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【新春特別対談】2019年はインターナルコミュニケーション飛躍の年! 社内報担当者は、コミュニケーションプロデューサーとして活躍を

弊社社長・浪木(左)と沢渡あまね氏(右)
弊社社長・浪木(左)と沢渡あまね氏(右)

ビジネスを取り巻く環境も社会の問題もめまぐるしく変化する中、新しい年を迎え、インターナルコミュニケーションの役割はどう変化していくのか? その中で、社内報担当者は課題とどう向き合えばいいのか? インターナルコミュニケーション改善のコンサルティングを行うオフィスコミュニケーション改善士・沢渡あまね氏を迎え、弊社社長・浪木と対談を行いました。

2019年は「インターナルコミュニケーション元年」!

浪木 新しい年を迎えました。2019年、インターナルコミュニケーションに求められる役割は、どのようなことだと思われますか?

沢渡 ずばり、「組織の課題解決」でしょうね。私は、2019年はインターナルコミュニケーションがソリューションとしての大きな役割を担う年になると見ています。その意味では、「インターナルコミュニケーション元年」と言ってもいいでしょう。

浪木 それほど、インターナルコミュニケーションの重要性が大きくなる、ということですね?

沢渡 その通りです。ここ数年、組織はさまざまな課題と向き合っています。2016年が働き方改革、2017年は生産性向上、そして2018年からは「エンゲージメント」が注目を集めています。エンゲージメントとは、組織に対する帰属意識や愛着、仕事への誇りといった意味合いです。モチベーションの向上を図り、人と人の出会いで化学反応を誘発し、新しいチャレンジや仕事のやりがいにつなげていく。こうした社内外コラボレーションを重視する企業が増えてきています。

浪木 ポイントとなるのはどういうところでしょうか?

沢渡 エンゲージメントを高めていくためのキーになるのは、「組織内のコミュニケーションを意図的に発生させ、機能させていくこと」でしょうね。

大切なのは、手法、従業員、経営ビジョンのアップデート

浪木 われわれも同様の考えで、社内報を「組織と働く人のエンゲージメントを高めて持続的に企業価値を向上させるツール」と定義しています。

沢渡 持続性にこそ、インターナルコミュニケーションの本質があると思います。コミュニケーションは有史以来の課題ですが、その取り組みの濃淡はといえば、日本の企業ではこれまで、景気やトップの思いで左右されるなど非常にぜい弱なものでした。しかしここ3、4年、「組織として取り組んでいく」「きちんと投資をする」という流れができてきたと感じます。

浪木 インターナルコミュニケーションへの期待が高まるとともに、難度も上がってきていますよね。

沢渡 その通りです。ですから、「アップデート」が求められています。
まず、「手法」のアップデート。これだけデジタルツールが増えている中、紙の媒体だけで役割を果たせるのか、今一度考えてみる必要があるでしょう。

2つ目が「従業員」のアップデート。働く人の意識変革に取り組み、時代遅れにさせないことです。そして、3つ目は「経営ビジョン」のアップデート。そのためには、手を替え、品を替え、景色を替えて取り組むことが重要ですから、社内広報担当部署にはコミュニケーション「プロデューサー」的な役割が、いよいよ求められてくる時代だと思います。

そして、これができるかできないかで、インターナルコミュニケーションが組織の中で価値を出せるかどうか、さらに言えば、社内広報担当者が価値を出せるかどうかが決まってくるでしょう。

熱く語る沢渡氏。
3つの観点でインターナルコミュニケーションの「アップデート」の必要性を熱く語る沢渡氏。

メディアミックスは、取り組む価値のあるテーマ

浪木 さまざまな働き方、職種がある中で、最適なツールというのも会社によって違ってきますよね?

