「社内報ナビ」は、社内報担当の皆さんのお悩み解決をお手伝いします。あなたの疑問やお悩みを、お問い合わせフォームよりぜひご連絡ください! 今回は、次年度に向けて年間計画を考えている方からのご相談です。
[お悩み]
社内報の年間企画、どう立てたらいいの?
毎号、編集会議のたび「産みの苦しみ」で七転八倒。そのときは「年間企画があれば…!」と思うものの、いざ年度初めになると「何が起きるか分からない中で年間企画を立ててもなあ…」と感じてしまいます。でも、このままじゃいけない。次年度こそ、社内報の年間企画を立てようと決意しました。どう考えてどう立てたら、ちゃんと生かせるものになりますか。
[お答え]
年間企画は大事な「土台」。メリットを知ってじっくり臨もう!
社内報の年間企画に関する考え方はさまざま。「そのとき最もタイムリーな企画をその都度考えたいから、年間企画はあえて立てない」という企業もあります。しかし、社内報を、エンゲージメントを高めるためのツールと捉えるならば、年間の計画はいわば「土台」。以下で説明するので、ぜひじっくり取り組んでみてくださいね。
〈年間企画作りの前に、企画立案の手順を振り返り〉
ステップ①:テーマを選定する
ステップ②:テーマ関連の情報を収集する
ステップ③:情報を整理する
ステップ④:企画を構築する
ステップ①:テーマ選定を済ませておく=年間企画
「テーマを選定する」というステップ①。これを1年分、事前に決めておくことが、すなわち年間企画をつくることです。「おおよそこんなテーマでいこう」という目星を、毎回イチから考えなくて済むように、期初にあらかじめ考えておきましょう。
「年間企画を作ってもそのとおりにならないから、作る意味を感じない」との声も、確かに聞かれます。でも、果たしてそうなのでしょうか。
社内報の要(かなめ)となるのは企画。その企画を毎号その都度考えていたのでは、どうしても企画を「発行時点」という「点」で捉えがちになります。それに対し「通年」という視野に立つと、企画を「線」や「面」で捉えられます。
つまり、1つの企画を、社内報というツールを使ったインターナルコミュニケーション施策の「打ち手の1つ」と捉え、「より大きな流れを作ろう」「1号内ではなく年間発行回数全体の中で、テーマのバランスを取ろう」といった考え方ができるようになります。
例えば、「春号ではこのテーマで気づきを得てもらい、それを踏まえて夏号にこのテーマを当てて、さらに視野を広げ理解を深めてもらおう」というような、社内報の戦略的な活用が考えられます。また、期初にしっかり年間の戦略を立てることで、各々のテーマについて考える時間をたっぷり確保できます。
仮に、その号の発行時点で想定外に重要なテーマが持ち上がって、年間企画どおりにならなかったとしても、そのときはそのとき。会社は常に動いていますから、計画にとらわれ過ぎて融通が利かなくなるのも本末転倒です。
状況の変化に柔軟に対応する勇気と心づもりは持ちつつ、それでもやはり、通年の視野に立ち社内報が自社のコミュニケーションで果たすべき役割を考えて、年間企画という「土台」を作っておく(=テーマの選定をあらかじめ進めておく)ことをお勧めします。
ステップ②:①のテーマに基づき情報収集!
年間企画であたりをつけておいたテーマに関して、次のステップ②で情報収集です。
これは、年間企画を立案する時点ではざっくり大づかみにしておき、発行準備が始まってから本格的に行うことになっても構いません。内容によりますが、会社動向に関する企画であれば、以下のような方法が考えられます。
社内報企画の情報収集
[1] 社内:現状の取り組みを知る社内資料を読み、関係者へ事前ヒアリング
[2] 他社:他社の社内報事例など、似たテーマによる企画の参考資料を集める
[3] 社会:テーマに関連した書籍、雑誌、Web上の情報などを集める
……さて、企画作りにおける以降のステップ③・④については、年間企画を立案する時点で歩を進めてしまうケースは稀であると思われますが、せっかくですから最後まで説明しましょう。
ステップ③:情報整理にはブレストがお勧め
ステップ②で集めた情報を眺めるうちに企画がむくむく膨らんだとしても、すぐに企画書に取りかかるのではなく、いったん情報を整理します。
社内報の企画立案の場合、効率の良い情報整理方法は、担当者全員+可能であれば責任者も交えたブレストです。どんな構成にするか、互いの意見を否定せず、互いの意見に乗っかりながら、集めた情報に基づいて企画を膨らませ、読者に伝えたい必須の要素をリストアップしていきます。各要素の扱いの軽重もここですり合わせておけば、後々誤解による手戻りの可能性も低くなって一石二鳥です。
ステップ④:企画構築
ステップ③の情報整理を経て企画の全体像が見え、構築の準備が整ったら、企画書へと落とし込みます。企画書は、「テーマ」「企画の背景とねらい」「構成内容」の三本柱で考えていきます。もちろん、企画のボリューム次第ではありますが、よほどの大特集でない限りは、A4用紙1枚で十分でしょう。
企画書はこの後、誌面にご登場いただく社員の皆さんへの依頼書のベースになるので、企画の意図が過不足なく端的に伝わるものである必要があります。
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企画は骨が折れますが、社内報作りのまさに「肝」そのもの。皆さんもぜひ、腰を据えてじっくりと、中長期的視野に立って年間企画にじっくり取り組むことから始めて、1年間を走りきってみてください。その1年を振り返ったとき、「自社のインターナルコミュニケーションへの貢献」において、自分が1段、ステップアップしていることに気づくことでしょう。
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