社内報、それは経営理念を浸透させ社員のモチベーションを上げるのに欠かせないもの。目指すべき頂上を示し、会社の全容を把握するための地図といえます。しかし、社内報を担当する人たちはその頂を捉えるため、ときには孤独な旅を強いられることも……。
そしていまここにも道を見失い迷える社内報担当者が一人──。
社内報担当になったものの最初は見ているだけでいいよって言われちゃって、結局みんな忙しそうで特に引き継ぎ資料もないし、とりあえず今は過去号を読んどいてって指示されたけどどうしたらいいの〜!
おやおや、めそめそと会社の書庫で社内報の過去号をあさっている女性がいます。
ナビ子ちゃん
社内報担当歴一カ月。
元々の長く勤めていた社内報担当者が異動するため後任に選ばれたものの、社内報は他の業務との兼務なので、なかなか引き継ぎの時間が取れていない。
人が昼寝をしている時に騒がないで!
そもそも次の号はまだ先じゃない!
私しかいないはずの書庫で他の人の声が……!
私の声が聞こえるの?
ハっ!あなたもしかして新しい社内報担当?
な、なんなのこのしゃべる虫は……!
虫じゃない!
私はもやりん。
社内報担当者にしか見えない社内報の妖精だよ。
社内報の妖精〜?
私、あまりにも心細くてとうとう幻覚でも見えちゃったの?
案外いいところついてるじゃない。
私は今までの孤独な社内報担当者のもやもやから生まれたんだ。
それより社内報で何か困っていることがあるんじゃ?
もやりん
歴代の孤独な社内報担当者のもやもやから生まれた社内報の妖精。
社内報担当者以外はもやりんの姿を見ることはできない。
新任担当者のナビ子のもとに現れたが……?
なんだか不穏すぎる存在……。でも幻覚でもいいや。
私、ナビ子。
最近社内報の担当になったんだけど、社内報のことなーんにも知らないの!
この前の会議も聞いたことのない単語ばっかり出てきたし、助けて!
次号までまだ時間があるのに社内報のことを勉強しようなんて根性があるじゃない。
何でも聞きなさい!ちなみに次の台割 は決まっているの?
台割って、レイアウトって意味であってる?
この前の打ち合わせでも出てきたけど、意味をちゃんと聞けなくて……。
次号は特集に力を入れて少しページ数を増やしたいらしいよ。
いつもは全8ページだから……10ページ?
台割は、全部で何ページ作って、どのページにどんな内容を載せるかを決めたもの。
言わば社内報の設計図ってところ。
タイトル・画像・テキストの量や位置を決めたりもするよ。
こんな画像見たことない?
なるほどね!
うちはエクセルで管理してたからこんなに詳細までは決めてなかったな。
でもこんな風に可視化できると完成までにだいたいどれくらいの原稿が必要なのかイメージがつきやすくていいかも!

ちなみに紙社内報だと、ページ数を増やすなら4ページずつになるよ。
例えばA4の社内報だと、A3の紙に見開きで2ページ印刷できるでしょ。
両面印刷すると1枚あたり4ページ配置できることになるの。
それを真ん中で閉じることで、製本するから、ページを増減するときは紙1枚あたりに印刷する4ページ単位で考えることになるよ。
台割も4ページごとで管理してみてね。

そうなんだ……!
分からないことがいっぱいでどんどん不安になってきちゃった。
今までの社内報も正直流し読みしてたし、なんだか荷が重すぎるよ……。

そういう人、結構多いのよね。
でも社内報って今まで読んでない人たちにこそ読んでほしいものだよね。
社内報は発行することが目的ではなくて、社内報をきっかけに社内を活性化して組織課題を解決することが目的なの!
だからナビ子ちゃんが目指すべきは単なる社内報を作る人ではなく、
インターナルコミュニケーションのプロデューサー(Internal Communication Producer)、つまりICP!
ナビ子ちゃんだったら今まで社内報を読んでこなかった読者の気持ちも分かる立派なICPになれるよ!
ほんとかなあ……。
千里の道も一歩から。旅は道連れ、世は情け。
ナビ子ちゃんの長いICPへの旅路にも心強い?味方ができたようです。
次回はつまずきやすい社内報用語を徹底解説!
ナビ子 Note
台割……全体をどのような構成にするのかを見通す設計図。
各ページのタイトル・テキスト・画像の配置や量を決めることも。
ページ数……紙社内報の場合は4ページごとに1枚の紙に印刷される。
ページ数を変更する場合は総ページ数が4の倍数になるようにしよう。
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