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『社内報白書2021』から見えてきた、コロナ禍でのICの変化と未来

コロナ禍が続く中、インターナルコミュニケーション(IC)の重要性が高まっています。
昨年8月には、コロナ禍になり半年経った時点での企業のIC施策の変化を調査しました。コロナ禍以前との比較で大きく変化が見えたのは、「印刷社内報のみ発行していた企業が、Web化に対応しようと試行錯誤していること」でした。まずはイントラにpdfをアップすることから始まり、システム見直しの必要性も顕在化しつつありました。

あれから1年が経過し、この度、ICや社内報における各企業の現状と今後の方向性の変化について調査しました。この調査から見えてきたICの現状をお伝えします。

社内報白書2021 調査概要

調査対象/日本国内の企業、団体
調査方法/アンケートフォームによるインターネット調査
調査期間/2021年8月2日~8月9日
有効回答数/212

インターナルコミュニケーション(IC)の目的は?

 これまでは「社内広報の目的」を伺ってきましたが、本年より「インターナルコミュニケーション(IC)の目的」と変更しました。ICツールが進化する中、社内広報はその領域にとどまらず、人事や総務、IRなどとの連携が必要となっています。組織のさまざまな課題解決や取り組みテーマの推進など、これまで以上に重要かつ多岐にわたる役割を担っていることから、IC視点での目的を問いかけてみました。

インターナルコミュニケーションの目的
【設問】インターナルコミュニケーションの目的について、あてはまるものを教えてください(クリックで拡大)

 ICの目的について、 9割以上の回答者が「社内・グループ内の一体感の醸成」「経営理念・ビジョン・中計などの浸透」の2項目を選びました。企業規模の拡大やM&Aが進む中、経営理念・ビジョン・中計の浸透を通じて、社内・グループ内を統合していくことが、ICの主な目的と捉えられています。従業員数5,001人以上の大手企業では、1位が「経営理念・ビジョン・中計などの浸透」となり、規模が大きくなるほど重視されているとわかります。

 7割を超える回答が集まったのが、「社内・グループ内のニュース周知事項の伝達」「自社・グループ事業の理解」「仕事のモチベーションアップ」の3項目です。企業・グループ規模拡大の中、情報伝達や自社事業・グループ会社の事業を理解することが重要になっています。また、事業部連携やグループ会社とのシナジー創出なども大きなテーマと言えます。コロナ禍が続く中、リモートワークなど働き方の多様化が進み、仕事のモチベーションアップも目的となってきています。

 6割を超えた「従業員の意識改革・態度変容」については、新たな日常への柔軟な対応が必要な今、ICをうまく活用することがポイントです。

 そして、全体の5割を超えてきたのが、「DX・SDGsなどの取り組みテーマの共有」です。目まぐるしいIT技術の進化と2030年に向けたSDGsの取り組みについては、企業規模に比例して重要度が顕著に上がっています。

 全体を通じて、従業員規模によりICの目的の優先順位に違いが見られます。色のついた面積を見ると、企業規模が拡大するのに比例してICをより活用していることがうかがえます。

ICツールのマルチチャネル化が進む中、実態は?

 ICの施策やツールの多様化が進む中、活用実態を調査しました。

インターナルコミュニケーションの施策・ツールで実施しているもの
【設問】インターナルコミュニケーションの施策・ツールで実施しているものを教えてください(クリックで拡大)

 1位と2位はICツールの王道「印刷社内報」「イントラ・Web社内報」で、どちらも約7割の企業が活用しています。また、少し意外だったのが「リアルイベント」。コロナ禍でも4割の会社が行っていることがわかりました。全社ではなく小規模単位での朝礼などを実施している会社が多いと推察されます。また「オンラインイベント」を実施している会社は3割を超えています。「オンラインイベント」は、コロナ禍で大きく伸びた施策だと言えます。

 「一斉メール」の活用は4番目に多い回答となりましたが、メールシステムは各社導入済みであろうことを考えると、低い活用率とも言えます。その原因は、業務に関するメールが大量に飛び交うために、社内向け一斉メールの配信を制限している企業が多いためと想像します。

 次に多かったのが「ポスター・壁新聞」。工場や販売・サービスの現場では、目に触れる場所に掲示することで、一定の効果が期待できます。

 次いで多い回答となったのは「動画社内報」で、1,000人以下と1,001人以上の企業との間で大きな違いが現れました。1,000人以下の企業群では、動画コンテンツの制作など専門的なノウハウが不足している、あるいは外部委託の予算化が難しいのかもしれません。

 「社内SNS」は、企業規模が拡大するごとに活用率が下がっています。従業員規模が小さいとWeb社内報の代用としてSNSを比較的容易に活用できますが、企業規模が大きくなると、全体でのSNS活用は難しくなっていきます。

 「スマホ/アプリ社内報」については、5,001人以上の大手企業群では4社に1社が導入しており、スマホを使ったICへのアプローチがコロナ禍で一気に進んだことがうかがえます。スマホ・ファーストと考える企業の声もたくさん聞くようになりました。

 次に「クレド・社員手帳」。特に、1,000人以下の企業群での活用が目立ちます。「社内外へのブランディングのためのオウンドメディア」も10%近くが活用しています。ブランディングにおいて、インターナルとエクスターナルの壁が曖昧になる傾向があり、人材採用戦略に社内報を活用する企業もあります。

印刷社内報の今後

印刷社内報の今後について、該当する欄にチェックしてください
【設問】印刷社内報の今後について、該当する欄にチェックしてください(クリックで拡大)

