MENU
ホーム > 記事一覧 > 事例に学ぶ > 編集部訪問 > 「社員を動かす」をテーマに、多様なメディアの価値を磨く(株式会社リクルートキャリア)

「社員を動かす」をテーマに、多様なメディアの価値を磨く(株式会社リクルートキャリア)

気になる社内報編集部や編集担当者のいる企業におじゃまする連載企画「編集部訪問」。社内報への取り組みや熱い思い、今後の課題など、さまざまな話を伺います。今回訪問したのは、採用メディアや人材紹介の事業を展開する「株式会社リクルートキャリア」。設立当初から、社内コミュニケーションにずっと力を入れてきたという。近頃、紙の社内報もWEB社内報もリニューアルし、社内広報メディアがますます進化しています。

リクルートキャリアの皆さま
前列左から舌間愛さん、栗田貴祥さん、小川浩子さん。後列左から佐藤佳子さん、前原佳世子さん、蔵本亜矢子さん、秦野優子さん

もっと身近な問題に冊子版をリニューアル

 201210月に株式会社リクルートのHRカンパニーと株式会社リクルートエージェントとの統合により誕生した株式会社リクルートキャリア。創業時から社内コミュニケーションに力を入れ、翌年3月には社内報『はたらぼ』を創刊。他に配信メールの「週刊RECRUIT CAREER」、社内イントラ「Cocoらぼ」、管理層向けの紙媒体『Management Laboratory』など多様なメディアを展開する。

 「軸となるのは、隔月発行の紙媒体『はたらぼ』と毎週配信の「週刊RECRUIT CAREER」です。即時性が求められるニュースや情報などは配信メールで、反対に、社員にじっくり考えてほしいテーマや問題提起などは『はたらぼ』で伝えるようにしています」と主要メディアの使い分けについて話す、社内広報グループマネジャーの舌間愛さん。

 「一部からは『WEBだけでもいいのでは』という声もあがったのですが、やはり大切なことは日常に埋没することなく、紙で手元に残していこうと、早い段階で『はたらぼ』を創刊することにしました」

 当初は創業後すぐに、会社の目指す姿として策定したビジョンミッションの浸透を目的としていた『はたらぼ』だが、昨年春、リニューアルに踏み切った。新しい編集方針について、デスクの小川浩子さんはこう話す。

 「目指す姿だけではなく、当社が目の前の社会や顧客から選んでいただき続けるためにはどうしたらいいか、ということに主眼を置くように切り替えました。もう少し足元に近い内容にし、日常の仕事に接続できるメディアにしていこうというのが理由です」

 その言葉通り、顧客である企業や外部から見たリクルートキャリア、選ばれ続ける他社から学ぶといった「外の目」をふんだんに取り入れた読み応えのあるインタビュー記事が満載で、身近な問題として深く考えさせられる内容になっている。

はたらぼ 表紙 はたらぼ 誌面
リニューアルした『はたらぼ』

文字を減らし、特集を創設。即効性重視のウェブ版も刷新

 一方の「週刊RECRUIT CAREER」も20168月にリニューアルを実施。ニュースの羅列から、特集を中心に据えるスタイルに変更した。

 「毎回メインに特集を置き、よりしっかり読んでもらう方向に変えています。扱う内容は、今のところ、今期の重要なテーマである「働き方改革」「選ばれ続ける企業になる」の2つが中心です。『はたらぼ』と連動しているのですが、こちらは深い話ではなく、若手が日々抱えているモヤモヤ感を、仕事の達人にぶつける悩み相談のような対談など、気軽に読めて、明日からすぐヒントになるというのがポイントです」と、舌間さん。特集の後に続くニュースも読みやすさにこだわり文字数を現行の900字から350字に減少。各部署のニュースを一瞬でつかめるようにした。

 「伝える役割だけではなく、それを読んだ社員がいかに気付きや一歩踏み出すきっかけを作れるかに軸足を置いていこうというのが社内広報全体の戦略。「週刊RECRUIT CAREER」もそれに従った形です。メディアの在り方や伝え方は、これからも柔軟に考えていきたいと思っています」

週刊RECRUIT CAREER「週刊RECRUIT CAREER」はメール配信している

場、テーマ、組織。13役の担当制で制作

 メディア全般の制作担当者は5人。それぞれがメディアやページを受け持つ担当制を敷いているが、今年からユニークな試みを始めた。担当する場所(メディア、ページ)のほかに、テーマ担当を置くことにしたのだ。

 「例えば、『働き方』の担当なら、そのテーマを扱うときはメディアを問わずその担当者が受け持つということです。伝える場に縛られず、それを責任持って伝える人がいた方がいいよね、と考えたのが始まり。社員に気付きときっかけを作るという社内広報としての役割を果たすために、縦糸と横糸で柔軟に対応していきたいと考えています。加えて、各自がネタ集めのための組織(事業部)担当も持っているため、1人が3役を担う状態。大変ではありますが、紙だけ、WEBだけとなると、せっかくいいネタがあっても横展開ができないですし、進化が生まれないので、思い切ってやってみることにしました」

