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未曾有の感染症とたたかい続ける従業員を勇気づけ乗り切る力にするために(株式会社ダイエー)

経営管理本部 経営企画部の宮沢 綾子さんがキャラクターのモッくんと登場
プレゼンを担当したのは、経営管理本部 経営企画部 企画・広報チームの宮沢 綾子さん。同社キャラクターの「モッくん」と登場

2021年10月5日(火)~8日(金)に開催した「社内報アワードONLINE EVENT 4DAYS」では、ゴールド賞受賞企業10社による、社内報制作の事例発表を行いました。「社内報ナビ」では、各社の発表内容を紹介していきます。

第8回は、株式会社ダイエー様。社内報アワード2021では、紙社内報部門 特集・単発企画8ページ以上でゴールド賞に輝きました。受賞作品のテーマは、世界じゅうを襲った新型コロナウイルスとの戦い。その全容と企画意図、また今後に向けての抱負についてお話しくださいました。

社内報は有料から無料化へ、対象も全従業員に拡大

 当社は、1957年創業、「よい品をどんどん安く、より豊かな社会を 〜おいしいと言わせたい〜」を基本理念に掲げ、全国で192店舗(事例発表時点)を展開しているスーパーマーケットです。

 社内報の創刊は、創業5年目の1962年。以来時代とともに名称や誌面を変えながら、発行し続けてきました。直近の大きな変化は2016年。当社ではそれまで、「情報はお金をかけて買うもの」という考えのもと、希望者のみが購読するという方式を採っていたのですが、社内コミュニケーションをより重視する方針に転換し、無料でパート・アルバイトを含む全従業員に配布することにしました。それにより、現在のメイン読者は、店頭で働くパート・アルバイトとなっています。

 社内報の名称は、ダイエーのダイの字を取った『dai好き』。ダイエーの強みや独自の取り組み事例の共有、イオングループの事例紹介を通じて、従業員の一体感の醸成とモチベーションの向上、ならびにサクセス事例の水平展開の一助を担うことを発行目的としています。

 制作は広報チームのメンバーである私とパート社員1名で担当していますが、大切にしている編集方針は次に挙げる3つです。

『dai好き』の編集方針 ~“人”と“想い”にフォーカスした編集方針~

  1. “人”を大切にする企業風土を伝える
    極力たくさんの人に登場してもらうようにしている。理由は、働く人一人ひとりにスポットを当てることで、その人自身のやりがいやモチベーションにつなげるとともに、周りの人もそれを励みにする、共感して元気になれる、という考えから。表紙は店舗従業員の集合写真とし、全員のフルネームを掲載。各企画でも、登場人数を多くする工夫をしている。

  2. daieiを好きになってもらう
    従業員の会社へのロイヤルティ醸成を意識。目玉商品の開発の舞台裏を紹介したり、地域のコミュニケーションの場ともなっている移動販売の最前線を紹介したりするなど、社員が会社に誇りを持てるようなトピックスを掲載するようにしている。

  3. 事実を記録し、想いを記憶に残す
    「記録」は社内報の重要な役割の一つと認識し、特に人の「想い」という部分にスポットを当てる編集にしている。

 例えば、1995年に発生した阪神・淡路大震災。この未曾有の大災害にダイエーは、「ライフラインを守る」ことを最優先に、明かりだけは絶やさないようにしました。当時の社内報では、その時何が起き、何を大事に考え、どう行動したのか。事実の記録とともに、その想いをつづっています。この災害は、現在当社が持っている「地域のライフラインを守るために営業を続ける」という姿勢や考え方のベースとなった出来事で、これを大々的に取り上げた特別号は、その起点の証となっています。

 その後、2011年に起こった東日本大震災では、阪神・淡路大震災での経験をもとに迅速に営業を開始、全社一丸となって対応に当たったのですが、当時の社内報でも同様に、事実の記録と、従業員の想いが掲載されています。

コロナ襲来! 戦場のような日々をつづる

 今回ゴールド賞を受賞した企画「新型コロナウイルスとたたかうダイエー『届けたいのは、安心』」も、3の流れをくむものです。昨年コロナによりさまざまな混乱が生じた中、2000年7月に特集を組みました。しかし、当時はまだ新型コロナウイルスの正体がはっきりとはつかめておらず、どんな対策が正しいのかあいまいな状況。とても総括ができる時期ではなかったのですが、とにかく従業員を勇気づけたい、誇りを持ってもらいたい、その一心から、このタイミングでまとめ、発行することにしたのです。

