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2017年のトレンドを掴み、読者の好む企画に

相次ぐ雑誌の休刊。電子ブック化による書籍の販売数減少。現在、印刷メディアは減少傾向にあります。支持され生き残るためには、読者の知りたいことや欲求を満たすテーマを発信し続ける必要があります。雑誌『THE21』の編集長・吉村健太郎さんに2017年のビジネスパーソンの関心事となるキーワードや、編集者は今後どうあるべきかのヒントをいただきました。

吉村健太郎さん
(株式会社PHP研究所『THE21』編集部 編集長 吉村健太郎さん)

読者に投げかけて企画案を検証

 40代のビジネスパーソンをメインターゲットにした『THE21』は、優秀な産業人を育成するという使命のもと、それをスキル面でサポートするために仕事で役立つ知識を提供するビジネス誌です。

 豊富なインタビュー記事が売りですが、重視しているのは、「誰が何を語るか」ということ。そのため人選にはこだわりを持ち、現役世代がお手本にしたい人物にご登場いただくこと、またその方の経験値を余すことなく伝えることを編集方針としています。

 そのうえで最も大事になってくるのは、当然ながら企画です。近年、雑誌は特集内容で売れ行きが大幅に左右されるため、テーマについては毎号頭を悩ませますが、企画を考える際に私が参考にしているのは、読者からの生の声です。

 当誌では定期的に「読者会」を開いているのですが、そこで思いついた企画案を投げかけ反応を見る「検証」のひと手間をかけています。他にも取材で出会った方などに意見を伺うことも多いですね。もちろん読者アンケートもやっているのですが、どうしてもバイアスがかかりますので、厳しい意見、リアルな本音を聞けるという意味で、読者会は非常に貴重な場になっています。

2017年のトレンドは新しい働き方の提案

 最近関心を集めているテーマを挙げると、メンタル系と時間術が双璧です。前者は仕事をするうえでの心の持ち方のことで、折れない心、ブレない心の作り方といった企画は好評です。後者は、時間をいかに有効に使うかという、いわば永遠のテーマ。相変わらずの強さがありますが、その切り口については変化しています。

 かつては、出世するために仕事の効率やスピードを上げていこうというものでしたが、今はプライベートの充実のために仕事を早く片付けよう、そのためにはどう時間を使ったらいいか、という意識に変わっています。「仕事を早く」という目標は同じでも、目的が違うんですね。ガツガツ働くのではなく、自分の時間を大切にしたいと考える人が増えているように感じます。

 そういう観点からいくと、時間術とは、イコール働き方を考えることだと言えます。自分の働き方をどう変えるか、あるいは自分がどう変わっていくか。時短やテレワーク、家庭とのバランスの取り方などいろいろな切り口がありますが、そこは2017年度も引き続き注目を集めるテーマだと思うので、追求していくつもりです。

 もう一つ、それに関連したことになりますが、働く環境がどう変わっていくか、にもフォーカスしていきたいと考えています。AIによって消える仕事、残る仕事、といった企画が昨年話題を呼びましたが、「自分の仕事は5年後、10年後どうなるんだろう」という漠然とした不安感は、今後ますます強くなっていくものと思われます。ですので、それに対する未来予測、さらにはそうした脅威に負けずに働いていくにはどうしたらいいのか、というテーマを掘り下げ、それに関する知識や情報をしっかり提供していきたいと思っています。

そこに「提言」はあるか? Web時代に必要なこと

 厳しいビジネス環境、という意味では、我々のいる出版業界もまさにその状況に置かれています。そんな中で、今後も雑誌が生き残っていくためには何が必要なのか。私自身は、単なる情報の寄せ集めになってはならない、と肝に銘じています。

 取り上げるテーマについて我々が考えたことをメッセージや提言として打ち出していく。それが大切だと思います。「仮説ではあるけれど『THE21』はこう提案します」というものがあってこそ、ネット情報との差別化ができると思うのです。

 一方で、Web化を図ることはもはや不可避ですから、Web戦略も同時に推し進める必要があります。当誌でもオンライン版を配信していますが、反応や広がりの速さには雑誌にない魅力を感じています。ただし、情報の信頼度という点では、紙媒体の方が上。ですので、紙媒体をブランド化して守りつつ、その強みを生かしながらWeb化の波に乗ることが重要だと考えています。

 雑誌とオンライン版の両立に加え、今後実現させたいのは、読者がリアルに集う場を増やすこと。現状の読者会も人数や回数をもっと増やしていきたいですし、セミナーや勉強会も始めたい。ビジネスパーソンの出会いや交流の場になる機会を作っていきたいですね。そして将来的には、仕事で困ったことがあれば、「とりあえず『THE21』のHPを見てみよう」となるような存在になれたらと思っています。

 

吉村健太郎さん
Profile:吉村健太郎 1998年株式会社PHP研究所入社。書店販売やビジネス書籍の編集を経験ののち、2013年『THE21』の編集部に異動。2015年編集長に就任。

 

※『コミサポプラス』2017年2月号より転載

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