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新しい会社に一体感を! 社員の絆を育む社内報創刊(大和ハウスパーキング株式会社)

大和ハウスパーキング株式会社で社内報の創刊に尽力した業務支援部の宮崎啓三さん(右)と西村未来さん
大和ハウスパーキング株式会社で社内報の創刊に尽力した業務支援部の宮崎啓三さん(右)と西村未来さん

 大和ハウスグループの一員として、パーキング事業および不動産事業を展開する大和ハウスパーキング株式会社。2社の統合により2015年に誕生した同社では、2018年春に社内報を創刊。年4回の発行を目指して順調に歩みを始めました。どうして社内報を始めようと考えたのか。また、どんな狙いで制作しているのか。発刊に至るまでの経緯や創刊号の制作秘話、そして今後に向けた意気込みを伺いました。

合併で生まれた会社に自分ができることは何か

 「社内報を始めようと思ったのは、社内を一つにまとめたかったというのが大きな理由です。文化も仕事のやり方も違う2つの会社が統合したので、最初のうちはどうしても一つになり切れない部分があり、それを解消したかったのです。

 社内報というツールを選んだのは、前職で広報の経験があったから。昨年9月に現部署に異動し、自分で何かできないかと考えたとき、自然と頭に浮かんだのが社内報でした」と話すのは、直属の上司と二人三脚で社内報の創刊にこぎ着けた西村未来さん。

 西村さんが在籍するのは、広報部や総務部ではなく、業務支援部。業務が円滑に進むようサポートする部署です。その任務に当たる中で気づかされた「一体感醸成」の必要性。それが、社内報発刊への第一歩でした。

 アイデアを部長の宮崎啓三さんに相談し、「やってみよう!」との言葉を引き出した西村さん。アドバイスをもらいながら、実現に向かって動き出します。

文化も仕事のやり方も違う2つの会社を一つにするには「社内報が必要」と考え、上司の宮崎さんに相談した西村さん
文化も仕事のやり方も違う2つの会社を一つにするには「社内報が必要」と考え、上司の宮崎さんに相談した西村さん

経営層の承認を目指して、初めてのプレゼンに挑戦 

 最初にして最大の難関は、経営層の承認を得ることでした。そのために、経営会議でプレゼンを行うことに。「役員が勢ぞろいする経営会議に出るなんて、もちろん初めてのこと。本当に緊張しましたね」と、当時の心境を打ち明ける西村さん。宮崎さんの協力を得て、何度も資料を練り直し、リハーサルも4回行うなど、入念な準備をしたといいます。

 「訴求ポイントは、他の人や他部署の良い取り組みを知ることで、行動が変わり、業績がアップする、ということ。社員同士のコミュニケーションに役立つというのも大事な要素ではあるのですが、やはりコストがかかることなので、成果につながるという点を強調しました」。努力が実って、プレゼンは大成功。この一連の経験は、大きな自信につながったといいます。

経営会議で初めてプレゼンする西村さんをバックアップした上司の宮崎さん。役員に社内報の成果を明快に伝えられるよう、西村さんのリハーサルは4回行いました
経営会議で初めてプレゼンする西村さんをバックアップした上司の宮崎さん。役員に社内報の成果を明快に伝えられるよう、西村さんのリハーサルは4回行いました

創刊号で仕掛けた誌名募集の狙い

 プレゼン準備と並行して、インターネットで探した制作会社3社との面談も実施。予算的な条件も含め吟味した結果、ウィズワークス株式会社に依頼することに。体裁は、8ページ、オールカラーに決定しました。各社からの提案では、Webやアプリの案も出たそうですが、紙にしたのは、西村さんのこだわりによるものだとか。

 「Webは情報がスーッと流れていってしまう感覚。反対に紙は“積み上がっていく”イメージで、好きなんです。それに手元に置いて必要なときにさっと見てほしいという気持ちが強かったので、他のツールも検討はしたのですが、やはり紙に軍配が上がりました」と、理由を語ります。

 制作がスタートしたのは年明けから。打ち合わせを重ね、コンテンツはトップメッセージを筆頭に、経営方針の伝達、研修会リポート、優良営業マンの仕事術紹介、社員や職場の紹介という構成に決定。そして誌名は社員から募集することにしました。

