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社員の想いを一つにし、ゼロカーボン社会の実現を目指す (関西電力株式会社)

事例発表にはオンラインで登壇。写真中央が、プレゼンを担当した久野 貴子さん
事例発表にはオンラインで登壇。プレゼンを担当した広報室メディア広報グループの久野 貴子さん(写真中央)と、同マネジャーの高橋 健太郎さん(同右)

2021年10月5日(火)~8日(金)に開催した「社内報アワード2021 ONLINE EVENT 4DAYS」では、ゴールド賞受賞企業10社による、社内報制作の事例発表を行いました。「社内報ナビ」では、各社の発表内容を紹介していきます。

第4回は、関西電力株式会社様。「社内報アワード2021」では動画社内報部門でゴールド賞に輝きました。原子力の活用によるゼロカーボン社会の実現に向け、社内の意識改革と社外PRの両面で大きな成果を上げたという動画制作の背景をお話しいただきました。

広報部門の変革で企業ビジョンの浸透を図る

 関西電力は1951年に創立し、今年70周年を迎えました。現在は100社近くのグループ企業があり、「power with heart」というブランドステートメントのもと、さまざまな事業活動に取り組んでいます。具体的には電気事業や2000年に参入したガス事業をはじめ、新領域として家庭向けインターネットサービス「eo光」や格安携帯サービス「mineo(マイネオ)」の情報通信事業、さらに不動産事業やホームセキュリティといった生活・ビジネスソリューション事業などがあります。

 今年3月に発表された中期経営計画では「ガバナンス確立とコンプライアンスの推進」を前提に、「ゼロカーボンへの挑戦、サービス・プロバイダーへの転換、強靭な企業体質への改革」を3本の柱としており、今回受賞した動画のテーマである原子力は、一つ目の「ゼロカーボンへの挑戦」に関わるものです。

2021年3月発表の中期経営計画では3本の柱を打ち出した
2021年3月発表の中期経営計画では「ガバナンス確立とコンプライアンスの推進」を前提に、「ゼロカーボンへの挑戦、サービス・プロバイダーへの転換、強靭な企業体質への改革」を3本の柱を打ち出した2021年3月発表の中期経営計画では「ガバナンス確立とコンプライアンスの推進」を前提に、「ゼロカーボンへの挑戦、サービス・プロバイダーへの転換、強靭な企業体質への改革」を3本の柱を打ち出した

 これに先立つ2月、関西電力は事業活動に伴うCO2の排出を2050年までに全体としてゼロにする「ゼロカーボンビジョン2050」を発表しました。主なものは「デマンドサイド(電気の利用者側)のゼロカーボン化」「サプライサイド(供給者側)のゼロカーボン化」「水素社会への挑戦」の3つで、その中の「サプライサイドのゼロカーボン化」において、原子力エネルギーの安全最優先を前提とした最大限の活用を目指すことを謳っています。

中計発表のひと月前には「ゼロカーボンビジョン2050」を発表
中計発表のひと月前には、事業活動に伴うCO2の排出を2050年までに全体としてゼロにする「ゼロカーボンビジョン2050」を発表

 このビジョンの達成に向けて会社が一丸となって取り組む必要があったものの、役員の金品受取り問題を通じて、経営層と従業員の間に溝が生まれてしまっていました。この課題を踏まえて昨年から部門戦略の抜本的な見直しに着手しました。新たな関西電力を創生するには、従業員の一人ひとりが自社の事業を自分事化できるようコミュニケーションを活性化し、エンゲージメントを強化する必要があり、そのために将来の「ありたい姿」からバックキャストし、何をやるべきか議論を重ねました。その結果、一方向で伝えるコミュニケーションから双方向に伝わるコミュニケーションへと変革することとし、社内外に向けて打ち出しました。

 あるべき姿の実現に向けて、広報部門の組織体制そのものを見直し、新たにインターナルコミュニケーショングループを設立し、社内イントラネット(Web)では、掲載記事に「いいね」やコメントを残せる双方向コミュニケーションの場を提供しました。また、社内向けの紙媒体『関電新聞』を公式ホームページにも公開し、エクスターナルコミュニケーションとしても活用しました。さらに社内テレビは映像媒体の特性を活かし、5分以内で見られる動画を多数作成し、積極的に配信しました。

双方向に伝わるコミュニケーションを目指している
双方向に伝わるコミュニケーションを目指している

環境問題への関心の高まりと美浜発電所50周年が動画制作の契機に

 今回の動画は、昨今、環境問題への関心が非常に高まっていることも制作の契機となりました。
 環境面における電力事業者の担う役割はますます大きくなる中、原子力は発電時にCO2を出さない環境に優しいエネルギーであり、安定供給性と経済性にも優れています。また、エネルギー基本計画においても、原子力という脱炭素電源を用いて、確実に脱炭素化を実現することが求められています。

 これらの世の中の動向を踏まえ、ゼロカーボン社会実現に必要不可欠な従業員のモチベーションのさらなる向上を目指し、美浜発電所が50周年を迎えるタイミングにて、動画を制作することになりました。

