社内報を担当していると、写真を撮る機会がたくさんありますよね。屋外で集合写真やイベント撮影をしたり、室内で従業員さんのインタビューカットやポージングカットを撮ったりということは、日常的なことでしょう。
ところで、冬の今だからこそ気をつけたいポイントがあることはご存知ですか。ちょっとした対策で被写体も写真の仕上がりもケアできるんです。その対策をご紹介します。
撮影する時間帯を意識しよう
地域差はあるものの、冬は日が短いですよね。北海道在住のカメラマンによると、冬至のころは14時でも結構日が傾くのだそうです。そこまでではないものの、比較的日の長い九州地方でも、やはり撮影に十分な日の光が得られる時間は短いと言えるでしょう。日の短さに加えて、午後の光はオレンジっぽくなります。冬は、時間帯を考慮しながら撮影時間を設定する必要があるのです。
屋外での撮影の場合:寒さ対策はマストです!
これらを踏まえると、冬場に屋外で撮影する時間帯としては午前中がおすすめです。夏場だと光が強すぎてしまうこともあるのですが、冬場は柔らかな光になるため濃淡が和らぐというメリットもあります。
一方でデメリットもあります。冬の太陽は低いため、被写体が逆光になりやすいのです。テスト撮影をして逆光が気になる時は、サイド光や斜め前からの光を意識して、顔に自然な光が当たるように調整してみましょう。
時間帯以外の注意点は、何と言っても寒さ! 短時間で撮影完了となるように事前の段取りをしっかりして、撮影者と被写体が寒さで集中力を失わないようにします。どの場所で、どういう位置取りで、どんなポーズをしてもらうのか。社員証は外していただくのか、どんな表情をしてほしいのか、目線はアリかナシか――。できるだけ細かいところまで決めたうえで、本番の撮影に臨むようにしましょう。
とはいえ、テスト撮影はどうしても必要ですから、その間は手袋や防寒着を着ていただき、本番の準備ができたらパパっと完了。これを目指します。
屋外ではカメラマン自身の防寒対策も大切です。特に手が冷たくなると設定ボタンの操作やシャッターを切りづらくなったりするので、暖かくて指を動かしやすい手袋などを使うようにしたいものです。
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建物内で人物撮影をする場合:自然光を最大限活用!
では、建物内で撮影する場合はどうでしょう。電灯を使えば何時でも撮影は可能ですが、自然光を使ってナチュラルな印象の人物写真を撮りたいというケースで考えてみます。冬場、自然光が安定している時間帯は概ね10時から14時頃です。この時間帯に、下記のポイントを踏まえて、自然光を最大限に生かした撮影を試みましょう。
● 撮影場所
被写体を大きな窓のそばや光がよく入る場所に近づけて、柔らかく均一な光を取り入れます。光が強すぎると感じたら、被写体に少し後ろに下がってもらったり、薄手のカーテンで光を拡散したりするとよいでしょう。
被写体には窓の方を向いてもらうか、斜めを向いてもらうと、肌のトーンがきれいに見えることがあります。顔に影がかかる場合は、少し動いてもらって影がかかりすぎない位置を探します。
● カメラ設定
前述したように、自然光は時間帯によってオレンジっぽくなります。それを解消するための一策として、カメラの「オートホワイトバランス(AWB)」で「白色電球」や「白色蛍光灯」の設定に切り替えるという方法があります。
カメラの扱いに慣れている方は、露出補正をプラスに設定して(+1~+2程度)、被写体を適切に明るくしてみましょう。
季節を問わず絶対必要なチェックを忘れずに
すでに社内報の撮影を経験されている皆さんには今更のことではありますが、季節に関係なく必要な事前準備があります。それは、カメラのバッテリーとSDカードの有無、そして容量確認。撮影は1度きりのチャンスということがほとんどのため緊張感があると思いますが、しっかりと準備をすることで緊張は和らぐものですから、ここはしっかりと確認します。撮影後にはプレビュー画面で被写体が眠っていないか(目が閉じていないか)、手ブレやピンボケがないかのチェックも忘れずに。
いかがでしたか? 案外、ちょっと気にすれば実践できそうなことばかりではありませんか? この「ちょっと気にすれば」を重ねることが冬の写真撮影上達の近道なのです。これらの対策で、冬も魅力的な写真を撮影してくださいね。
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