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ICの積極活用で理念経営を推進 規模拡大による問題にも対応

近年、インターナルコミュニケーション(以下、IC)を経営に積極活用する企業が増えています。コロナ禍により働き方の変容は加速し、その影響で社内のコミュニケーションは停滞、エンゲージメントは低下傾向という状況に加えて、終身雇用制度の崩壊、副業解禁といった時代の変化もあり、社員との関係強化は経営の最重要課題となっているのです。

実際に、IC施策で課題解決に取り組んでいる企業は、経営戦略としてICをどのように駆使しているのでしょう。それを伺うインタビュー企画「経営とIC」がスタートしました。第1回は、エン・ジャパン株式会社 ブランド企画室 広報の責任者である清水 朋之さんにインタビュー。お話から見えてきたのは、明確な目的のもとでIC施策を展開し、効果を出すことが、経営に大きく貢献しているという事実でした。

経営の意思決定をダイレクトに受け、施策に取り組む

――貴社のIC施策といえば、オープン社内報の「en soku!」やYouTube社内報「しみねーのWelcome エン・ジャパン」が有名です。今実施している主なIC施策には、どのようなものがありますか。

清水:動画を使ったTOPメッセージや、One on One、バーチャルオフィス、キックオフイベントがあります。社内報も併せ、各施策を簡単に説明します。

エン・ジャパンのIC施策

TOPメッセージ:代表取締役社長の鈴木 孝二が、動画で経営状況や理念を解説する「スズタイムズ」。隔週実施。

代表取締役社長の鈴木氏が隔週で、経営状況や理念を動画で解説
代表取締役社長の鈴木 孝二氏。隔週で、経営状況や理念を解説する動画を配信

 

社内報
オープン社内報の「en soku!はエン・ジャパン社員の日常や社内イベントをありのままに届けるWeb社内報。毎日更新。

オープン社内報の先駆け的存在として有名
オープン社内報の先駆け的存在として有名

 

YouTube社内報しみねーのWelcome エン・ジャパン」は、エン・ジャパンで働く社員の素顔を公開し、社内のさまざまな職種・仕事内容、キャリアの積み方を伝える。毎週1~2本公開。

清水さんがMCを務める。こちらもオープン社内報
清水さんがMCを務める。こちらもオープン社内報

 

One on One:「Peer-Trust(ピアトラスト)」というアプリを使ったポジティブOne on One。職場で働く仲間の働きぶりを認め、称賛し合う仕組み。

 

バーチャルオフィス:自分のアバターでバーチャルオフィスに出勤。画面上に表示されるサークル内にいる人同士は、リアルな会話ができ業務の相談も気軽にできる。コロナ禍となり部署単位でスタートしたが、現在は全社的に活用され、バーチャル本社化している。社内報と同レベルの重要施策と位置づけ。

サークル内にいる人は、リアルタイムの会話ができる
下の方にあるサークル内にいる黄緑マークがついた3人は、チャットはもちろん直接リアルタイムの会話ができる

キックオフイベント:3カ月ごとに開催。経営方針の共有、メディアや外部からの評価といったトピックスの共有、そして社長賞の表彰。これらがメインイベントとなる。かつてはリアル開催だったが、現在(2022年1月時点)はフルオンラインで実施。

 私が所属するブランド企画室の室長は常務取締役で、会長、社長とともに経営方針を決めるメンバーです。なので、ブランド企画室は経営層と直接コミュニケーションをとりながらIC施策を進めています。

 といっても、ブランド企画室だけですべてを、というわけではありません。社内報はブランド企画室が全面的に担当していますが、バーチャルオフィスとキックオフイベントは総務部が主導し、私たちはそれらの浸透や運営の一部を担っています。自分たちで社内広報を行いながら、他部署と連携して、さまざまな施策の周知や浸透を進めていくのが、ブランド企画室の役目です。

目的は、「社員の所属意識、自社へのロイヤルティの向上」

――経営層の意向をダイレクトに汲み取りIC施策に取り組むお立場なのですね。貴社におけるIC施策全体の目的は、どんなことでしょうか。

清水:一番は「社員の所属意識、自社へのロイヤルティの向上」です。2000年に創業した弊社は、おかげさまで順調に成長し、この10年で急拡大しました。私が入社した頃は、社員数は約700人でしたが、現在はグループ会社を含めて約3,000人が働いています。

