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2024年版「社内報の表紙」/訴求力のある11誌の表紙を大公開

 

お待たせしました! 昨年、一昨年と好評を博した表紙特集の2024年版の登場です。思わず手に取り、ページをめくりたくなる。そんな訴求力あふれる表紙を、社内報ナビ編集部が11誌厳選してご紹介します。

今年ももちろん、ご担当者の解説付き。読者の目を引き付ける表紙をどうやって実現するかを考え抜いた表紙たちを、解説とともにご覧ください。これら表紙を選んだ「社内報ナビ」編集部員からのひとことコメントも併載しました。

※個人情報保護のため一部にぼかし加工をしています。

ひとことコメント担当部員:Tina

社内報の表紙の王道:従業員登場タイプ

 知っている顔に、ふと目が留まる――、従業員が登場する表紙は、社内報の王道です。さらに表情が豊かだったり、情景が伝わってきたりすると、「ふと目が留まる」に加えて「思わず手に取る」効果がオン!

株式会社ダイセル 『ぱれっと』
◆発行頻度:季刊 ◆ページ数:20ページ


〈ご担当者による解説〉

 発行前から従業員を対象にアンケートを行い、「上司と部下」をテーマとした特集を出すことを告知していました。アンケートに協力してくれた従業員に、「あの時協力いただいたアンケートの結果を特集にしていますよ!」ということが伝わるよう、特集に登場した従業員を表紙に登場させ、吹き出しに「中身を読みたい」と感じてもらえるようなセリフを入れました。そのセリフは、特集を読めば上司や部下の本音が分かることが伝わるように、特集本文の内容と照らし合わせて工夫しました。

従業員さんの表情が豊か。撮影時のディレクションが上手に違いない! 吹き出しのセリフもリアルで、読みたくなりますね!

株式会社物語コーポレーション 『The Monogatari』
◆発行頻度:1月、4月、7月 ◆ページ数:16ページ


〈ご担当者による解説〉

 『The Monogatari』は、「一人でも多くの会社ファンを増やす」を目的に、毎回テーマを変更しており、テーマを表現しつつ手に取ってもらえるような表紙を心がけています。

 本号のテーマである「お客様喜ばせスペシャリスト」とは、当社が運営する店舗において、一人一人のお客様の来店ストーリーに寄り添って笑顔を生み出すスタッフのことで、当社の接客コンセプトである「とびっきりの笑顔と心からの元気」を体現できるスタッフに協力いただきました。

縦書きの1行が効いてますよね! 和装のスペシャリストさんを筆文字が引き立てていて、雰囲気作りがすごくいいと思いました。

 

濵田酒造株式会社 『至誠』
◆発行頻度:季刊 ◆ページ数:16ページ


〈ご担当者による解説〉

 表紙では毎号1人の従業員にフォーカスして、仕事をしている姿や印象的な場面を切り取って掲載しています。「vol.86」では、社内表彰で1位に輝いた従業員の喜びの様子を表現しています。また、現在この従業員は地元鹿児島県から遠く離れたところに拠点を置いて仕事をしています。鹿児島で一緒に働いていた仲間に元気な姿を知らせようというメッセージを込めました。表紙は社内報の「顔」です。読み進めたくなるインパクトを意識しています。

喜びと勢いがあふれ出でている表情がサイコー!さらに、仲間へのメッセージも込められていると知って、ますます魅力度UPです!

王道をひとひねり〈1〉:従業員+写真タイプ

従業員登場タイプにひと工夫。写真と従業員を組み合わせた事例です。

株式会社カネカ 『KANEKA NEWS』
◆発行頻度:季刊 ◆ページ数:24~36ページ

〈ご担当者による解説〉

 思わずページをめくりたくなるような表紙を目指し、各号の特集テーマと連動した内容でミニチュアの世界を表現しています。表紙で特集の内容が一目で分かるようにしたり、特集に登場したメンバーに、デザインに合わせた楽しいポーズで表紙にも出てもらったりと、さまざまな工夫をしています。

 表2にはカバーストーリーとしてデザインの解説と登場者の紹介を盛り込んでいます。読者からは「毎回表紙のデザインが楽しみ」と好評です。

1号分を見て「センスがよいなぁ」と思ったら、毎号このテイストなのですね。このイラストの中に入りたい、と思う読者もたくさんいそうです!

