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社内報の編集工程

弊社で定期的に開催している社内報セミナーでお会いする社内報担当ビギナーさんから、「社内報の仕事って分からないことばかり……」という声を聞くことがあります。初めて社内報を作るのだから当然ですよね。編集作業は、企画、取材、原稿作成、写真撮影などなどさまざまな実務がありますが、まずは編集の基本「編集工程」を見ていきましょう。

社内報の編集工程

 会社によって多少の違いはあると思いますが、大まかな流れは図のようになると思います。

社内報の編集工程

 少し補足をすると「企画立案・編集会議」→「依頼」の間は

 ①企画立案・編集会議
 ②社内調整(←会社による)
 ③取材対象者・執筆者の選択

というステップを踏みます。「企画」も「依頼」も、文字にすれば簡単ですが、編集作業の中でも最もパワーを要し、重要なステップです。「取材(寄稿)依頼の仕方」は、別の機会に紹介することにして、話を編集工程に戻しましょう。

編集工程3つのポイント

 編集工程で大切なこととは?

(1)常に全体工程を俯瞰する
(2)工程の節目に注意する
(3)工程は一方通行でないことも意識する

の3つです。順に説明していきましょう。

(1)常に全体工程を俯瞰する

 「全体工程を俯瞰」は、全工程の中で完成形にどこまで近づいているか、現在地を確認することです。日々の業務が忙しくなると視界が狭くなり、目の前の業務だけに集中してしまいがちです。そうならないためには、1日1回、全体工程のチェックをすることです。

 タイミングは朝の始業前や、夕方の退社前、あるいはその両方などで、時間は1分程度でも構いません。頭の中で「あのコーナーのあの記事が遅れているかな?」と思い浮かべるだけではなく、チェックリストや工程表を見て、再確認することが大切です。

 こうしてリストや工程表を見ることで、先々の見通しをつける習慣ができ、全体の作業効率アップにもつながります。

(2)工程の節目に注意をする

①企画立案 → ②編集会議 → ③社内調整 → ④取材対象者・執筆者の選択・依頼 → ⑤取材 → ⑥執筆 → ⑦レイアウト → ⑧校正 → ⑨発行→ ⑩振り返り

 青文字にしたステップは編集の節目であり、特に重要です。

①企画立案 ②編集会議

 編集の上流工程です。「とりあえず」の企画を立てて、良い誌面ができることはまずあり得ません。できれば余裕をもって年間企画を立てておき、情報収集などの準備には時間をかけることが望ましいでしょう。企画立案の編集会議では、自分のやりたいことを押し通すのではなく、メンバーの意見も聞いてみて、企画がより良くなるよう、十分にもみましょう。ここが最初の頑張りどころです。

⑤取材

 記事によっては、取材ではなく寄稿のケースもありますが、いずれにしても記事の構成要素、素材集めの工程です。取材で話をしっかり引き出せるか、または企画に最適な原稿や写真を集めることができるか、素材集めの良し悪しが、その後の誌面づくりを大きく左右します。

⑧校正

 校正とは、文字どおり「校(くら)べて、正す」こと。発行前の仕上げです。一見地味な作業ですが、気を引き締めて取り組みましょう。どんなに企画を練って、取材に力を注ぎ、記事と誌面を充実させても最終的に誤字脱字事実誤認があったのでは、それまでの努力や苦労も水の泡です。特に人名と役職名には細心の注意を払いましょう。

(3)工程は一方通行でないことも意識する

 編集の流れは、一方通行とは限りません。特に下記の②から④の段階は、なかなかスムーズには運びません。

①企画立案 → ②編集会議 → ③社内調整 → ④取材対象者・執筆者の選択・依頼 → ⑤取材 → ⑥執筆 → ⑦レイアウト → ⑧校正 → ⑨発行→ ⑩振り返り

 編集ビギナーさんは「なぜ?」と思われるかもしれませんが、致し方ないのです。

 ②編集会議と③社内調整では、編集担当者と上司とのすり合わせが必要です。また、③社内調整から④取材担当者・執筆者の選択・依頼と進んでいく過程では、編集者と登場者で立場が違い、なかなか取材や寄稿に応じてくれないこともあります。

 結局、企画は行きつ戻りつを何度か繰り返し、形を成していくものです。これは一見無駄な作業や遠回りにも見えますが、企画の土壌を肥やすのだとと解釈しましょう。取材を行う前や執筆者に寄稿をいただく前段階で、企画の畑を耕すのです。土壌が良いと、その後の工程で企画が順調に育って良い誌面ができあがることでしょう。

 いかがでしたか。編集工程のイメージはある程度描けましたか。あとは、「習うより慣れよ」です。1回1回実践を積むことで、ご自身にとっての編集工程のポイントがきっと見えてくるでしょう。

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