「社内報アワード2016」でゴールド賞を受賞した企業に、企画の着眼点や誌面化する際に注意しているポイントなどをうかがいます。連載・常設部門でゴールド賞を受賞した「東日本大震災復興の今」を企画した積水ハウス株式会社に聞きました。
▲左から、広報部 寺澤伸一さん、穴見千佳さん
連載・常設部門ゴールド賞「東日本大震災復興の今」
2011年3月に発生した東日本大震災は、多くの命と人々の生命の基盤である住まいを奪った。積水ハウスでは、震災直後からオーナー様の安否確認や復旧支援、仮設住宅建設等に全力を注ぐとともに、災害公営住宅の建設など、変わりゆく被災地のニーズに寄り添った対応をしてきた。そのような中、2011年5月から社内の取り組みを紹介する「東日本大震災復興の今」というコーナーを連載。全社員に、東北復興支援は自分たちの使命であることを全社員に浸透させることを目的としている。
自分にできることは? を考えるきっかけに
2011年3月に発生した東日本大震災以降、当社はグループを挙げて、オーナー様の支援や仮設住宅の建設、被災地の住宅復興に尽力してきました。
全国の社員へ被災地の現状を伝え、住宅は「命を守るシェルター」であり、東北の復興を推進するのは私たちの果たすべき使命であるということを全社員に浸透させたいと考えていました。他エリアの社員も同じ気持ちで仕事に取り組んでもらえるように、震災発生直後から、連載企画として取り組んできました。
連載では、被災地の復興に携わる社員の想いにフォーカスし、当社の事業の社会的意義を再認識できることを目的としました。2016年3月号は、震災から5年という節目のタイミング。そこで、震災の記憶と復興の取り組みを風化させることなく、社員に「今、私たちにできることは何か」を考えるきっかけにしてもらうことを目指しました。
本号は取材人数が多く、特に沿岸部の拠点はアクセスも悪かったため、取材の調整には苦労しましたが、様々な立場の社員を誌面に登場させることで、当事者意識を持ってもらえるよう心掛けました。
忘れてはならないことを粘り強く誌面化
取材を通して印象的だったことは、取材した全ての社員が、東北の復興を前向きに捉えていること。また、「震災の記憶を忘れないでほしい」と訴えていたことです。そこで見出しや本文でも、そうした想いができる限り伝わるよう心掛けました。
企画を考える際には、「ひと」を主役に据え、バラエティーに富んだ切り口で紹介するようにしています。今号以外では、住宅を再建されたオーナー様の実例や声、携わった社員の想いなども紹介。取材を通じて知り合った人たちと、普段から連絡を取り合い、情報を集め、意見を聞くことも、企画を考える上での大切なヒントとなっています。
社内報『ひと』概要:隔月刊発行/ A4 判/30~34 ページ/全ページカラー
※『コミサポプラス』2016年12月号より転載