社内報ご担当者が常に抱えている悩み、それは企画のネタ探しではないでしょうか。「自社の従業員に興味を持ってもらう企画とは?」「他社ではどんな企画を立てているのだろう」と考え続けるご担当者も多いことでしょう。
そんな皆さまに社内報企画のヒントにしていただこうと、弊社が開催している「社内報アワード」に寄せられた数多くの企画事例を、ジャンルごとに厳選してご紹介します。貴社の社内報をより一層充実させるために、参考にしてください。今回のテーマは「TOP登場/2」です。
役員の失敗白書
(株式会社アイシン/Webグループ報『act』)
企画
Web/特集/常設・連載/表紙
実施目的
全社意識調査であぶり出された課題の一つが「経営層への信頼度低下」。なおかつ、「失敗を恐れずに挑戦しよう」という行動指針があるものの「挑戦したいが、失敗するのが怖い」という社員の声もあった。この現状を踏まえ、経営層は挑戦しているのか? これまでどんな挑戦(失敗)をしてきたのか? という視点で企画を立案。“失敗あっての成長”をアピールし、失敗してもいいから挑戦していこう!という風土づくり醸成へとつなげることを企図した。
読者ターゲット
経営層と関わりの少ない20‐30代の若手と、経営層と関わりがあるものの、その判断にあまりポジティブな印象を持っていない層。ターゲット層に年齢・職位的にも近い方が共感しやすいと考え、登場していただくのは50代前半の若手役員に絞った。
内容
役員と対面する機会がある社員は限られていて、役員の経歴すら知らないケースが多い。そのためただ過去の失敗談を語るだけでなく、これまでの道のりの中でどう考え・行動してきたのか、失敗で得た学びをどう生かしてきたか、そして未来に向かい挑戦していることも聞くことで、過去・現在・未来の視点で役員の人となりを紹介した。さらに、役員だってワークライフバランスを意識していることをアピールすべく、プライベートな一面も掲載した。
役員は“超人”ではなく、過去はこんな思考でこんな失敗をしたんだ、とイメージできるように、具体的なエピソードを引き出すようにした。
新社長インタビュー ~人柄に迫る!~
企画
動画/特集/常設・連載/表紙
実施目的
新社長が就任し、その人柄を全従業員に伝え、親近感や興味関心を持ってもらうことを目的に実施。経営理念・経営課題を浸透させ、実践していくためには、都度発信される社長メッセージを各従業員に確実に閲覧してもらう必要がある。そのためにはまず、全従業員が新社長の人柄を知り、親近感や興味・関心をもつことが重要だと考えた。
読者ターゲット
全従業員。本企画に興味を持ってもらえるよう、インタビュアーを新入社員にした。
内容
新社長の人柄を伝えるという目的の達成に向けて、主に4つの工夫を行った。
①従業員の興味・関心を引くために、フレンドリーなタッチで制作。
②仕事の話より、人柄が伝わる趣味等のプライベートの話を聞き出す質問構成。
③インタビュー中も新社長の自然な受け答えや笑顔を引き出すべく、明るく和やかな雰囲気を作った。
④タイムリーな発信。社長就任日に動画を社内に発信。
[エネルギー]
サステナビリティ経営の謎を解け!
