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自律分散型スタイルで、熱量あふれる企画を実施 (ネットワンシステムズ株式会社)

『アイル』3代目編集長の清水 健雄さん
『アイル』3代目編集長の清水 健雄さん。笑顔がさわやかです

1988年の創業時からのネットワーク事業を強みに、近年はサーバやストレージ、クラウドなどの最先端ITソリューション、さらにはそこに独自の技術を組み合わせたサービス事業へと拡大し、クライアントの「つなぐ・むすぶ・かわる」を実現するネットワンシステムズ株式会社。SIerとしての業績に加え、働き方改革における先進的な取り組みでも注目される同社は、紙の社内報にこだわり続けています。編集委員を活用しながら社内報をうまく回す自立分散型の編集スタイルと合わせ、紙の社内報にこだわる理由を伺いました。

編集委員のほとんどが自発的に参加

 ネットワンシステムズの社内報『アイル』が創刊したのは、今から12年前。創業当時は、同僚はみんな顔見知りといった関係性でしたが、企業規模が大きくなり、次第にお互いが見えない存在となってきた頃のことでした。

 「『こんな状況では仕事の連携に支障が出る。業務クオリティを上げるためにも、お互いのことをもっと知りたい!』という声が社内から自然発生しました。社員発の提案として経営側に掛け合い、承認されたのが、『アイル』の始まりです」

 そう話すのは、3代目編集長の清水 健雄さん。編集長といっても広報部所属ではなく、普段は人事部で活躍しています。ほかの編集委員も営業や技術、法務などの部門に所属し、『アイル』の編集には“ボランティア”として携わっているのだそうです。

 ……と聞くと、「上司から命じられて、渋々引き受けたのだろう」と思ってしまうかもしれませんが、さにあらず。『アイル』の編集委員は自発的に参加している方がほとんどとのこと。

 「社員が自律して何かに取り組むというのは弊社の社風であり、それが編集委員にも現れているんでしょうね。ボランティアではありますが業務として認められているので、活動はしやすいです。現在は、編集長の私を含めて9名の編集委員が『アイル』の制作に携わっています」

脈々と引き継がれる発行目的と編集方針 

 『アイル』の発行目的と編集方針は、創刊の経緯が明確に現れています。

発行目的 : 従業員の人となりを知る
編集方針 : 「社員の顔がわかる・人にフォーカスする」記事作り

 この2つは代々の編集長の間でじっくりと申し送りされ、新たな編集委員を迎え入れる際には、創刊の経緯も含めて編集長が丁寧に説明して腹落ちさせているそうです。

 「発行目的と編集方針は、創刊以来一度もブレたことがありませんし、今後もこの伝統を守り続けていきます。ありがたいことに社内のさまざまな事業部から“取り組み”について取材の申し入れがあるのですが、『編集方針に則って、取り組みを支えたのはどういう“人”か? という観点での取材になります』と明言し、理解を得たうえで取材しています」

自律分散型の編集システムを確立

 年4回、季刊で発行される『アイル』の編集は、自律分散型で行われています。自律分散型とは、どういうスタイルなのでしょう?

 「まず、スタート時に編集会議を1時間行います。そこで前号の反省と反響の報告、続いて次号の企画案を出し合い、内容と担当の割振りを決定。そこから先は、担当になった編集委員に、校了まですべてを任せています。編集会議で決まった内容と違うものになっても問題ナシ。『取材した結果、この方がおもしろいから』というなら、それでOKです」

 その方法なら、特定の誰かに負担が偏ることなく、効率的に進行できそうです。その一方で、『アイル』全体のコンセプトがブレたりはしないのでしょうか?

 「最初に発行目的と編集方針をしっかりと伝えているので、その心配はありません。編集委員をやりたい! と手を挙げた人の集まりですから、みんな最後まで責任を持って遂行してくれています

3拠点をつないだ編集会議
東京本社、大阪本社、そして社外と、3拠点をつないだ編集会議

編集長として「しっかり支え、信頼して任せる」

 業務が多忙を極めて『アイル』に手が回らない時には、清水さんが編集長としてしっかりサポート。そのために普段からICTツールを駆使して密にコミュニケーションを取っているそうです。

 また、編集委員がモチベーションを高く持ち、自律的に取り組めるように、清水さんは下記の3点を実践しています。

■裁量権を与える
■信頼して任せる
■こっそり支える

 「企画を任され、自分の裁量で進められるほど信頼されている。編集委員にとって、それは大きなモチベーションになるはずです。編集長として、支えるべき時はしっかり支え、任せる場面は信頼してすべて任せる。そうして編集委員のやる気を引き出すのが、自分の役目だと思っています」