沢渡 どのツールを選んで情報発信するか。それは、会社がどの層を大切にしているのかというメッセージにもなり得ますからね。たとえば、Slack(チャットツール)を使ったインターナルコミュニケーションを始めた会社があります。Slackはエンジニアになじみ深いツールです。同社はエンジニアを大切にしているといいます。情報発信するツールの選び方でもって、会社が誰を大切にしているかを表現しているのですね。

浪木 ツール一つとっても垣間見えますよね。

沢渡 ツールは「組み合わせる」のも一案です。紙で話し合いのテーマを作り、議論や意見はWebに集約するなど、メディアミックスでコミュニケーションを活性化させていく手法は、取り組む価値のあるテーマです。

浪木 ビジネスチャットツールも増えていますね。

沢渡 ある企業でこんな話があります。Microsoft社のSNSツール「Yammer」を導入したところ、書き込みは少ないものの、直接本人にコンタクトを取る人が増えた、と。「書き込み見たよ。私も実はそのテーマ気になっていて……」「今朝のYammerのテーマで相談があるのですが……」。Yammerの書き込みがきっかけで、オフラインの会話や対話が増えた。この効果は、Yammerの書き込みの数やPVだけを追っていても測定できません。ツールだけを見てコミュニケーションの活性度合いを測ろうとしても、見えないものがあるのですね。

浪木 メディアミックスは効果測定が難しいですよね。

沢渡 大事なのは、成果よりも「変化」を追うことです。「最近、チームのメンバーが意見を言うようになった」「挨拶をする人が増えてきた」、これらはすべて「変化」です。機械で数字を追えば成果は測れます。簡単なんですよ。しかし変化を捉え、どの変化を良しとするかは、まさに血の通っている部分。人間が価値を出していける領域だと思います。

浪木 効果測定について、何か有効な考え方はありますか?

沢渡 他部署の課題解決への貢献度合いを測ることは、一つの方策になり得ます。こんな事例があります。社内報で、工場の現場で働く社員に光を当てる特集を始めた。プロのカメラマンとライターを起用し、ビジネス誌の特集のようなかっこいい仕上がりにした。取材を受けた本人からも工場からも大好評。

「自分は良い仕事をしていたんだ」「自分たちの取り組みが評価された」と。やがて、人事部がその記事を採用活動にも使いたいと言ってきた。その会社の工場で働く意義や価値を応募者や内定者に分かりやすく伝えられるからです。この例は、広報部門が人事部門の課題解決に貢献している好事例と言えます。

有機的なソリューションになるために必要なこととは?

浪木 組織が大きくなるにつれ、広報、人事、総務……と、部署は分かれていきます。横の情報流通が十分には機能していない会社も少なくないと思うのですが。

沢渡 働き方改革やエンゲージメントといったマネジメントキーワードも、各部署へバラバラに割り振られていますよね。そこを横断して束ね、課題解決に向けてファシリテートしていくこと。そうしてこそ、インターナルコミュニケーションは有機的なソリューションに飛躍できると思います。

浪木 「巻き込む」意識が大事ですね。

熱弁する浪木
インターナルコミュニケーション担当者は「巻き込む」意識が重要(浪木)

沢渡 巻き込む相手は、他部署、経営、社外の3つです。そうしながら、新しいことにどんどんチャレンジしていってほしいですね。まずやってみる、ということを社内広報担当部署自らが実行すれば、それ自体が、「この会社はチャレンジしていいんだ」というメッセージにもなります。

浪木 社内広報の仕事に、そこまでの意義を感じている担当者はまだ少ないように見受けられます。

沢渡 私から一つ提案です。一度、部内で、インターナルコミュニケーションが価値を出せる領域はどこか、社内のどんな課題を解決できるかというテーマで議論してはどうでしょう。みんなが思うことを書き出し、その上で、どういう手段や価値の出し方があるかをぜひ話し合ってみてください。