 企画の検討は2020年6月に始まり、多面的な視点を得るために若手社員を中心とする部門横断のプロジェクトチームを編成して、内容をブラッシュアップしました。制作目的は社内のモチベーションのさらなる向上と原子力事業の社外へのPR とし、今の発電所だけではなく過去の映像資料を活用してリアリティのある演出を心掛けました。また、社内外の12名のインタビューを交え、特に社外の識者の方々には客観的な視点でお話をいただきました。全体構成は、過去の歴史を振り返りながら、チャプターごとに関連インタビューを挟み、最後に社長の森本によるメッセージでまとめています。

 社外の方へのインタビューは、産・学・行政OB などあらゆる視点で客観性を持たせるため、JR東海・葛西名誉会長、千葉工業大学・松井学長、山口前美浜町長をはじめ多くの方々に依頼し、ご快諾をいただきました。また、社内では社長をはじめ原子力部門のトップ、現場の社員や原子力部門以外の社員も出演しています。

受賞動画:「50年目のメッセージ
~原子力営業運転開始から半世紀~

①原子力発電の実用化へ
②火力・水力とともに原子力発電が電力需要を支える


1954年、関西電力は原子力発電の研究を始め、日本の商業炉で初めて原子力発電の電気を送り出すことに成功。1970年には美浜発電所から電気を大阪万博会場に届けた。

「1970年7月29日の初臨界、8月8日には万博に原子力の灯火を送り、11月28日には営業運転。みんな万々歳でした」(関西電力元専務 山﨑吉秀)

③東日本大震災からの教訓


2011年東日本大震災が発生。福島第一原子力発電所事故を教訓に世界最高水準の原子力発電所の安全基準新規制基準が施行された。

「重大事故により原子炉格納容器から放出される放射線を低減するため、トップドームを高浜の1、2号機に設置しました」(高浜発電所土木建築課 山塚亮介)

 

運転を終えた電子力発電所の廃止措置への挑戦も始まる。
「廃止措置のパイオニアとして得た技術や知見を後継の廃止措置プラントに活用していきます」(美浜発電所機械工事グループ 清水誠係長)

④原子力発電は地域の支えがあってこそ

 

原子力発電は地元のご理解ご協力があって初めて成り立つ事業である。
「子どもが小さかった頃、地元のイベントに行くと仕事でお世話になった方から声をかけられ、地域対応をしてよかったと感じました」(大飯発電所コミュニケーション係 岸田浩代)

⑤これからいかに社会のニーズに向き合うか 
 ―ゼロカーボン社会への貢献―


豊かな未来は自分たちのエネルギーでつくっていく。
「美浜発電所が昨年50周年を迎え、諸先輩や協力会社、何よりも地元の皆さまのご理解があって続けてこられたことに心から感謝と敬意を表します」(松村孝夫原子力事業本部長)
「原子力の安全安定運転の努力を積み重ね、ゼロカーボン社会のパイオニアとして、社会に信頼される新しい原子力の技術に挑戦していくことが使命です」(森本孝社長)

※肩書・所属は2021年3月当時のもの

 制作上の工夫ポイント

<構成>
過去の歴史だけではなく未来へのビジョンと決意を際立たせる。
ポジティブな面だけではなく過去の事故もオープンにし、多様な観点を取り込む。

<取材>
依頼時に制作目的と企画意図をしっかり伝える資料を用意する。

<撮影>
インタビュー場面は画変わりを意識して選定する。
出演者の緊張をほぐすためのアイスブレイクを心掛ける。

<制作>
インタビュー場面は出演者の映像と併せてインサート映像を用意する。
字幕テロップを全体に付ける。
25分の本編動画以外に6分のダイジェスト版を制作する。

<周知/展開>
紙媒体やWeb 媒体などの社内メディアを活用する。
役員から全社員に向けたメッセージを発信する。
公式サイトや公式SNSでの告知用に40秒の動画も用意する。

 

 実際には構成が固まるまでに半年かかり、撮影期間は2021年1月から3月までというスケジュールでした。動画の制作にあたっては、自社のポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も取り上げ、視聴者の方々に包み隠さずにすべてを伝えることを大切にしました。インタビューもあらかじめ原稿を用意することはなく、建前やきれいごとではなく、ご自身が思われることをご自身のお言葉でお話しいただくようにしました。

 電力業界を取り巻く環境は大きく変化していますが、ゼロカーボンという機運の高まりの中で、原子力の重要性をご理解いただくとともに、制作チームの想いや「熱」の部分も伝えることができたと思います。

 本作品の視聴数は、過去に社内で制作した他の動画の数倍以上にも達し、公開から半年が経過してもアクセスランキングが1位という結果を残すことができました。視聴を通じて、原子力部門のメンバーからは「想いの強さ、使命感を抱くことができ、モチベーションが向上した」というコメントが届き、また他部門やグループ会社からも同様の反響が得られました。

 このことからも、組織の一体感の形成というもう一つの重要な制作目的も達成できたのではないかと思っています。

 

  • 「かんでんビデオライブラリ」概要      
  • 創刊:2011年 
  • 更新頻度:週1回前後(1カ月に3~6回)
  • 対象視聴者:正社員、契約・派遣社員
  • 閲覧環境:社内PCのみ
    ※今回ゴールド賞を受賞した「50年目のメッセージ 〜原子力営業運転開始から半世紀〜」は社外にも公開しています。ぜひご覧ください。→ここをクリック
  • 会社情報URL https://www.kepco.co.jp/

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