業務と無関係の企画にも、発行目的がしっかり息づいている

 『アイル』はオールカラーの全12ページ。エグゼクティブ・インタビュー、部門紹介、慶事紹介といった王道企画は押さえつつ、毎号オモシロ企画が掲載されているのが特徴です。そのおもしろさといったら、ハンパなし! スナック菓子の「きのこの山」と「たけのこの里」のどちらが好きかを論じる「きのたけ戦争」、社内の「鈴木さん」と「佐藤さん」を集めたあるある座談会など、業務と全く関係のない企画がほぼ毎号登場します。

「きのたけ戦争」(写真左)と斉藤さんを集めた表紙企画(写真右)
実際のスナック菓子のイメージを誌面に表現することにこだわった「きのたけ戦争」(写真左)と、当時のお笑いネタをもとに企画した「社内の斉藤さん」を集めた表紙企画(写真右)

 「編集会議は、真面目な企画を決めつつも、ほぼバカ話に終始しているんですが、その中から『それ、企画にしたらおもしろいんじゃない!?』という芽が生まれてくるんです。業務に関係なくてもいいんです。そこに登場する従業員の顔が見えて、人となりが感じられれば、『アイル』の発行目的を達成しているのです」

 作り手が「おもしろい!!」と思える企画しかやらないというのも、清水編集長のこだわりです。「業務との両立は大変だと知りながら自発的に名乗り出てくれたメンバーには、『アイル』の編集を思い切り楽しんでほしいんです。何より、ノリからスタートした企画には勢いがあって、そういう企画はハズレなくおもしろいんですよ!」

 ノリノリ企画の例として見せてくださった誌面には、どれも編集委員の熱い思いがあふれています。企画立案者、編集担当者、取材先(誌面に登場する方々)、さらには原稿執筆やデザインを担当する制作会社、それぞれの「この企画を楽しもう!」というエネルギーが何乗にも膨れ上がり、出来上がった誌面はものすごい熱量を発しています。

 そんな『アイル』を応援する声は多く、直近の社内アンケートでは閲覧率82%と高ポイントを獲得しました。否定的な声が皆無というわけではないけれど、「もっとはじけてほしい!」「最近丸くなってない?」といった叱咤激励のほうが圧倒的多数なのだそうです。

野球好きな編集スタッフの思いを結集した企画
野球好きな編集スタッフの思いを結集した企画。「一番熱かったのは、制作会社のウィズワークスのディレクターさん。編集委員を引っ張ってくれて感謝です!」(清水編集長)

アナログ=紙の社内報でなければ発行目的が達成できない

 ICT企業であるネットワンシステムズは、当然、社内の隅々までデジタル化が進んでいます。そんな企業の社内報がWeb化されていないことを不思議に感じて尋ねてみたところ、きっぱりとした答えが返ってきました。

 「ICT企業なのに紙の社内報。確かにミスマッチですよね。でも、社内コミュニケーションツールがデジタル化すればするほど、アナログな紙媒体は逆に目立つと思うんです。これは自説ですが、例えば、森へカブトムシを採りに行ったり週末に農業をしたり、そういう体験がビジネスになるなど、アナログの価値は相対的に高まっていると思うんです。同じように、社内報も、アナログならではの価値があるのではないでしょうか」

 その価値とは、一人ひとりの手元に届き、手元で読むという存在感、ということ。

 「印刷コストを削減するためにPDF化したらどうか、という声もありますが、それをした瞬間に『アイル』は読まれなくなるでしょう。業務の効率化が進むほど、あふれるデジタル情報の中に埋もれてしまった社内報をわざわざ探し出して読んでもらうことは、期待できません。でも、読むからこそ、共に働く人の顔がわかり、人となりが伝わるんです。だから、『アイル』の発行目的を達成するためには、紙媒体であることが必要不可欠なのです」

 「それに――」と清水さんは続けます。

 「編集委員の想いや編集にかける熱量は、デジタル媒体より紙の誌面ほうが圧倒的に伝わると思うんですよ!」

 創刊当時からの発行目的と編集方針を守り続けてきた『アイル』。今後も伝統は守りつつ、新たなチャレンジも思い描いているそうです。

 「今は編集委員の熱量を放出して読者を引き込んでいますが、社内から企画がガンガン集まるくらいに『アイル』熱を全社に浸透させたいですね。バカバカしい企画も大歓迎です! そしてその熱が会社全体の活気となり、さまざまなところで良い影響を与えると信じています」

  • 社内報『アイル』
    創刊:2007年
    発行部数:2,450部
    仕様:A4判、4色、12ページ

  • 会社情報
    URL: www.netone.co.jp/

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