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社員のリアルな声を届ける誌上版 “深夜ラジオ”(株式会社UACJ)

プレゼンをしてくださった、 社内広報担当の浅香 梢さん
イベント3日目に行われた株式会社UACJ様の事例発表。スタジオに来場してプレゼンをしてくださった、同社経営戦略本部 コーポレートコミュニケーション部 社内広報担当の浅香 梢さん

2020年10月6日(火)~9日(金)に開催した「社内報アワードONLINE EVENT 4DAYS」では、上位入賞を果たした優秀企業10社による、社内報制作の事例発表を行いました。「社内報ナビ」では、各社の発表内容を紹介していきます。

第8回は、株式会社UACJ様。「社内報アワード2020」では、紙社内報部門 特集・単発企画8ページ以上で、グランプリに輝きました。会社の「再生」を期して企画された特集「オールナイト☆UACJ」は、従業員の本音にとことん迫った力作。その制作秘話と、今後に向けての抱負を社内広報担当の浅香 梢さんが語ってくださいました。

「融合」をテーマに『ALUMINIST』創刊

 アルミニウムの製造・販売を手がける当社は、旧古河スカイと旧住友軽金属が統合し2013年に創業した、まだ若い会社です。8年目を迎えた現在、拠点は世界10カ国、従業員数は約1万人に及び、主力商品のアルミ飲料缶用板材のシェアは、日本で50%以上を達成しています。

 伝統ある2社の統合(古河スカイは、古河電工のアルミ部門とスカイアルミが合併した会社のため、実質3社)ということで、創業時に最大の課題となったのは、融合をスムーズに進め一体化を実現することでした。そのためのツールとして、グローバル報『ALUMINIST』を創刊。最初の2年間は「融合の推進」、3〜5年目は「グローバル化の推進」、そして6年目からは、「課題の見える化」と従業員の声に耳を傾けることをテーマに制作を行なってきました。

グローバル報『ALUMINIST』は、発足以来、明確なテーマを掲げて編集してきた
グローバル報『ALUMINIST』は、発足以来、明確なテーマを掲げて編集してきた

 また、4年前からはニュースを中心としたWeb版も始めていますが、リモートワークの導入など働き方が大きく変わる中、さらなる充実が必要だと判断し、昨年10月にリニューアルを敢行。その中で動画も積極的に活用しています。

突きつけられた厳しい現実

 今回、高い評価をいただいた作品「オールナイ︎ト☆UACJ」は、2019年6月に掲載した全10ページの特集です。企画した背景には、統合の影響がもたらした、ある「危機」がありました。一般的に統合は、プラスの効果も高い反面、企業文化が合わないなどマイナスに働くことも少なくありません。また、すぐに影響が出ることばかりでなく、時間が経って表面化するケースもあります。

 当社の場合、決してうまくいっていなかったわけではないのですが、社内のあちこちに、声に出せない小さな不満や疑問がくすぶっていたようで、年を追うごとに大きくなっていました。当社グループ報では、年1回ESサーベイを行なっているのですが、そこでも「違和感」が感じられる言葉や数字が目につくように。そしてついに、明確な形となって現れます。2018年度の経常利益が対前年比68%減と大幅に落ち込んだのです。統合から6年目のことでした。       

ねらったのは、「ガス抜き」と「課題の見える化」

 「これはなんとかしなければ」。そう考えた私たちは、グローバル報でできることは何か、どんな特集を組むべきなのか、何度も議論を重ねました。その中で飛び出したのが、当時の編集長が放った「今、お茶を濁すようなことをやっても仕方がない。会社を変えるような特集にするべきでは?」という言葉。

当時の編集長の英断に、編集部員の心に火がついた!
当時の編集長の英断に、編集部員の心に火がついた!

 その一言に大いに共感した私たちは、従業員が現在の会社や仲間に対して感じている生々しい「本音」を炙り出す企画を立てることに。スローガンは「やっちゃえ、ALUMINIST」。これをもとに、「楽しく読める」「共感できる」「モチベーションが上がる」の3点を編集方針として設定しました。以下は、その具体策です。

編集方針を実現するための具体策

  1. 「楽しく読める」ための工夫
    設定は「深夜ラジオ」
    本音が出やすい夜の時間帯。アンケートをリスナーの葉書として扱い、ちゃんと本音を聞いている、という風に演出。
    DJは新キャラ「ウマレかえる」
    ちょっとトボケた脱力系のオリジナルイラスト(カエル)にすることで親しみやすさを演出。会社を変えるための特集であることをネーミングで示唆した。
    魂は細部に宿る
    「一旦CM!」「リクエスト曲をどうぞ!」など一見どうでもいいことを大事に。企画倒れにならないよう徹底的に細部にこだわった。

  2. 「共感できる」ための工夫
    アンケートは大胆に編集
    多くの回答の中から、「今会社に必要なこと」を厳選して掲載。メッセージがブレないようにした。
    良い声も悪い声も掲載
    共感を呼ぶためには、良い声ばかり載せてもダメ。あえて耳の痛いことも掲載し、波紋を広げることをねらった。
    「ウマレかえる」が話し相手
    せっかく聞き出せた本音。「ウマレかえる」が「わかる〜」とあいづちを打つ形にして、受け止めてもらえた感覚を味わってもらうようにした。

