紙の社内報、Web報に続き、新たなツールとして注目を集めている「社内報アプリ」。その魅力にいち早く着目し導入したのが、株式会社クロス・マーケティンググループです。弊社・株式会社ウィズワークスが開発・提供する社内報アプリを導入した経緯や、実際に運用して実感したメリットを、同社の広報ご担当者である野々宮 香子さん(コーポレート本部 広報部 プロフェッショナルマネージャー)に伺うとともに、編集委員に社内報制作に対する想いを伺いました。
目次
紙の社内報が抱える問題点を解決するために、社内報アプリを導入
今年の1月に社内報アプリを導入するまでは、紙のグループ報を四半期に一度、発行していたクロス・マーケティンググループ。紙媒体ならではの業務負担もありましたが、それとは別に、当時抱えていた問題が3点ありました。
① リアルタイムでの情報共有ができない
② どのくらいリーチできているか、可視化できない
③ せっかく掲載した情報の蓄積ができない
これらを解決するために「社内報アプリ」の導入を考えるようになり、Web開発会社数社に相談。検討を重ねた結果、弊社の社内報アプリを導入していただくこととなりました。
「制作会社を選定する上でのポイントは、『機能面』と『社内報の知見』でした。機能面は、記事がしっかり掲載できて、PCとスマホの両方で閲覧できれば、初動としては十分と考えていました。それ以上に重視したのが、『社内報の知見』です。
ウィズワークス様は、長年にわたり社内報を専門に制作してきた会社ということで、コンテンツ設計で効果的なアドバイスがいただけるという期待が大きく、それが一番の決め手となりました。実際に、導入決定から運用開始まで、カテゴリー設定や企画についてさまざまなアドバイスをいただき、本当に心強かったです。
『機能面は基本的なものさえあれば』と思っていたものの、スマホ用にプッシュ通知が搭載されているなど、期待以上の機能があったのもポイントでした」
社内報アプリ版『Cross to You』。
「消費行動研究プロジェクト続報! ツイッターの炎上に迫る!」企画
取材・記事担当の編集委員に、活動について聞く!
社内報アプリ導入前から編集委員を募り、現在では10人がグループ報『Cross to You』の制作に参加。広報部で企画立案を行い、取材先などを選定したら、それを編集委員に割り振りし、取材と原稿執筆を担ってもらいます。集まった原稿を広報部で集約し、記事をアップ、というのが制作の流れです。
「お客様にご提供するサービスの質にも関わるところですので、社員への啓発のため“正しい日本語”にはこだわっていますが、基本的には書き手の個性を生かすようにしています」
と野々宮さん。自分の言葉で社内のニュースを発信できる。これは編集委員にとって、大きなやりがいと言えそうです。編集委員の皆さんは自発的に協力を申し出た方が多いそうですが、動機はなんだったのでしょう? また、どんな点をモチベーションにしているのでしょうか。
「社内の人々のパーソナリティを知りたい、というのがきっかけでした。私は組織人材開発部で採用を担当しているので、会社の魅力を学生たちに伝えるのが仕事の一つです。『Cross to You』の取材を通して、どういう人が会社にいるのかを知ることができ、本来の業務にもプラスになっています」
コーポレート本部 組織人材開発部 採用グループ/中島 弘貴さん
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「私は研究プロジェクトに参加していて、報告の一環として報告記事をアップしたら、上司からものすごく驚かれて(笑)。その後、研究に関するアドバイスや情報をくださるようになり、とても助かっています。グループ報というオフィシャルな場で成果を認めてもらえるというのは、編集委員の特権ですね」
株式会社リサーチ・アンド・ディベロプメント カスタマーサービス本部 企画・開発グループ/樋口 真志さん
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「グループ会社といっても、普段はまったく別の業務をしていて、顔も知らない人が圧倒的多数です。だからこそ、ヨコのつながりが欲しいと、常々思っていました。『もしかしたら、自分と同じ思いの人も多いのでは?』と思ったことが、編集委員に立候補した理由です」
株式会社クロス・マーケティング リサーチ業務部 データ開発グループ/加藤 真奈さん
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「紙のグループ報は手元に届くので、ある意味、強制的に読むことになります。でもWebやアプリは人によって見るタイミングが異なるものなので、紙とは違うコンテンツづくりの工夫が必要と思います。そういう工夫を考えるのが楽しいです」
マーケティング本部 コミュニケーション推進室/遠藤 裕子さん
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「中途入社1年目で、何か会社に貢献したくて編集委員になりましたが、実は『野々宮さんに文章の指導をしていただきたい』という想いがありました。『読者視点で書いてみたら』というアドバイスをきっかけに、今はどう書いたら読者にポジティブなエネルギーを与えられるかを考えながら、原稿を書いています」
グループ経営戦略部/佐々木 優子さん
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「この春、入社したばかりの新人です。編集委員の仕事は、会社のことを広く知るチャンスであると同時に、記事執筆者として名前も出るので、私自身のことを覚えてもらえて、一石二鳥です」
株式会社クロス・マーケティング 営業第二本部/三島 沙織さん
それぞれの想いを語りながら、皆さん笑顔。「サークル紹介とかも増やしたいよね」「ペット紹介もぜひ!」「クライアントに突撃取材っていうのも、実現してみたいね」など、アイデアがどんどん湧き出てくる会話から、編集委員の仕事を楽しんでいる様子が伝わってきました。
インターナルコミュニケーションを重視して、
経営陣のリーダーシップでアプリ導入を推進
社内報アプリ導入当初はインストール率が伸び悩んでいたものの、半年以上が経過した現在はかなり定着しているとのこと。秘策は何だったのでしょうか?
