、社員に期待したいことは」
この流れは、経営層が語りやすく、記事としてもまとめやすいのでおすすめです。
言いづらいテーマは“選択肢提示”で引き出す
回答に詰まってしまった時は、選択肢を提示する質問をしてみましょう。
例えば…
×「今期、どのように貢献していこうと考えていますか」
経営層は、責任を持つ範囲が広いため、曖昧な質問では何を答えれば良いか難しくなってしまいます。
○「今期の重点は“攻め”と“守り”のどちらが強いイメージですか」
選択肢があると、相手は“安全に”話しやすくなり、結果として本音に近い言葉が出てきます。
STEP3:インタビュー後
取材後のフォローで、次回のインタビューもスムーズに
取材後に成果や記事化の意図が見えると、次回以降の協力も得やすくなります。フォローはしっかり行いましょう。
例えば…
- 取材内容のサマリーを送る
- 記事化の意図をあらためて共有する
- 秘書・広報担当にも丁寧にお礼を伝える
こうしたひと手間で、次回のスケジュール調整も格段にスムーズになります。
インタビュー内容の記事化前に、“軸”を決める
記事化する前に、「どの話を盛り込めば、企画意図に沿った記事になるか」を考えましょう。インタビューの内容が濃いほど、載せたい情報は増えてしまいがち。想定する文字数の中で意図をしっかり伝えるために、あらかじめ軸を定めておくことが重要です。
例えば…
「新しく役員になった●●さんに親しみを持ってほしい!」
→バックグラウンドがわかるようなエピソード、社員に対する思い、プライベートなどをセレクト
「●●さんが率いる新規事業の魅力を伝えたい!」
→新規事業とこれまでの経歴のつながり、新規事業の内容と目的、展望などをセレクト
ライターのちょこっとアドバイス
経営層インタビューは、社員インタビューと異なり、「その人の話」にとどまらず、会社全体に向けたメッセージになりやすく、社員にとって少し遠い言葉になってしまうことがあります。せっかくの機会だからこそ、経営層の言葉を“会社の言葉”で終わらせず、“社員に届く言葉”にしていくことを意識すると、「読まれる記事」に近づくと思います。たとえば以下のような工夫があります。
- 過去のメディア掲載記事や社員向けメッセージなどには一通り目を通しておき、「以前、〇〇でおっしゃっていた△△について、さらに詳しく教えてください」と聞いてみる。自分の言葉を大切に受け止めてもらえていると感じ、話が深まりやすくなります
- 事前に社員から「経営層に聞きたいこと」を募り、「社員からこんな質問が来ています」と聞いてみる。社員の関心を起点にすることで、具体的な言葉を引き出しやすくなります
- 企業理念に触れる場合は、「最近の社内の出来事で、この理念らしさを感じて嬉しかったことはありますか」と聞いてみる。理念を身近なエピソードとして語ってもらいやすくなります
- 趣味やペット、愛読書、休日の過ごし方など、人柄が伝わる話題も自然に交える。写真を掲載できると、さらに身近に感じてもらいやすくなります
ライター:TAEKO
企業広報・社内コミュニケーション領域を中心に、長年にわたり取材・執筆を担当。経営層から社員、対談・座談会まで、幅広いインタビュー経験を持つ。
最後に
経営層インタビューのコツはつかめましたか? 経営層の思いを引き出せるよう、ぜひ役立ててみてください。
次回は「社員編」をお届けします。どうぞお楽しみに!