 勇気づけたい、というのはどういうことか。企画立案当時、私たちが直面した状況をご説明します。

 各店舗で、従業員やそのご家族が自宅待機となり、部門の人員が丸ごと抜ける、一斉休校で子どもの面倒をみるため休まざるを得ない者がでる、というような状況になっていました。その一方、店頭では、商品を棚に出してもすぐになくなり、レジではお客さまの行列が絶えないという、いつも以上に人員が必要な事態に。各部門で起きるマンパワー不足を、出勤できる者がフォローして営業する前代未聞の臨時体制を、多くの従業員が体験していたのです。

 さらに、世界中の商品供給や運送が逼迫する中、商品部や物流部を中心に、商品を店頭に供給し続けるための奮闘が続いていました。この社内報の読み手は、店頭で働く従業員で、大半がパート・アルバイトの方々です。彼らは目の前で起きている事象に対応することで精一杯。会社全体で一体何が起きているのか、自分たちの苦労は何かの役に立っているのか、そんな疑問や不安が渦を巻いていたはずです。また現場では、各自の持ち場周りの「点」の視点でしか事象を捉えられていないことも推測されました。

 そのため、全社視点での「面」で捉えることができるよう、今こそ知らせるべきだと判断。会社として安全・安心のために実施してきたことをまとめ、店頭からは見えない商品部や物流部の奮闘も含め多面的に紹介するように心がけました。

会社に起きていることや仕事への疑問を払拭し、勇気づけるために企画
会社全体に起きていることや自分の仕事の意義に対する疑問や不安を払拭し、勇気づけることが企画のねらい

各部門で起きた事象を「生の声」で克明に記録

 本企画は、表紙・裏表紙を含め、全16ページです。最初の見開きパート1では、「お客さまと従業員の安全・安心のために」と題して、起きた事象とそれに対して当社が行った取り組みを時系列で追う構成に。世の中の状況と当社の対応の軌跡を記録することで、会社が安全確保のために実施したことを認識し、今後も続くコロナ禍の業務での「安心」につなげたい、さらには会社一丸となって戦った頑張りの記憶として、今後を乗り越えていく力の一つになれば、そんな想いでまとめました。

最初の見開きでは、起きた事象と自社が行った取り組みを時系列で紹介
最初の見開きでは、起きた事象とそれに対して自社が行った取り組みを時系列で紹介

 次のパート2では、商品の安定供給のために奔走した商品部の戦いにフォーカス。特にニーズが急増した、マスク・トイレットペーパー部門、米・カップ麺・冷凍食品・パン、物流、といった部門ごとにインタビュー形式で記録しています。

 なかでもマスクの不足は皆さまもよく記憶されているかと思います。わずか1週間で例年の3カ月分が売れ、世界中からマスクが消える事態となりました。またマスク以外でも、買いだめ需要が起こり、物資が原材料レベルで不足。原料・商品に加え、それらを運ぶトラックも不足するという物流の混乱も起きていました。

 誌面では、この急激な需要の高まりと在庫がなくなっていく様子を、もっとも影響を受けたマスクの数値変化で表現。冒頭にグラフで提示することで、端的に昨春の異常な動きが伝わるようにしました。加えて、それぞれの部門で起きたことと、商品の安定供給に向けてどう工夫していたのかを証言してもらいました。

パート2では、商品の安定供給のために奔走した商品部をメインに
パート2では、商品の安定供給のために奔走した商品部をメインに。マスク・トイレットペーパー部門、米・カップ麺・冷凍食品・パン、物流、といった部門ごとにインタビュー形式で記録した

 パート3では、当社の店舗が入るビル内でクラスターが発生した際の状況を、店長や従業員へのインタビュー記事で掲載。国内での陽性者がまだ少ない段階で、入居するビルから複数の感染者が出るというインパクトは大きく、当社としても感染対策をより一層、真剣に考えるきっかけとなった出来事です。ニュースや新聞で続々報道され、皆の不安が広がる中、店長はさまざまな対応に奔走。お客さまや従業員の安全・安心のために何をするべきか。店舗と本社でオンライン会議を開いて検討した結果、店長の強い要望で、一旦店舗を休業し、専門業者による消毒を行うことに。また、それをお客さまにもご理解いただくべく告知を決定。この先、他店舗でも十分起こり得る事案だったため、どこに判断基軸を置き、どんな行動を取ったのか、その情報を共有するとともに、不安を抱えながらも強い使命感で店頭に立ち続けてくれた従業員の想いを生の声として記録しました。