(JCOM株式会社/『WOW! NEWS』)
企画
特集(8ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
2023年4月に「サステナビリティ経営推進室」を立ち上げ、12月にサステナビリティ経営方針を社内発表。サステナビリティ経営の浸透活動の活発化が見え始めたが、この動きを知らない社員も多くいることが課題だったことから、サステナビリティ経営の”基本のき”を伝える特集を立案した。「なぜサステナビリティ経営に取り組むのか」の理解・腹落ちがなければ、浸透活動も空振りに終わると考え、下地作りを行った。
読者ターゲット
20~30代の若手かつ、営業拠点やカスタマーオフィス、技術拠点にいる現場社員。
内容
全人は、What(何を)ではなく、Why(なぜ)で動くと考え、「なぜ」は必ず入れる構成にした。またサステナビリティ経営は経営そのものであり、トップからのメッセージ発信は必須と考え、会長とサステナビリティ経営方針策定を担う室長の対談から特集をスタートさせた。
ターゲット層の目線を踏まえた内容とするために、事前に若手の現場社員から、「サステナビリティ」という言葉から想起するものや疑問に思うことをヒアリング。そこから把握できた実態を会長と室長にインプットした上で対談を行うという工夫も。
さらに、サステナビリティ経営と中期経営計画は経営方針として切り離せないものであることから、中期経営計画についてのインタビューも掲載した。
非常に重要なテーマであるものの、ターゲット層からするとハードルが高くなることが想定されたため、クイズや他社事例を差し込み、興味を引く構成になるようにした。
役員・理事を大解剖
企画
Web/特集/常設・連載/表紙
実施目的
会社規模が大きくなるとともに、経営層と従業員の距離が広がり、経営層の思いが従業員一人一人に届きにくい状態となっていた。従業員の中には経営層のことを知らない人も多い。そこで、経営層の思い・考えを知るきっかけをつくりながら、経営層の存在を身近に感じてもらうことで、会社の一体感を醸成することをねらった。
読者ターゲット
メインターゲットは、従業員(自分の働く会社の経営層がどのような人で、従業員に対してどういう思いを持っているのかを知ることで、従業員と経営層の距離を縮め、双方向のコミュニケーションにつなげる)。
サブターゲットは、従業員の家族(家族が勤める会社の経営層の人となりを楽しく伝えることで、自分の家族はよい会社に勤めているんだ、と感じてもらい、弊社に勤めていることに価値を感じてもらう)。
内容
経営層の熱い思いと、読者が微笑むような、見て楽しい、読んで気になる記事構成とした。役員紹介企画は堅苦しい情報のみになると敬遠されがちなもの。それを回避するため、経営層の熱い思いとゆるやかな人となりの緩急をつけることに留意した。具体的には、動きのあるユニークなポーズや微笑む様子の写真、パステルカラーの使用などにより、明るいイメージづくりを心掛けた。
[製造]
2024年新春特別企画 社長メッセージ
「白柳さんが上昇気流に乗せたい想い
(トヨタ紡織株式会社/『Shuttle』)
企画
特集(2ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
就社長の考えや会社の方向性を社員が理解し、新しい年も意欲的に仕事に取り組んでほしいという思いから、毎年1月号に掲載している企画。2023年11月に「2030年中期経営計画」を発表したこともあり、新しい年、そして新しい中期経営計画に向けて全社員一丸でよいスタートダッシュがきれるよう、社長の想いや考え、社員へ期待することを誌面に織り込んだ。
読者ターゲット
一般社員。管理職以上は、社長から直接決意や思いを聞く機会があるが、一般社員、特にトップと触れ合う機会の少ない若手社員をターゲットとし、トップと社員をつなぐ企画にしたいと考えた。
内容
例年の課題として、硬くなりがちなトップメッセージをわかりやすく伝え、長文を読まない社員にも読んでもらえる誌面とするため、社内の式典で伝えている年頭挨拶原稿の転載ではなく、社内報独自の切り口で実施。2024年ならではの企画となるよう、全体的に「辰年」にちなんだ誌面とし、以下3点を念頭に置き構成した。
①辰年にちなんだダジャレ風なタイトル、龍に乗る社長を掲載するなど、読者の興味をひくデザイン。
②伝えたいことを6項目に分け、各項目の文章を短くまとめることで、「2030年中期経営計画への想い」や「新年に社長が取り組むこと」「社員に取り組んでほしいこと」を簡潔に伝える。
③トップに親しみを感じてもらうほか、読んでもらう工夫の一つとして、社内報でしか見られない社長の過去を振り返る企画もあわせて実施。
[編集部Pick Up]
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