 現在印刷社内報を発行している企業では、今後も継続して発行する予定の企業が8割弱と大半を占めました。これは企業規模にかかわらず同様の傾向です。「コロナ禍で社内報を印刷しても手に取ってもらいにくい」「コスト削減から発行を見直したい」といった企業の対応はひと段落し、現在印刷社内報を発行している企業は、事業形態や雇用形態などさまざまな要因から、印刷社内報を継続していく意向を示す結果となりました。

 継続の理由の1つに、製造現場や接客現場で働く従業員全員に、Web閲覧ができるデバイスを貸与するのは困難、という企業事情があります。その場合、職場に配布されるPUSH型メディアである印刷社内報は、従業員に到達させるという点で強みを発揮します。
 一方、Web社内報は、自ら見に行かないと見られないPULL型メディア。さらに、社内クローズを保つためのID・パスワード認証が障壁となる場合もあり、印刷社内報と比較すると、読まれづらい傾向にあります。

 こうした状況から、印刷社内報継続の理由として「印刷社内報のほうが読まれるから」が6割近くを占めることとなるのでしょう。

印刷社内報を継続する理由について
【設問】印刷社内報を継続予定の方に伺います。その理由について教えてください(クリックで拡大)

 また、OB・OG、内定者への配布を重視する観点から、印刷社内報を継続する会社も3社に1社と、それなりの割合を占めています。特に、単一メディアで社内報を運用する割合が高い従業員1,000人以下の企業では、45.7%が継続の理由と答えました。

Web社内報の現状とこれから

現在のWeb社内報で採用しているシステムを教えてください
【設問】現在のWeb社内報で採用しているシステムを教えてください (クリックで拡大)

 社内報のWeb化が進む中、全体の半数以上が活用していると答えたのは「PDFまたは電子ブック」です。そのほかでは、「CMS」は4社に1社、「グループウエア」17.6%、「HTMLコーディング」 15.7%、「動画プラットフォーム」12.6%、「クラウド上のASPサービス、アプリなど」8.2%、「SNS」4.4%、「オープン社内報」1.3%となりました。

 従業員規模別では、1,000人を境に「CMS」と「グループウエア」の活用が逆転します。1,000人以下の企業では「CMS」の活用は低く、「PDFまたは電子ブック」や「グループウエア」の活用が高くなっています。
 理由としては、「CMS」の導入には新たな予算と人的リソースが必要となりますが、すでに全社的に導入済みの「PDFまたは電子ブック」や「グループウエア」であれば、リソースの追加負担が発生しないといった事情が考えられます。

 Web社内報の今後については、下のグラフを見るとわかるように、現在のシステムから大きな変化がありそうです。

今後に向けて検討対象となりうるシステムを教えてください
【設問】今後に向けて検討対象となりうるシステムを教えてください(クリックで拡大)

 今後検討したいシステムとして一番多かったのは、引き続き「PDFまたは電子ブック」43.4%。以降多い順に「動画配信プラットフォーム」32.7%、「CMS」27.7%、「グループウエア」21.4%、「クラウド上のASPサービス、アプリなど」17.0%、「SNS」14.5%、「HTMLコーディング」13.2%、「オープン社内報」10.7%となりました。

  「動画配信プラットフォーム」「クラウド上のASPサービス、アプリなど」「SNS」「オープン社内報」などの導入が、今後大きく進むことが予想されます。

 ITツールの進化のスピードは今後さらに上がってくるでしょう。そんな中、自社のIC最適化のためのツールをどう配置していくのか? 常に新たな技術やツールの情報収集が必要です。それと同時に、社内報担当者の皆さんが新ツールへの対応力を高めることも重要です。

進む動画コンテンツ

 現在インナー向けの「動画コンテンツ制作」や「動画配信」を行っているかという問いに対し「現在、実施している」38.7%。 5,001人以上では47.2%となりました。

 また「現在、実施していないが、将来的には実施したい」と答えた企業は29.4%となり、近い将来7割近くの企業に導入が進むことが予想されます。5,001人以上の大手企業では8割を超えそうです。

インナー向けに「動画コンテンツ制作」や「動画配信」を実施していますか?
【設問】インナー向けに「動画コンテンツ制作」や「動画配信」を実施していますか?(クリックで拡大)

 静止画像やテキストと比較すると、動画は映像・音声を駆使することで、短時間で膨大な情報量をアウトプットできます。また視聴者の態度変容につながるような、エモーショナルなアプローチも可能です。このメリットをIC施策に活用しようと考えるのは、自然な流れと言えるでしょう。

ICに携わる皆さまを、これからも応援

 コロナ禍となり1年半が経過する中で、企業における社内広報への関心は高まり、「ICは経営の重要な施策」という認識が広がりつつあります。今後は、インターナルからエクスターナルへ企業ブランドを高め、自社や自社商品のファンを増やす、リファラル採用に活用するといった目的で「オープン社内報」を推進するというように、ICの概念から見直す企業も増えてくると考えられます。

 また、ICツールにもDXの波が押し寄せ、今後一層マルチチャネル化が進むことでしょう。社内報はWeb化が進み、それに伴い、動画コンテンツの活用も加速することが予想されます。

 このような状況下で、ICに携わる皆さんのお仕事も高度化し、より経営課題の解決につながる施策が必要になります。また自社にとって最適なツールを採用するために常に情報収集し、かつ、それを使いこなす新たなスキルとリテラシーが必要となります。これまで以上に仕事の質が問われ、責任重大な業務となりますが、その分、やりがいは大きいとも言えます。経営を左右するほどの業務に携われるというのは、本当に貴重な経験です!

 社内報総合研究所では、そんな皆さまの経験が成果を生み出すよう、これからも応援してまいります。その1つとして、『社内報白書2021(PDF)』にさらに詳しくICや社内報の現状と今後についての調査結果をまとめています。本文中に記載した、従業員規模別の集計結果も掲載しているので、ぜひご活用ください。

 

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