浪木 ちょっとワクワクしますね。

沢渡 新しいことに取り組むのは、楽しいことだと思いますよ。個々の成長にもつながりますし、社内広報担当部署の価値も間違いなく上がります。

浪木 それはいいメッセージですね。

社内広報の価値は、「そ」「と」「ほ」の3文字で示せる

職場の問題かるた
職場のさまざまな問題をかるたとしてまとめた「職場の問題かるた」 ※「職場の問題かるた」 技術評論社刊/作:沢渡あまね/CV:戸松遥/絵:白井匠

沢渡 せっかく新年ですから、社内広報担当部署の価値を、私が考案した「職場の問題かるた」で提示してみましょうか。「そ」「と」「ほ」の3枚です。

まず「そ」は外を知らない井の中の蛙たち。広報がこうなってしまったら、先ほどお話しした「アップデート」は担えません。

浪木 これは面白い。

沢渡 インターナルコミュニケーションの柱は2つあって、一つは会社の方向性を伝えて社員への浸透を図るビジョニングですが、もう一つが、迅速なコラボレーションの後押しです。今は、あのトヨタでさえソフトバンクと組む時代。ですから、コラボレーションをどう誘発していくかを考えていかないといけないです。社内と社外のコラボレーション。そこで大切なのが、「と」の札。隣のあの人誰ですか?

浪木 隣の人が何をやっているかも分からない。

沢渡 実感値としては、組織のメンバーが大体30名を超えるとお互いが何をやっているか分からなくなるといいます。30名というと、中小企業なら1つの会社の規模、大企業であれば1部門の規模ですね。ですから社内や部内をつなぐため、何かしらのきっかけを作っていく必要があります。一方、社外のコラボレーションは、他社事例紹介など、コンテンツ面の仕掛けで誘発するのが有効です。

浪木 なるほど。

沢渡 もう一つお伝えしたいのは、社内広報担当者は「代弁者」だということです。従来は経営の代弁者であれば良かったのですが、これからはさらに2つを付け加える必要があります。
一つは、社会の代弁者。世の中のトレンドや、業界の情報などを社員に発信し、社員を「井の中の蛙」にしないようにすることで、社員をアップデートするのです。

もう一つが社員の代弁者。「ほ」の札。本音を言わないメンバーたち。これがいま全国の組織で起こっています。でもこれって、よく考えれば当たり前。人間ですから。会社や上司の前でなかなか本音は言えません。組織の問題や現場の生産性やモチベーションを下げている問題が顕在化しない。これは、生産性やエンゲージメントの低下はもちろん、企業のガバナンスリスクにもなり得ます。人間ゆえの弱みと向き合い、社員が抱えているモヤモヤを代弁してあげることも社内広報ご担当者の仕事です。

浪木 それにはどんな方法がありますか?

沢渡 例えば社内報の連載で外部の人に代弁してもらうのはいかがでしょう。社員がなかなか言えない組織の問題を、客観的に言葉にしてもらう。あるいは座談会などを実施して問題提起する。各社で適切な方法を探り、情報発信やテーマ設定をしていくことが肝要です。

浪木 その発想は大切ですね。

インターナルコミュニケーションのプロを目指して

沢渡 何も取っ掛かりがなければ、何をコミュニケートしていいか分からないですからね。これまでは、日本の組織の多くはコミュニケーションの課題を個々人の「スキル」や「マインド」でしか解決しようとしてこなかった。そうすると、プレゼンテーションがうまい人や、物怖じせず発言する勇気のある人しかコミュニケーションしない。いわば、勇者依存。

しかし、それは組織としてはぜい弱です。極論を言えば、スキルが低い人でもコミュケーションが発生するような組織が強い。そのためには、コミュニケーションが発生しやすいような場やきっかけ、そしてテーマを作る――すなわち、コミュニケーションを「デザインする」発想です。コミュニケーションはスキルではなく、デザイン、もしくはマネジメントで解決しようと私は提唱しています。これができてこそ、インターナルコミュニケーションのプロなんだと思います。

浪木 原点は、人間の弱さと向き合うこと。そして社内広報部門は、コミュニケーションをデザインする、という意識で行動することが重要ですね。

沢渡 そうですね。そして、社内報をはじめとする社内広報ご担当の皆さんにはコミュニケーションデザイナー、あるいはコミュニケーションプロデューサーとしての活躍を期待したいですね。

浪木 素敵なエールをありがとうございます。2019年、社内報づくりに携わる皆さんには、社内報を使ってコミュニケーションを仕掛けていく――そんな意識で、ぜひチャレンジしてほしいですね。われわれウィズワークスも、そうした皆さんを力強くバックアップできるパートナーとなるべく、「アップデート」していきたいです。本日はありがとうございました。

対談終了後の写真
それぞれの思いを共有でき、非常に貴重な機会となりました。

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