 「社員全員で作り上げたいという意図から盛り込んだ仕掛けです。仮称は付けていますが、表紙に『募集』をうたうことで、興味を引くようにしました」と、狙いを語る西村さん。とは言え、実際に応募があるのだろうかと心配だったそうですが、5月末時点で約30の応募。この数字からも、社内報に寄せられる期待の大きさがうかがえます。

創刊号の表紙で、社内報の誌名を募集。応募数は30に上り、社員の関心と期待の高さがうかがえます
創刊号の表紙で、社内報の誌名を募集。応募数は30に上り、社員の関心と期待の高さがうかがえます

社員の協力をどう得るか、知恵と度胸で勝負

 創刊号の制作を振り返り、「とにかく楽しかった」と話す西村さんですが、当然ながら苦労も数多くありました。

 「最も難航したのは、社員の協力を得ることですね。創刊号というのに抵抗がある方が多いようで、『次ならいいよ』という言葉を何度も聞きました」。断られるたびに折れそうになる心をなんとか奮い起こしたという西村さん。実物がないためイメージが湧かないのではと考え、ラフに書き込みをしてビジュアルをより具体化するなどの工夫で、この難局を乗り切ったといいます。「でも、とても勉強になりました。実は私、もともとはコミュニケーションが苦手なんです。でもやらざるを得ないので、知らず知らず力がついたと思います」。

 加えて、多忙を極める社長のスケジュール調整や写真撮影、写真を絞り込む作業も大変だったとか。「社員の写真は私が撮ったものも多いのですが、笑顔を引き出すのがこんなに難しいとは。それに載せたい写真がいっぱいあって、選ぶのも一苦労でした。とにかく最初が肝心なので、無我夢中で頑張りました」。

 制作期間中は、まさに悪戦苦闘の日々。その甲斐あって、完成した創刊号は大満足の出来に仕上がりました。

創刊号の誌面は全社に関することから社員紹介まで多岐にわたるコンテンツ。全社研修会の様子は多くの写真でライブ感が溢れています
創刊号の誌面は全社に関することから社員紹介まで多岐にわたるコンテンツ。全社研修会の様子は多くの写真でライブ感が溢れています
社員をクローズアップする「輝いている あの人のシゴト術」や「私の○○自慢!」では社員の仕事ぶり趣味にもスポットを当てています
社員をクローズアップする「輝いている あの人のシゴト術」や「私の○○自慢!」では社員の仕事ぶり趣味にもスポットを当てています

「出たい」と思われる媒体に!社内報の今後に懸ける思い

 気になる周囲の反応も、「期待以上」だったそうです。発行日は、偶然にも社内表彰式があった日。壇上で社内報創刊の告知が行えた上、会場で直接社員に手渡しすることもでき、幸先のいいスタートとなりました。

 「いろいろな方面から、すごいね、頑張ったね、というお褒めの声をいただき、うれしかったですね。特に社長の写真は、『カッコイイ』と大好評。かなりのアップなので社長本人は当初難色を示されていたのですが、あきらめなくて良かったです」と、編集者としてのこだわりが功を奏しました。

「出たい」と思われる媒体に!社内報の今後に懸ける思い

 余韻に浸る間もなく次号の制作が始まっていますが、今後についてはこう語ります。

 「とりあえず直近の目標は、今年度1年間で社員全員を載せること。企画についても、やりたいことはいっぱいあるのですが、何のための企画なのか、目的を見失わないようにしたいと思います」。2号目では、早速一番やりたかったという座談会を計画しているとか。

 「成功事例もやりたいですし、拠点周囲のおいしいお店紹介などのコーナーも考えています。社員が読んで楽しいのはもちろん、出たい、載りたい、と思ってもらえるような誌面にしていければ。実際、すでに何件か掲載の希望も来ています」と、目を輝かせる西村さん。将来的には自分で全部できるように、デザインなども勉強していくつもりだと語ります。

 社内を一つにするべく始まった社内報は、これから歴史を刻む新しい会社とともに、一歩一歩着実に、成長を続けていくことでしょう。

 

  • 社内報『タイトル未定』
    創刊:2018年4月
    仕様:A4版、4色、8ページ
    発行頻度:季刊
    発行部数:300部
  • 会社情報
    URL:www.dh-parking.co.jp

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