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[お悩み相談]デザイン・レイアウト「まずはこれだけ!」心得5つ(紙媒体編)

「社内報ナビ」は、社内報担当の皆さんのお悩み解決をお手伝いします。あなたの疑問やお悩みを、お問い合わせフォームよりぜひご連絡ください!

[お悩み]

デザイン・レイアウト入門はじめの一歩を教えて

異動で、全く畑違いの部署から急に社内報担当に。企画や文章なら今までの経験が生きる面もありますが、正直、デザインやレイアウトには苦手意識しか…。取り急ぎ、今すぐ気をつけられる「最小限、これだけは心得ておくべし」のポイントを教えてください!

[お答え]

すぐ実践できる手順を知って、肩の力を抜きましょう♪

デザインを外部に委託する企業も増えましたが、プロに任せる・任せないにかかわらず、担当編集者たるもの、自ら考えた企画を読者にきちんと届けるための最終イメージは、思い描けるようになりたい…という「企画の具現化」のお話は、ハードルが高いのでまた今度にして、今回はすぐ実践できる手順・テクニックをご紹介しますね。

心得1:台割は見開きを意識しつつ考える

 企画と台割を考えるとき、Excelに文字を打ち込みつつ作業する方は多いと思います。このとき、表紙をp.1、次の見開きをp.2-3とするなら、右綴じでも左綴じでも「偶数ノンブル+奇数ノンブル」が見開きになりますよね。ですから、見開きにしたい企画を「奇数+偶数」とはできません。

「えっ、そんなことするわけないでしょう?」と思われるかもしれません。

 …でも、私自身も何度かそんな台割をいただいて、再検討をお願いした経験があります。社内報担当数年目の方でも、うんうん唸って迷ってパズルのようにあれこれ組み替えるうちに、つい考慮がもれる「あるある」の凡ミスなのです。

左:Excel台割表例→Download 右:PowerPoint見開き展開図例→Download

 

 あらかじめ、台割考案用のExcelで、見開きがすぐ分かるよう工夫しておくだけでも、ミスは防げます。しかし今回は「入門はじめの一歩」ですから、[台割は「企画一覧リスト」として考えるより、総ページ数分見開きの展開図を並べた「見開き図」状態で考えよう]と提案します。

 というのも、企画一覧リストとして文字で考えるより、誌面イメージに近い形で、ビジュアル込みで考えたほうが、伝えたいことのボリュームや見せたい写真など、いろいろと思い描きつつ進められるからです。冊子全体の大まかな構成や流れを、思いのまま手描きで入れ込みながら、ぜひ練り上げてみてください。

心得2:コーナーのメイン素材・サブ素材を決めよう

 台割が決まったら、コーナーごとの見せ方を考えます。

 このとき、料理にもメインディッシュがあるように、コーナーの中でも何をメインで見せたいかを決めておくと、進めやすくなります。集まった材料から選ぶこともありますが、理想は企画立案の段階でメイン素材を決めておくこと。

 例えば、企画テーマを最も的確に表現できる説得力ある写真、イラスト、グラフや図。あるいは、「企画タイトルそれ自体」がメイン素材となることもあるでしょう。

 メイン素材は1点とは限らず、2点を組み合わせることも。メインを決めたら次はサブ。見開きの中でメイン1点、サブ2~3点が決まれば、骨格ができたといえます。

心得3:レイアウトの基本的手順

 コーナーの中のメイン素材、サブ素材が決まり、骨格ができました。次はレイアウトですね。
この初期の段階において非常に大事な作業が、文章量の算出。ラフの段階で、写真・タイトル・リードなどのボリュームをおおよそ決めて、本文の文字量をざっくりとで構わないので、先に割り出しておきましょう。

 「文字量を算出する」という作業は、例えば最もアナログ的に行うとしたら、ラフの要素一つ一つが誌面上で占める面積と、実際の誌面でその面積を埋める文字数を、バックナンバーの文字組みを参考に、数えていく作業となるでしょうか。この作業の効率化のために、担当社内報の一般的な文字組みで、「文字量スケール」を作成することもあるでしょう。

PowerPoint文字組みスケール例(A4見開き/文字サイズ9ポイント/縦組み・横組み)
PowerPoint文字組みスケール例(A4見開き/文字サイズ9ポイント/縦組み・横組み)→Download

 

 慣れないうちはとても面倒に感じるかもしれません。でも、あらかじめこの作業を済ませておくと、後に続く工程(取材・寄稿・原稿作成の依頼、原稿整理、デザイン・レイアウト)が、格段にスムーズになります。工程が後になればなるほど、企画意図と誌面イメージが違ってしまった場合に、軌道修正する手間は重くなってしまうもの。

 完成イメージを、具体的にじっくり思い描いておくのがポイントです。

心得4:コーナーごとのメリハリ

レイアウトのバリエーションは作りつつも、同じ特集が続いている印象を保つ

  デザインのテーマ・モチーフの考え方、1冊の中で各コーナーの個性を際立たせるコツなど、語りたいことは尽きませんが、今回は今すぐ実践できる「手順」「テクニック」をお伝えする回ですから、まずは1つだけ。

 各コーナーの始まりと終わりは、編集者の頭には入っていますが、読者にとってはもちろん知るよしもありません。基本的なことですが、コーナーの区切りは、漫然と眺めている読者にも自然と伝わるように、一目瞭然にしましょう。

 大きな特集など、いくつかの章に分かれて何ページにもわたる企画では、統一したデザインや帯、決まったコーナーロゴを全見開きの柱に入れるなど、パッと見の印象で伝わるのが親切です。

心得5:日ごろからデザイン視点を養おう

日ごろからデザイン視点を養おう

 心得5は、今日始めて今日効果が出なくても、今すぐ実践できる「手順」「テクニック」のうち。難しく考え過ぎず、楽しく心がけましょう。

 はじめは斬新・奇抜を目指さなくても、「読みやすく分かりやすいデザイン」を実現できればいいのですが、それにしてもすぐに勘所が分かるものではありません。「どういうデザインが読みやすいのか、分かりやすいのか」を知るには、まずは自分が「読みやすい」「分かりやすい」と感じているかどうかのセンサーを研ぎ澄ますことです。

 日ごろから何かの誌面を見るときはいつでも、「読みやすい?読みにくい?」「分かりやすい?分かりにくい?」「どの部分がなぜ気に入ったんだろう」「どの部分がどうして見づらいんだろう」と自問自答します。

 そうしてデザイン・レイアウトに関するセンサーを働かせているうちに、「これは素晴らしく考えが尽くされているレイアウト!」と気付き、心動かされる誌面に出会います。それは、その誌面を企てた誰かの意図が、あなたの感性をダイレクトに揺さぶったから。「自分もこんなふうに揺さぶりたい!」と思ったらぜひ、担当社内報の中で叶えてください!


 以上、5つの心得を旨としながら、少しずつ誌面をあらかじめイメージすることに慣れ、イメージどおりの誌面を作る手順に慣れていきましょう。自分のイメージがイメージどおり、またときにはイメージを超える仕上がりで具現化され始めると、社内報企画制作は、やめられないほど楽しくなること請け合いです!

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