 これはとても喜ばしいことではありますが、急拡大による弊害も出始めました。エンゲージメントの低下と、社員(特に入社年次の浅い社員)の自社ロイヤルティの低下です。

 700人規模の頃は、「エン・ジャパンの社風が好き」「提供しているサービスに価値を感じる」「ここで働いている人が好き」など、多くの社員の中に自社に対する愛着がありました。当社は採用面接で経営理念をしっかりと伝え、それを理解する人に入社していただいているので、みんな同じ目標を目指して仕事をしている一体感があります。仕事に対する価値観が同じ人々の集まりなので、とても居心地が良い会社なのです。

おなじみの「しみね―」キャラとは別の表情で語る清水さん
おなじみの「しみね―」キャラとは別の表情で語る清水さん

 それが、企業規模の拡大とともに事業が増え、社員も多様化したことで、それまでのようにWeb社内報や3カ月に1度のキックオフイベントだけでは、継続的に経営理念を浸透させていくことが難しくなってきました。

 大切なことを伝えるツールが、当社の社員にマッチしなくなってきたということもありました。例えば社内報。ミレニアル世代、Z世代にとっては、Web社内報ですら関心を持ってもらいづらい。どうすればもっと関心を持ってもらえるか……、と頭を悩ませていたところに、コロナ襲来。社員同士のつながり、人とのつながりが魅力のエン・ジャパンなのに、人と人が分断される事態になってしまったのです。

 以前からICに力を入れてはいましたが、この問題のインパクトが大きいことで、一層重視するようになりました。

――先ほどご紹介いただいた施策の中で、「ロイヤルティの低下」を特に意識したものはどれでしょう。

清水バーチャルオフィスです。コロナ禍となり多くの業務をいち早くオンライン化しましたが、オンラインでのコミュニケーションは、テキストか電話、もしくはZoomなどの会議システムがほとんどですよね。慣れている人同士ならよいのでしょうが、入社したての若手社員が、ちょっと聞きたいことがあるからといって上司に電話するのは、かなりハードルが高いと思います。チャットは気軽ですが、文字ゆえの行き違いも起こりがちです。そこをケアできるのが、バーチャルオフィスです。リアルに出社しているように、「先輩、ちょっといいですか?」「ん?どうした??」という会話ができて、コミュニケーションが生まれます。この小さなコミュニケーションの積み重ねから、ロイヤルティや所属意識が醸成され、エン・ジャパンで働いていく未来やキャリアイメージを描けるようになると考えています。

――採用・育成のコストや、企業風土の醸成面から、若手の離職防止を経営課題にする企業は多いようです。

清水:わかります。特に当社は採用・転職支援サービスに加え、社員の活躍・定着支援のサービスも提供する企業 ですから、当然ながら、自社の社員定着施策は最重要課題となっています。

――数あるIC施策の中から、エン・ジャパンらしさが光るものを挙げるとすると?

清水:「しみねーのWelcome エン・ジャパン」……と言いたいところですが(笑)、実際は、施策によって目的や伝わり方が異なるので、一概には言えません。経営理念の発信力については、やはりTOPメッセージ動画の「スズタイムズ」やキックオフイベントが一番大きいです。そこでコアな部分を伝えたら、次はしみねーのWelcome エン・ジャパン」や「en・soku!」で浸透の部分を補完する、という役割分担ですね。社長が発信する理念――人間成長や主体性・変革性、目標必達性――を聞いた社員は、「それってつまり、何をすればいいの?」と思いますよね。その答えを伝えられるのは、実際に体現している社員です。「しみねーのWelcome エン・ジャパン」が社員をゲストに呼ぶ形式にしているのは、そのためです。トップが発信する理念を仕事に落とし込んでいる社員の姿をわかりやすく紹介することで、腹落ちさせていくのが、「しみねーのWelcome エン・ジャパン」の役目です。額縁に入った企業理念を見ただけで、多くの社員が腹落ちして体現するなんてことは、あり得ませんからね。

社員とともに経営理念を創るという、究極のICを実施

――額縁に入った企業理念。耳が痛い会社も多いかもしれません。お話を伺っていて、IC施策全体の目的の背景には「経営理念の浸透」があるように感じました。

清水:それは大前提としてあります。当社は日本の上場企業では珍しいほど、理念を経営や働き方に強く紐付けている会社です。理念が明文化されていて、それを行動指針に落とし込んで社員が働いているので、経営理念の体現が評価にもなります。逆に言えば、理念浸透がうまくいかないと、社員の働き方や、仕事の目標・目的という共通認識が持てなくなり、経営に支障が出ます。

 と同時に、共創型理念経営も実践しています。理念をただ掲げるのではなく、社員とともに創っていくスタイルです。時代やサービスの変化、市場のニーズに合わせて細かな表現を変更したり、単語を差し替えたりと、社員からの提案で理念が結構変わるんです。大きな変更があるときは、そうなった経緯から仕事への落とし込み方までを、トップ自らが説明し、体現して、全社員に示していきます。

――社員とともに理念を変え、新たに創り上げるというのは、どのような方法で?

