学生時代、図工や美術の授業が一番好きだった編集長のおうどんです。社内報担当になって急に「ラフを描いて」と言われても、どう描けばいいのか分からないというあなたでも、このコラムを読めばすぐにラフが描けるようになります。
目線の動きを理解しよう
まずは上の図をご覧ください。この図の赤い矢印は人間の目線の動きを示しています。右綴じ(おもに縦書き)の冊子を開いた場合、人間の目線は最初に右上にきます。そこから矢印の動きで左下に向かって流れていきます。また、左綴じ(おもに横書き)の冊子の場合は、左上から矢印の動きで右下に流れます。
つまり、右綴じの冊子であれば、最初に目が行く右側にタイトルを置き、結論が左下に来るという流れを理解してラフを描けば、読者にとって分かりやすいレイアウトになります。雑誌やフリーペーパーなどを手に取って、実際に上の図の流れ通りになっているかどうか確かめてもらうと、よく分かっていただけると思います。
人物写真はページの中心を向くように配置
またラフを描くとき、同時に悩むことが多いのが、写真の配置や選び方の問題。インタビュー記事を例に挙げると、人物写真はページの中心(ノドといいます)に向いている写真を選びます。写真がページの端(小口といいます)を向いてしまうと、その人物がそっぽを向いているような違和感が出てしまうからです。
「写真を左側に置きたいけど、左向きの写真しかない! でも、ピントが合っているのがこの写真しかないから小口向きでもいいか~」というのは起こりがちなトラブルのひとつ。こうならないよう、人物の写真を撮影する際は、左右正面の3方向から、なるべくたくさん撮っておきましょう。
慣れたら応用してみよう
おおまかなルールここまでに紹介した通り。とはいえ、毎回必ず右上にタイトルを持ってくるようなレイアウトばかり作っていると、マンネリ化してきますよね。そこで、基本が身についたあなたに応用編のご紹介です。
このようにタイトルを右側に縦書きにしたり、
思い切ってタイトルをページ下部や真ん中に持っていったりして、デザインの引き出しを増やしていくと良いと思います。
また、たとえば対談企画の場合、
このように見開きで向かい合うように人物写真を配置すると、一目で読者に企画を認知させることができます。
著名人や、社内でも特に注目の人物を取り上げる場合には、上下(天地ともいいます)いっぱいに人物写真を使うと、インパクトのあるページにすることができます。
今回は4つのレイアウト事例を解説しましたが、これらはほんの一例でしかありません。もっと柔軟な発想で、あなたらしいレイアウトを考えてみてください。
発想のヒントとなるのはやはり、雑誌やフリーペーパーのレイアウト。基本が分かったら、さまざまな媒体を参考にしていろいろなデザインを考えてみましょう! 「最近、社内報が変わったね」「前より読みやすくなったね」と、きっと読者が気づいてくれるはずですよ!
(おうどん)