王道をひとひねり〈2〉:従業員+イラストタイプ

 従業員とイラストを上手に組み合わせるデザインも、アイキャッチとしての効果大です。

株式会社クレディセゾン 『Premier』
◆発行頻度:季刊 ◆ページ数:28ページ


〈ご担当者による解説〉

 クレディセゾンの社内報『Premier』は、「みんなでセゾンらしさを考えるマガジン」として、社員が創る社内報を目指しています。

 毎号リレー形式で社内デザイナーが手がける表紙には、人気企画「セゾニスト」に選ばれた社員が登場し、その価値観を表現しています。さまざまなデザイナーの個性が反映された一冊一冊が異なる雰囲気を醸し出し、社員に大きな反響を呼んでいます。

「セゾニスト」に選ばれた社員の価値観をイラストで表現。デザイナーの想いは目次に掲載
2ページ目の企画「セゾニスト」に掲載された社員の価値観やこれまでの経験を表紙イラストで表現。表紙担当のデザイナーの想いを目次に掲載している

セゾニストに選ばれるだけでも名誉なのに、価値観を表現したイラストとともに社内報の表紙に登場って、うれしいだろうなぁ。「次は自分!」と注目する人も多いだろうなぁ!

王道をひとひねり〈3〉:従業員+テキストタイプ

 写真でもなく、イラストでもなく、テキストと従業員を組み合わせた事例。斬新です。

株式会社Mizkan 『WIZ』
◆発行頻度:年2回 ◆ページ数:36ページ


〈ご担当者による解説〉

 その号で特集する中計テーマに関連した、重要ワードをタイポグラフィーであしらって背景とし、そこにポーズをとった社員が登場するデザインです。画像は、社員自身で撮影して提供してもらい合成しているので、表紙制作の一部に社員を巻き込んで進めています。
 また表紙撮影の日時や場所に制限がないので、今後は登場したい社員に手を挙げてもらう企画も検討し、より多くの社員が参加しやすく手に取りやすい社内報になっていけばうれしいです。

圧倒的な訴求力!!! これは思わず手にとっちゃいますね! 色のインパクトもすごい!
この振り切り方、見習いたいです。

つい目が留まりそう:イラストで興味喚起タイプ

 イラストを使う表紙は多くみられます。その中でも、訴求力を上げるために定石を超える工夫をした事例をご紹介。

キヤノン株式会社 『キヤノンライフ』
◆発行頻度:ほぼ月刊 ◆ページ数:28~32ページ


〈ご担当者による解説〉

 この号の特集「グループ会社の自主事業」は、グループ会社の自主事業にスポットを当て、各社製品の独自性や強みなどを紹介するものです。『キヤノンライフ』を手に取り、普段なかなか知ることのできないグループ会社の取り組みに関心を持ってもらうために、表紙は通常の『キヤノンライフ』のトーン&マナーとは一線を画すものにあえて変更。インパクトあるアメコミ調に仕立て、グループ会社の製品という「ヒーローたち」の力を結集するイメージを表現しました。

業種的に1枚写真の表紙となりそうなところ、アメコミ調という意外な攻め方が光ります。ときには通常のトンマナから外れる勇気も必要ですよね!