「当グループは四半期に一度、全体朝礼を行っていて、その場で社内報アプリについて繰り返し紹介しています。ダウンロードの手順を実演し、その場でインストールしてもらう機会もつくりました」
加えて、クロス・マーケティンググループ代表取締役社長兼CEO 五十嵐 幹さんの社内報アプリ活用への強い思いとリーダーシップがありました。
「当社の核となる事業はデジタルですが、五十嵐は『人と人とのつながり』というアナログな関係をとても重視していて、従業員同士の良好な関係づくりに常に気を配っています。
ですので、社内報アプリについても、企業理念などの浸透を図るのはもちろんですが、従業員同士の関係を深めるためのツールに、という想いを強く持ち、後押ししてくれています。五十嵐だけでなく、各事業部門の責任者も社内広報の重要性を理解して協力してくれ、インストール率が上がりました」
社内報アプリ導入により、課題はいかに解決したか?
さて、冒頭に記載した、紙のグループ報時代に抱えていた3つの課題は、社内報アプリ導入後はどう変化したのでしょうか?
① リアルタイムでの情報共有ができない⇒ 解決!
「圧倒的に改善しました。これは、アプリという媒体が、『Cross to You』を社員にとって身近な存在に変えてくれたおかげです。弊社はリサーチャーや営業職が多く、外出も多いのですが、ウィズワークスの社内報アプリなら、社内のPCではもちろん、外出中にスマホで手軽に見ることができます。しかも、プッシュ通知で新着記事のお知らせができるので、情報のリアルタイム共有が実現しました」
② どのくらいリーチできているか、可視化できない⇒ 解決!
「ユニーク・ユーザー数やPV数という指標で、ある程度の効果測定をリアルタイムでできるようになりました。記事ごとにview数が表示されることも、紙と違って手ごたえを感じやすいですね。多忙な従業員の負担を考え、アンケートは実施していませんが、随時記事が掲載されるアプリは、記事自体が従業員同士の共通のニュースになるので、日常の会話でも話題にのぼることが増え、反応を把握しやすいという利点も実感しています」
③ せっかく掲載した情報の蓄積ができない⇒ 解決!
「過去の記事はアーカイブされていくので、この点も課題解決です。過去の記事が常に従業員に共有される状態にあるということは、ナレッジ共有や業務のクオリティ向上につながります」
広報部のリソースはそのままに、広報のパワーアップを実現
実は野々宮さんは、上記以外にもうれしい効果を実感しているそうです。
それは、紙媒体の頃と比べて、編集作業が圧倒的にラクになったこと。紙の場合はスペースが限られているため、どの部署の誰を採り上げるかというセンシティブな問題もありましたが、アプリにはその縛りがありません。また、万が一誤植を見つけても、すぐに修正できます。
「それから、アプリの場合は、企画立案、取材から記事アップまでの期間が短いんです。紙の時代と比べて編集委員に手を挙げてくれる人が明らかに増えたのは、そのためだと思います。長丁場で進行する紙媒体だと、『業務の繁忙期と重なるから……』と尻込みしてしまいがちですが、『今、少し手が空いているので記事を書きます!』という感じで、協力してくれています。結果的に、広報部のリソースを増やさずして広報のパワーアップを実現することができました」
そう話す野々宮さんの笑顔は、ひときわ輝いていました。
最新情報の随時共有を可能にする。それが社内報アプリ
紙のグループ報で抱えていた課題を解決するために、社内報アプリを導入したクロス・マーケティンググループ。グループ企業内への浸透をリードしてきた野々宮さんは、最後にこう締めくくりました。
「組織が大きくなると、他部署の仕事やメンバーについてわからなくなる・関心が薄くなるという状況は、どこの企業でも起こることだと思います。
ですが、お客様に質問されて、グループ企業が提供するサービスについて答えられないとか、自社がどんな活動をしているのか知らないというのは、企業として恥ずかしいだけでなく、顧客第一主義にも反すると思うんです。
リサーチやマーケティングを基幹事業とする弊社は、特にお客様との関係が密なため、我々バックオフィスも、フロントに立つリサーチャーや営業がお客様に最適なサービスをご提供するために自分たちは何ができるだろうと考え、一丸となって取り組んでおり、社内報アプリの導入・運営には、そういった目的もあります。
ですので、アップされた記事をいつでも、どこででも見ることができ、プッシュ通知機能で最新情報を随時共有できることは、非常に意味のあることだと考えています。
従業員一人ひとりが広報マンになるきっかけづくりとなる、広報が顧客第一主義を牽引する――、社内報アプリは、そんな可能性を秘めているツールだと思います」
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社内報アプリ グループ報『Cross to You』
創刊:2019年
更新サイクル:週に4~5記事 - 会社情報
URL: www.cm-group.co.jp
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