  3. 「モチベーションを上げる」ための工夫
    新しいプロジェクトを紹介
    掲載号は、新しいプロジェクトが始まったタイミング。その旗振り役をゲストとして招き、実際に課題に立ち向かっている姿をわかりやすい言葉で伝えた。
    全員参加型
    会社をより良くしたいと思っている人が構造改革に参加できることを伝えることで、自分ゴト化の後押しとした。
    次号へ続く……
    この特集1回で終わりにするのではなく、次号では「本当に改革をやってみた!」という企画を立案。ムーブメントの後押しを企んだ。

 ねらいとしたのは、本音を炙り出すことで、従業員の中に溜まりに溜まったガスを抜くことと、漠然としていた課題の見える化です。その結果として、「違和感」について忌憚なく語り合える雰囲気をつくり、始まったばかりの会社の未来を考えるプロジェクトをバックアップすることをささやかな目標としました。

新キャラがリードする、UACJの「Reborn」

 本企画に掲載したたくさんの声は、恒例のグループ報のESサーベイから拾っています。毎年グループ報への基本的な質問に加え、年度の編集方針に沿って質問内容を変えていますが、今回は本企画のために会社の問題点を浮き彫りにするような設問を考え、数も例年より多く用意しました。

 誌面構成は、以下の通りです。

誌面構成

1ページ:トビラ
「ウマレかえる」がノリノリのDJ調で企画の趣旨を説明。「UACJグループ従業員限定紙ラジオ みんなの声、全部聞かせて!」とわかりやすいサブタイトルも掲載。

トビラページ。深夜ラジオの雰囲気を上手に表現
トビラページ。ちょっと懐かしい深夜ラジオの雰囲気を上手に表現

 

2〜3ページ:「私がUACJオススメできないワケ」
会社のマイナス面について語られた言葉を、飾ることなくそのまま伝えた。

ここで紹介するためには一部ボカシ加工が必要なほど、社員の本音が満載
ここで紹介するためには一部ボカシ加工が必要なほど、社員の本音が満載

4〜5ページ:「UACJの変えたいトコロ」

DJとのテレフォンインタビュー形式で「変えたい部分」に関する声を紹介。下段には、前ページで紹介しきれなかった声をできるだけ掲載した。

こちらのページも、要ボカシ加工。それほど、社員の心の声を正直に伝えている
こちらのページも、要ボカシ加工。それほど、社員の心の声を正直に伝えている

6〜7ページ:「Reborn UACJ!」

現実を受け止め立ち上がった構造改革のメンバーに「ウマレかえる」がインタビュー。右には、他社様の改革事例を取材して掲載。

インタビュアーが「うまれカエル」という設定
構造改革担当者へのインタビュアーも「ウマレかえる」。細かい設定までとことんこだわり抜いた

8〜10ページ 「ラジオの付録」

 グループ報への意見とそれに対する編集部の回答を付録として掲載。本題とすみ分けるために、デザインを横向きにした。

付録まで、オールナイト感を演出
付録まで、オールナイト感を演出

 企画の性質上、文字がぎっしり詰まった誌面ですが、先に述べた「楽しく読める」工夫が奏功したようで、読者からの反応は大変良く、ちょっと恐れていた役員からの評価も概ね良好でした。

 賛同いただけた理由は、「臭い物に蓋をするのではなく、現実を見つめ、発信すべきことをしっかり伝える」というコンセプトを貫けたこと、そして意見の羅列で終わることなく前を向ける方向で締めたことの2点にあるのでは、と分析しています。

風通しの良い会社を目指して、「まっすぐ、進め」

 最後になりますが、当社のインターナルコミュニケーションの考え方をお伝えします。大切にしているのは、以下の4点です。

インターナルコミュニケーションで重視するポイント

最新の情報から会社に必要なネタを厳選
情報をキャッチするアンテナをたくさん持つことが大切。コロナ禍により、以前あった編集員制度を復活させることも検討中。

スピード感を大切に
年間計画はつくるが、その時々で大事なことを伝えるために、必要に応じて変更も。

社外とのコミュニケーションは命
社内だけを見ていては、会社の良いことも悪いことも見えにくい。社外とのつながりを大事にし、従業員にプラスになることは他社様にご協力を仰ぎ発信する。

感謝の気持ちを忘れない
当たり前のことだが、社内報は従業員の協力があってこそ成り立つもの。今後も第一に考えていきたい。

 2019年、構造改革をスタートした当社ですが、続いて2020年2月には新理念と新たなUACJウェイが発表され、風通しの良い会社を目指していくことが決まりました。

 それに伴い、昨年春から『ALUMINIST』もリニューアルし、編集長も交代しました。新生『ALUMINIST』のコンセプトは、「まっすぐ、進め」。新理念実現への道はまだ始まったばかりですが、この言葉通り、従業員をまっすぐ導くような誌面にしていきたいと思っています。

 そのために必要だと考えているのは、「何事も挑戦心を持って取り組む」こと。新たに策定されたUACJウェイの一つに「好奇心と挑戦心」という言葉があるのですが、『ALUMINIST』自身がそれを体現する存在であり続けたいと思っています。

 

  • グローバル報『ALUMINIST』概要      
    創刊:2013年
    発行部数:7,500部
    仕様:A4判、4色、24ページ
    発行頻度:隔月

  • Web社内報『web ALUMINIST ONLINE』
    開始:2017年
    主なコンテンツ:ニュース Topics,動画
  • 会社情報
    URL: https://www.uacj.co.jp/

 


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