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紙の社内報とWeb社内報、それぞれの強みと使い分け。「どう届けるか」から考える媒体選び

「社内報をWeb化すべきかどうか」

紙の社内報を発行してきた企業であれば、一度はそのように考えたことがあるのではないでしょうか。
インターナルコミュニケーション(IC)の手段は、この数年で大きく変化しました。社内ポータル、アプリ、動画配信、チャットツール……

情報を届ける手段はどんどん増えています。一方で、現場では次のような声も聞かれます。

●「紙をやめたら、以前より読まれなくなった」
●「Webにしたことで速報性が上がった」
●「紙だからこそ届いている実感がある」
●「Webだからできる表現がある」

社内報ナビを運営するウィズワークスは、長年、紙の社内報制作を支援するとともに、社内報アプリを提供するなど、Web・アプリによる社内報運用にも携わってきました。紙とWebの両方の現場を見ているからこそ感じるのは、「紙かWebか」という単純な二択ではなく、「何を、誰に、どんな形で届けたいのか」を考えることの大切さです。

今回は、ウィズワークスのディレクター陣へのヒアリングも交えながら、紙とWebそれぞれの特徴と、最近の企業の悩みや傾向について整理してみたいと思います。

紙の社内報には、「そこにある強さ」がある

紙の社内報の魅力としてよく挙がるのが、「自然と目に入る」という点です。ある企業では、長年紙の社内報を発行しており、社員から「毎号デスクに置かれているので、なんとなく手に取って読んでいた」という声があったそうです。

これは、紙ならではの“プッシュ型”の強さかもしれません。Webは自分からアクセスしなければ始まりませんが、紙はデスクや休憩室、自宅のテーブルなどに置かれることで、ふとしたタイミングで手に取られ、思いがけず読まれることがあります。

他にも、

●手元に残る
●家族とも共有しやすい
●記念として保管されやすい
●登場した社員に喜ばれやすい

といった声も聞きます。

特に、「自分の仕事や会社を家族に見てもらえる」という価値は、紙ならではの良さとして感じている企業も多いようです。紙の社内報はアクセス権限やログインの必要がなく、自宅に持ち帰れば家族が自然に目にすることもあります。

さらに、紙はページ構成や冊子としてのデザイン性も魅力です。“読む”だけでなく、“手に取る体験”そのものを設計できるメディアとも言えるでしょう。

Web社内報は、「今届けたい」に強い

一方で、Web社内報の魅力として多く挙がるのが、速報性です。

ある企業では、イベント当日までに記事の大部分を準備し、当日に写真や参加者コメントを追加して、その日のうちに配信しているそうです。これは、紙ではなかなか難しいスピード感です。

Webには、

●すぐ発信できる
●PCやスマホから読める
●動画やリンクを埋め込める
●文字数や写真点数の制約を受けにくい
●詳細情報へ遷移しやすい

といった強みがあります。

特に最近は、「せっかくWeb化したのだから、もっと短く、もっと読みやすくしたい」という相談も増えています。紙の頃より文字量を減らし、画像やイラストを大きくする。詳細はリンク先へ飛ばす。そうした“Webらしい読みやすさを模索する企業が増えている一方で、「どこまで情報を削るかが難しい」という悩みも生まれています。

また、Web社内報では、閲覧数や「いいね」、コメント数などが見えるようになることで、別の悩みが生まれるケースもあります。
「数字が見えるようになったことで、上長への成果説明に苦労している」
という声です。

ICは、営業数字のように成果がすぐ見える領域ではありません。だからこそ、「何をもって成功とするのか」を事前に整理することが重要になります。

自社のIC課題は何か。理想の状態はどこか。その中で、社内報がどこまで担うのか。そうした整理をしたうえで、KPIを設計していく必要がある。そんな話も、ディレクターから印象的な声として挙がっていました。

実は、紙にもWebにも弱点がある

最近、紙社内報について多く聞かれるのが、コスト面です。
印刷費、梱包費、輸送費。さらに世界情勢の影響もあり、「今後、紙社内報はどうなっていくのでしょうか?」という相談が増えています。

一方で、WebにはWebの悩みがあります。それが、「そもそもアクセスしてもらえない」という問題です。
紙は、届けば目に触れる可能性があります。しかしWebは、開いてもらうという最初の壁があります。
特に、全国に店舗を持つ企業などでは、「休憩室に冊子を置いているから読まれていた。1店舗1台のPCだけになったら、本当に見てもらえるとは思えない」という声もあるそうです。

社内報は、単に“配信できればよい”ものではありません。社員の働き方や閲覧環境によって、読まれ方は大きく変わります。

だからこそ、ツールありきで考えるのではなく、

●いま自社にどんなIC課題があるのか
●社員との間にどんなコミュニケーションを生みたいのか
●現場の社員は、どんな環境で情報に触れているのか

を整理したうえで、媒体を選ぶことが大切なのだと思います。

「紙かWebか」ではなく、「どう組み合わせるか」

興味深かったのは、“どちらか一択ではない”という現場の感覚です。

たとえば、

●紙の社内報で特集を組み
●Webで関連動画やエピソードを展開する

といった複数の媒体を連動させている企業もあります。

また、媒体を考えるときは、「何を届けるか」だけでなく、「いつ届けるか」も重要です。
たとえば、

●イベント当日の熱量をすぐ届けたい情報はWeb
●一定期間の取り組みを振り返る特集は紙
●詳細情報や関連動画はWeb
●節目として残したいメッセージは紙

というふうに、内容だけでなく“タイミング”によって向いている媒体が変わるケースもあります。

紙でじっくり届け、Webで広げる。Webで速報を出し、紙で振り返りを残す。そんな使い分けによって、読者体験の幅が広がり、より多様な社員にアプローチしやすくなるのだとか。 

実際、社内報は「媒体」そのものが目的ではありません。

会社として何を伝えたいのか。社員にどう感じてほしいのか。その目的によって、適した届け方は変わります。

社内報の本質は、“媒体”ではない

今回、ウィズワークスのディレクター陣に話を聞く中で共通していたのは、紙であってもWebであっても、「社内報として何を会社が伝えたいのか」「何を社員に届けるべきか」を整理する軸は変わらない、という考え方でした。

社内報は、媒体そのものが目的ではありません。

●自社のインターナルコミュニケーション上の課題は何か
●社員に何を知ってほしいのか
●どのような理解や行動につなげたいのか
●社員はどのような環境で情報に触れているのか

そこを整理したうえで、紙がよいのか、Webがよいのか、あるいは両方を組み合わせるのかを考えることが大切です。

紙には、手に取られ、残り、周囲にも届く強さがあります。

Webには、早く届け、広げ、次の情報につなげる強さがあります。

「紙かWebか」ではなく、「自社にとって、どんな届け方が最も伝わるのか」。
その視点から考えることが、より良い社内報づくりにつながるのではないでしょうか。


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