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社内報でやりがちな校正ミスを、クイズ形式でチェック

社内報でやりがちな校正ミスを、クイズ形式でチェック

新聞や雑誌であっても社内報であっても、誤字脱字はご法度。だから気合を入れて、目を皿のようにして隅々まで念入りに文字チェック! ……それでもやらかしてしまうのが、校正の恐ろしさ。見落としによるミス以外にも、思い込みや覚え間違いにも、そのトラップは潜んでいるんです。

そこで、社内報をはじめとしたインターナルコミュニケーション(以下、IC)媒体でありがちな、“思い込み&覚え間違い”しやすい言葉・表現を集めてみました。

最近よく見る“あの表現”、正しく覚えていますか?

 コロナ禍の影響で、社内報のWeb化が進んでいます。Web社内報やアプリ社内報について調べているとよく目にする言葉で、覚え間違いしている人が多い言葉が、コレです。たった1文字で、意味が全く変わってしまいます。

レスポンシブ【responsive】
意味:パソコンやタブレット、スマホなど、異なる画面サイズの幅でもWebサイト表示を柔軟に調整し、最適な表示にすること

 

レスポンシブ【responsible】
意味:責任ある、責任が重い、信頼できる

 「Web社内報を始めるなら、スマホでの閲覧を考えて、レスポンシブ対応は欠かせません」なんて載せてしまったら、意味不明な文章になってしまいます。この言葉を使うときは、ご注意を。

 そしてこちらも、IC関連でちょくちょく登場するまぎらわしい言葉。

ロイヤティ【loyalty】
意味:忠実、誠実、企業に対する愛着心

 

ロイヤティ【royalty】
意味:著作権(使用料)、商標権(使用料)、特許権(使用料)
※「王位」といった意味もありますが、カタカナで表記される場合は主に「著作権や商標権への対価」の意味で使われることが多いようです。

 これも1文字違うだけで全く意味が変わります。字面の印象ではなく言葉の意味を深堀りして理解し、正しく使うようにしましょう。

次は正しい使い分け。間違えやすいので要注意

 ここからは、社内報の企画によく登場する言葉で、間違いやすいものをピックアップしていきます。問題の赤字部分は、どちらの漢字が正しいか、わかりますか?

追求/追及

【問題】わが社は多様性の実現をついきゅうして、これまでさまざまな施策を行ってきました。

【正解】追求
「追求」は追い求める。「追及」は追いつめる

動線/導線

【問題】リニューアルしたWeb社内報では、閲読しやすいコンテンツをめざしてどうせんに工夫を凝らしました。

【正解】導線
誤変換しやすい文字なので注意

受賞/授賞

【問題】入社5年目に社長賞をじゅしょうしたことが、一番の思い出です。

【正解】受賞
」は賞を受けること。「授賞」は賞を授けること。正反対の意味になります

回復/快復

【問題】病気療養中だった工場長がかいふくし、元気な姿を見せてくれたのが、みんなの励みになった。

【正解】快復
「回復」は一度悪い状態になったものがもとの状態になること。「快復」は病気が治ること

特徴/特長

【問題】10年の歳月をかけて開発したこのサービスのとくちょうは……

【正解】どちらも正解
「特徴」は特に目立つ点。「特長」は特にすぐれている点。文章の意図により使い分けるのが正解

配布/配付

【問題】役員会議が始まる前に資料をはいふすることを忘れないように。

【正解】配付
「配布」は多くの人に配ること。「配付」はあるモノを「特定の人々に配る」こと

意思/意志

【問題】失敗続きで落ち込む私に、いつも優しくしてくれた先輩に報いたい。その思いから、「いつか必ずMVPになる」といういしが生まれました。

【正解】意志
「意思」は何かをしたいという思い。「意志」は何かを成し遂げようとする、強い決意。

 そのほかにも気をつけたい漢字はたくさんあります。意味の違いを知ると校正ミスに気づきやすくなるので、調べてみてくださいね。

■「過少」と「過小
■「異常」と「異状
■「制作」と「製作
■「清算」と「精算

■「脅威」と「驚異
■「改訂」と「改定
■「適正」と「適性
■「喝を入れる」と「活を入れる

使い方間違い……、すでにやっているかも?

 間違いを指摘されても「え?何がいけないの?」と思ってしまいそうな言葉もあります。次に示す例がそれです。

愛想を振りまく

 正しくは「愛嬌を振りまく」です。「愛嬌」を辞書で調べると、“人に好かれるような愛想や世辞”といった内容が書かれているので、意味的には大差ないのかもしれませんが、日本語として正しいのは「愛嬌を振りまく」です。しかし「愛想がいい」は問題なし。……日本語は難しいですね。

押しも押されぬ

 「中途入社のAさんは、すぐに押しも押されぬエース営業マンに成長した」というように使ってしまいそうですが、正解は「押しも押されもせぬ」です。
 ちなみに、似た字面の言葉に「押すに押されぬ」があり、「押しも押されもせぬ」と同義です。同じ意味を持つ2つの言葉がいつの間にか混じり合い、「押しも押されぬ」という表現が自然発生したのかもしれませんね。

過半数を超える

 これこそ、「何がいけないのかさっぱりわからない」と思う方が多そうですが、正確には「過半数に達する」「過半数を占める」です。「超える」を使うなら「半数を超える」が正解となります。

足下をすくわれる

 これもブーイングが聞こえてきそうですが、誤用です。正しくは、「足をすくわれる」。「下」は不要なのです。意味は御存知の通り、「すきをつかれて失敗させられる」です。近年は「足下をすくわれる」と使う人のほうが多い*ことを考えると、いつの日かこちらが正しい日本語に置き換わるのかも!?
*「平成19年度 国語に関する世論調査」(文化庁)では、「足下(足元)をすくわれる」の使用者が74.1%、「足をすくわれる」は16.7%となった。

老体にむち打つ

 正しくは「老骨にむち打つ」です。2021年4月から施行された改正高年齢者雇用安定法により、定年延長が進みそうなこれから。年老いた身を奮い立たせてミッションに取り組む様子を想像すると、「老体」より「老骨」にむち打つほうが辛そう、と思うのは筆者だけでしょうか……。


 今回は、ICや社内報に潜む言葉のトラップを採り上げてみました。さて、ここで問題です。今回の記事中に、あえて誤表記を紛れ込ませてみたのですが、お気づきでしょうか? この表記も間違えやすい例の一つですので、ぜひ見つけ出してくださいね。正解は、この記事の一番下で!

 

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★誤表記の正解 >>>深堀り」(1ブロックの最後の文章内)。正しくは「深掘り

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