ホクレン農業協同組合連合会 『ほくれん四季』
◆発行頻度:月刊 ◆ページ数:20ページ


〈ご担当者による解説〉

 2023年度の表紙は、その月の特集テーマに合わせ『ほくれん四季』のテーマの1つでもある“親しみやすさ”をイメージした柔らかいタッチのイラストを用いました。10月号特集では、弊会が行う「北海道産のさつまいもを広げるプロジェクト」について取り上げたため、土の中で根を張った鮮やかなさつまいものイラストを表紙一面に大胆にあしらうことで、読者がパッと見た際に興味を引き、ページをめくってもらえるように仕上げました。

 また、職員の姿を多く載せたいという思いから、イラストをメインとしつつも、毎号左下の小窓にて誌面に登場した職員のアザーカットを掲載しました。

このイラストの色合いは、社内報の表紙としては珍しいかも。そしてそれが存在感を爆上げしているのではないでしょうか。この表紙、好きです!!

株式会社土屋鞄製造所 『革ノオト』
◆発行頻度:年1回 ◆ページ数:64ページ


〈ご担当者による解説〉

 2023年はコロナが第5類に移行し、働き方や人とのつながりにアップデートが求められた年でした。そんな年を象徴する本号テーマは「links-つながり-」。テーマを表す表紙は「納豆」をモチーフにしました。ゆるく一粒一粒が「つながって」いるところに、粒が際立つ個人・まとまると強くなる組織を重ねました。際立った一粒同士が互いの個性・立場を尊重しながら、アフターコロナだからこそできうるつながりの構築を、本冊子を通じて感じてもらうことを狙いとしました。
 インパクトのある納豆表紙は机に置いてあるだけで「何あれ?」と社内の話題化を狙っており、つい手に取り社内のチームや家族に伝えたくなるようなデザインにしています。

深いところまで思いを巡らせた設計、さすがです!
ゆるくつながっている、というのも今の時代のエンゲージメントを象徴しているような気がします。

なぜか印象に残る!:テキスト&デザインが光るタイプ

 従業員を出さなくても、華やかな写真やイラストを使わなくても、工夫次第で魅力的な表紙ができるという事例です。

YKK株式会社 黒部事業所 『One』
◆発行頻度:季刊 ◆ページ数:12ページ


〈ご担当者による解説〉

 冊子名『One』は、リニューアを機に変更しました。命名の由来は、社内の一体感を表すOne YKK。この媒体名を少しでも早く定着させるため同じ韻を持つ犬の鳴き声「ワン」に掛け、ダジャレを利かせたタイトルデザインにしています。さらに社員と媒体の距離を縮めるため社員の愛犬の写真を募集。読者からは癒しを与えてくれると好評です。
 中央には、ファスナーをデザインし「これぞ我が社の社内報!」と誰が見ても分かるようにしています。

社内報の表紙にダジャレ。それでいて、中央にファスナーという押さえどころはきちんと。柔軟のバランスが心憎い!

株式会社UACJ 『ALUMINIST』
◆発行頻度:隔月刊 ◆ページ数:24ページ


〈ご担当者による解説〉

 毎号、特集と関連したテーマのデザインを採用しています。本表紙では読者の好奇心をくすぐるデザインにこだわり、国語辞典のページをイメージした縦書きを一部採用。また写真の顔を隠すことで「誰だろう?」とページをめくりたくなるよう工夫しました。
 人物の正体は特集にも出てくる社長(当時)です。本誌の編集に経営がコミットしていること、失敗を賞賛する社長の姿勢を訴求しました。

写真の方、まさかの社長!! この謎解きに引かれた読者は多そうです。さりげなく経営層のコミットをアピールというのは、さらに高度な仕掛けですね!

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 2024年の表紙特集も、ご協力各社のおかげでバラエティー豊かで訴求力炸裂の事例をご紹介することができました。掲載に向けてご協力くださった企業の皆さま、本当にありがとうございました。

 2023年版の最後に、翌年にバトンをつなぐ話をしていましたが、この1年はいろいろな場面で社内報ご担当者が企業の枠を超えてバトンを渡している様子を感じることができました。この表紙特集が、さらにバトンの輪を広げて、学びあい、高めあうきっかけになればうれしいです。

 来年もまた、たくさんのご担当者の熱意あふれる、魅力的な表紙特集ができますように!


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