社内報の企画がどうしても思い浮かばなくて、困ってしまった経験はありませんか? そんなときはいつもと逆側に突破口を探してみます。
出発点は「その人を社内報に登場させたい!」
というのは、まず「登場してほしい人」を先に「誰々さん」と決めてしまうのです。
通常通り、企画の狙いやゴールを考えてから組み立てることももちろん大事ですが、うまくいかなければ、誌面に登場させたい個人を思い描いてみるのも一計です。
なぜなら、社内報担当者のあなたが感じるその人自身の魅力から、企画のイメージが勝手に膨らむからです。これが、良い企画の立案へとつながる突破口になります。
具体的には、日ごろ「あの人頑張っているな」「いつも会社の課題に取り組んでいるな」「プロジェクトで活躍しているな」と感じた、自分が紹介したい人をイメージします。
「登場者」起点の企画はこう立てる
それでは、事例でもう少し詳しくお話ししましょう。私が以前、社内報ご担当者向け広報誌を担当していた時代に立てた企画のエピソードです。
私はつねづね社内報ご担当者は女性が多く、とても優秀な方が多いと感じていました。中でも具体的に「A社のTさん!」を登場者にしたいと思い定めました。母親であり管理職でもあるTさんに登場してもらい、女性ご担当者の活躍をみんなに知らせたかったのです。
そこで、「Tさん登場」にふさわしいテーマを考えました。
「Tさん登場」にふさわしいテーマは?
①活躍する女性担当者たちを公私とも紹介して「女性活躍の舞台裏」を伝える企画
②働き方に特徴のある社員らの事例から「多様な働き方」を周知する企画
③女性管理職のキャリアや展望を紹介し、キャリアアップに向けて若手の女性の意識を鼓舞する企画
このときは、①の女性担当者の活躍を伝える企画としました。若手担当者の目標になるような方々に登場してもらい、「自分もがんばろう」とモチベーションを高める狙いです。
最終的な誌面構成は、以下の3部構成に。
「Tさん登場:女性担当者の活躍を伝える企画」構成
第1部:Tさんと他社の社内報担当者の3人で座談会。仕事と家庭の両立、社内報への思いを語ってもらう
第2部:担当歴の浅い人からの疑問にベテラン担当が答えるQ&A
第3部:女性が一番気になる、家事と仕事の両立を実践している担当者に密着取材。1日のタイムスケジュール、両立のコツ、オンオフを紹介
まず主役を先に決めるこの企画立案方法を使うときは、個人をイメージしつつ、最近のトレンドにも配慮したいところ。今は会社の課題に合わない、トレンドと少し離れるようであれば、寝かせておき、時期が来たら再度企画立案しましょう。
大切なのは「どれだけ人を知っているか」
さて、最後に大事なアドバイスをひとつだけ……。
社内報企画で登場人物をイキイキと描くには、社内の広いネットワークが不可欠です。日ごろからたくさんの人と知り合うよう努めましょう。登場してほしい人とそのテーマをセットでストックしておけば、選択肢は広がり、企画立案で困りませんし、企画力アップにもつながりますよ!