清水:一つは、代表取締役会長の越智 通勝と直接やり取りできる「越智塾」で、直接提言すること。例えば、「今の理念は時代にミスマッチだ」「この文言では入社1年目の若手には伝わらないのではないか」といったことを、直接会長に伝えます。

 会長は「立ち止まっていてはダメ。常に変化していないと発展はない」という信念を事あるごとに発信し続けています。アップデートすることでマーケットに最適な理念を創り上げる姿勢は、年度スローガンに特に色濃く現れます。そして、そのスローガンを体現する社員にしっかりとフォーカスしていくのが、ICの役割だとの考えです。会長のこのスタンスは、創業当時から不変です。 

 そのほかにも、社員が毎日書く日報も、意見発信のツールです。社員同士はもちろん、管理職の社員や経営者も日々の日報を確認し、経営における意志決定の参考にしています。

――社員とともに経営理念を創っていくというのは、究極のICですね。これまでのお話を総括して、貴社におけるICは、経営上、どんなメリットがあるとお考えでしょう。

清水:次の3つが挙げられます。

IC施策のメリット

1. 生産性の向上
2. 定着率の向上
3. 企業ブランドの醸成

 今、特に効果を実感しているのは「生産性の向上 」です。仕事で「ちょっと誰かに相談したいな」と思った時に、「……なんか、聞きづらい雰囲気だなぁ」とためらったり、「苦手な先輩だから、聞くのはやめておこう」と疑問を放置したりしたら、ミスにつながりますよね。そこから悩みが生まれて、仕事が手に付かないような状況になるかもしれません。逆に、すぐに質問して疑問を解決する、あるいは、悩みを相談できるほうが、生産性はアップします。そうしてコミュニケーションをとりながら先輩たちの働く姿を見ることで、当社の企業理念を実感し、理解し、ロイヤルティを上げていけば、定着率も上がります。

 実際に、コロナ禍を機に始めたポジティブOne on Oneは、スタートしてから1カ月でグループとして前月比約110%アップという結果が出ています。

――コロナ禍により変化した働き方や企業のあり方は、今後どこに向かっていくのか、先行きは未だ不透明です。そんななかで、IC施策の次なる打ち手について、どのようなプランをお持ちですか。

清水:企業規模が急拡大したとき、経営層からブランド企画室へとIC施策の担い手が広がったわけですが、今後ますます規模が大きくなると、ブランド企画室だけでは対応しきれないことが出てくると予想しています。各部門、各部署にICを担うメンバー、つまりICP(インターナルコミュニケーション・プロデューサー)的活動をする人材を育てていかなければなりません。その実現のために、積極的に働きかけていくつもりです。

 すでに、当社最大の部署である「エン転職」部署には、 CCO(チーフコミュニケーションオフィサーという役割が立ち上がり、社員同士のつながりをより強固にするというミッションのもとでがんばっています。経営層やブランド企画室が発信したことを、各部署のICPが現場に浸透させていく、あるいは、現場からのアイデアを経営層に伝える。そういったハブ的な役目となるICPをたくさん育てていきたいですね。

――貴重なお話をありがとうございました。

 

  • プロフィール
    エン・ジャパン株式会社

    ブランド企画室 広報  責任者
    清水 朋之さん
    2014年に新卒でエン・ジャパンに入社。企業の中途採用支援を4年間行ない、2018年に広報へ異動。現在は自社の各サービスのPRのほか、採用広報、Web社内報「en・soku!」の編集・執筆を行なう。2019年に新たな社内報としてYouTubeチャンネル「しみねーのWelcomeエン・ジャパン」を立ち上げ。メインMCを担当している
    企業URL:https://employment.en-japan.com/

[編集部PickUp]
●編集部訪問でも取材させていただいています
書き手は計280人、社内外に毎日発信するWeb社内報 (エン・ジャパン株式会社)

●社内報を進化させるために、ICやICPについて知ろう!
ICって何ですか? ICP って誰のこと??


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