店舗が入るビル内でクラスターが発生した際の状況を記録したパート3
店舗が入るビル内でクラスターが発生した際の状況を記録したパート3。店長や授業員へのインタビュー記事で構成

 パート4では、世の中の常識が刻々と変化する中、社内でも急速に進んだ対応変化を取り上げています。いまでは常識となったテレワークやオンライン会議ですが、それに切り替わっていく様子を記録しています。

 また、当時はお客さまに安全・安心をアピールするため、テレビCMや新聞広告で従業員が登場する「届けたいのは、安心」という企業メッセージを発信していたのですが、社内報では、全従業員を代表して、それらの出演者たちに話を聞き、パート5としてまとめています。

テレワークやオンライン会議に切り替わっていく様子を伝えたパート4
社内でも急速に進んだテレワークやオンライン会議に切り替わっていく様子を伝えたパート4

お客さまの感謝や励ましの声を全面に展開

 本特集でもっともこだわったのは、当社に寄せられたお客さまのお声を掲載することです。私たち従業員が何より勇気づけられるのは、お客さまのお声だからです。大変ありがたいことに、当社には早い段階から、たくさんのお客さまから感謝や励ましのお声が届いていました。しかし、従業員は自身が働く店舗に届いたもの以外は目を通す余裕がありません。そこで社内報で知らせることに。表紙・裏表紙は誌面を埋め尽くすように、中ページでもできるだけ多く展開しました。

お客さまからの励ましのメッセージを満載した表紙と裏表紙
お客さまからの励ましのメッセージを満載した表紙と裏表紙。読めることより、こんなにたくさんの応援があるということを感じてもらうことをねらった(お客さまへの配慮のため、コメント部分はボカし加工をしています)

 掲載したのは、コロナ禍に入ってから5月末までに届いた分。小さなお子さまからご年配の方まで、計181名の方からお声をいただきました。これだけ圧倒的な数の感謝の声が寄せられている、という事実を知ってもらうため、そのすべてを掲載。読ませるというより、量を感じてもらうことがねらいだったため、小さくてもいいからとにかく埋め尽くし、特に読んでもらいたいメッセージについては大きく赤字表記をすることで目立たせています。「ダイエーがあって助かった」「大変な時期にお店を開けてくれてありがとう」という感謝の声や、「体に気をつけて」と従業員を気遣う内容、お子さまが描いた絵とともに「いつもありがとう」と書かれたメッセージ、どれも心打たれるものばかりです。

 これらの声は私たちが意図した以上に読者の心を動かしたようで、発行後、これまでにない数の感想が寄せられました。一例を挙げれば、「お客さまからいただいた感謝のお声の多さとありがたさに涙が出る思いがした」「辛いことも多いけど、元気をいただいた」「改めて、この仕事に誇りを持てる気持ちがした」など。これらの反応を見て、私たちが一番の目的としていたことが「伝わった」と実感。編集者として感謝の想いとやりがいを覚えた瞬間でした。

 もう一つ、特集全体を通して、配慮したことがあります。それは、記事にすることで傷つく人を出さないこと。コロナはどんなに用心していても感染しますし、環境によりご家族を優先しなければならない方もいます。たたかいの記録とするならば、事実をありのままに記載すべきなのかもしれませんが、やむなく職場を離れざるを得なかったスタッフを責めるようなことにしたくはありません。ですから、記事のアプローチの仕方は慎重に選びました。

働く従業員に力を与えるような社内報に

 その後、2021年の3月に第2弾も発行。前回は掲載できなかった店舗最前線のたたかいの記録をここで実現しました。まだコロナの収束が見えない中、第3弾、第4弾が生まれるかもしれませんが、今後の『dai好き』が目指す方向性は以下の通りです。

1 人を大切に
誰かを光らせることで、全体の元気が増すような

2 daieiを好きになる
知れば知るほどこの会社・仕事が好きになるような

3 想いを力に
想いを分かち合い働く原動力の一助となるような

 今回、従業員やお客さまからいただいた温かいお言葉、また栄えある賞をいただいたことを励みに、『dai好き』を社内の力となるようなコミュニケーションツールとして高めていきたいと思っています。

 

  • 社内報『dai好き』
    創刊:1962年
    発行部数:約18,000部
    仕様:A4判、4色、20ページ
    発行頻度:季隔月(奇数月に発行)
    URL:https://www.daiei.co.jp/

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