 メディアにこだわらず内容に詳しい人が受け持つスタイルは、中身の充実につながるのに加え、スムーズな進行にも有効だ。

 とはいえ、各自が勝手に動くのではなく、編集会議は全員での協議制。立場・担当に関係なくフラットに意見を出し合い、徹底的に討論を重ね、ネタを決めるのに十分な時間をかける。『はたらぼ』の場合は12時間を週に2回、企画決定までに約1カ月かかるという。また、「週刊RECRUIT CAREER」は週1回、それ以外にもグループ会が頻繁にあるため、「毎日何かしらあり、しょっちゅう顔を合わせている」(小川さん)そうだ。

 ほかに制作上で注意しているのは、たくさんの人を取り上げること。これは入社者が多く、全体の34割が入社3年未満という事情から。

 「毎月たくさんの入社者を迎えている会社なので横のつながりが希薄になりがちなんです。社内報に取り上げることをきっかけに、現場でのコミュニケーションやつながりを活性化していきたいと思っています」と舌間さん。中途入社者が多いことを逆手に取り、「中途組から見たリクルートキャリア」のような企画をすることも多い。また、複数の企画で迷った際は、社歴の浅い人に響くと思われる方を選択するようにしているとか。

編集会議の様子
立場や担当に関係なく、フラットに意見を述べる編集会議。気になる社内の課題に鋭く切り込み、早期にすくいあげるための貴重な場

任期半年の編集委員制度で現場のリアルを吸い上げ

 短期間で2つの主要メディアをリニューアルした今、反響や効果が気になるところだが、「何かが動き始めている感覚はある」と手応えを口にする2人。社内の雰囲気がオープンになり、言いたいことが言いやすい環境に変わってきているのを感じるそうだ。

 とはいえ、はっきりした反応が得られているわけではない。『はたらぼ』で読者アンケートはとっているが、「具体的な意見は、残念ながら広報にはあまり入ってこないです。でも媒体単体で測れるものではないので、あまり気にしていません。やること全部で機運作りをしていくのが私たちの役目。その意味では、全体的にうねりのようなものはできてきている気がしますし、前に進み始めているように思います」と舌間さん。

 小川さんもこう続ける。「市販誌と違って、正しい反応をとるのは難しいですね。悪いことはなかなか書いてくれないものですから。たまに匿名希望でズバッとストレートなホンネの声を拾えることもあります(笑)。社員の反応を正しく取り上げていくことは今後の課題でもあります」

 そんな2人がアンケートの代わりに頼りにしているのが、編集委員制度だ。リクルートキャリアでは制作にはタッチせず、主に意見の吸い上げと周囲の情報収集を目的にしている。任期は半期で、『はたらぼ』発行後、委員全員を集めて感想を聞く場を設けているという。

 「毎号、発行後にお昼を食べながら、委員自身の意見と、周囲の意見の両方をヒアリングします。フラットな視点で見た率直な声を聞けるのでとてもありがたいですね。現場にいる社員一人ひとりのリアルをつかむのに欠かせません」と小川さん。

 人数は、各事業部から選出した46人。任期が半年と短いため経験者が増加中で、それも職場のオープンな雰囲気作り、およびコミュニケーションの活性化につながっているのでは、と分析する。

舌間さん
▲株式会社リクルートキャリア アドミニストレーション統括室 広報部 社内広報グループ マネジャー 舌間 愛さん。社内報以外のメルマガ、各種イベントも含めて社内広報と考え、全体を統括

メディアの枠を超えて新しい価値を提案

 わずか4年で充実した社内広報体制を築いたグループメンバーたち。だが、もちろんここで満足するつもりはなく、しっかりと先を見据える。

 「鳥の目、虫の目、魚の目で複合的に現状把握をすることを理想に置いてやっていますが、今は足元をしっかり、という虫の目に注力しています。今後は少し鳥の目に戻って、これまでの実績や歴史など過去にも目を向け、そこから未来を考えたりと、広がりのあることをやりたいな、と思っています。ツールも冊子に縛られず、ポスターでもいいし、動画(音声)コンテンツなど新しいものにもチャレンジしたい。そうしたいろいろな媒体を使って全社で取り組むテーマについてもっと掘り下げていきたいと思います。そして他部署とも連携しながら、活発なインターナルコミュニケーションによって、社員が当事者意識を持って取り組みが進むように協働していきたいです」と力を込める舌間さん。

 2017年は創業5周年の節目を迎えるリクルートキャリア。より良い社内広報を目指して、模索と挑戦が続く。

小川さん
▲株式会社リクルートキャリア アドミニストレーション統括室 広報部 社内広報グループ 小川浩子さん。『はたらぼ』のデスクであり、『就職ジャーナル』の副編集長やIT戦略室も兼務

 

企業概要

株式会社リクルートキャリア
本社所在地:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワー
URL:http://recruitcareer.co.jp

※『コミサポプラス』2016年10月号より転載

社内報づくりに役立つ情報満載!
無料メルマガ登録はこちら

氏名

必須
会社名

必須
部署名

必須
TEL

必須
E-mail

必須


 一覧へ戻る
ページ上部へ