『社内報白書2023』で社内報の発行媒体を尋ねたところ、印刷社内報とWeb社内報が同数で1位となりました(複数回答)。Web社内報の導入急増の要因の一つは、CMS(Contents Management System)により誰でも手軽にWebの更新ができるようになったことがあるでしょう。
ただ、手軽な分、CMSでつくった記事は画一的な印象を生み出してしまう傾向があるようです。そうならないためにはどのようなことに気をつければよいのでしょうか?
誰でも手軽に記事の更新ができる!
かつてWebサイトのプログラムの主流だったHTMLは、デザインの自由度が高いことが最大のメリットでしたが、その操作には専門の知識が必要でした。しかしCMSは、専門知識がなくても簡単にサイトの更新ができます。社内報の記事を更新するたびに制作会社や社内の専門部署に依頼しなくても、社内報ご担当者が画面を組み上げることができるというのは、効率面でも経費面でも非常にメリットが大きいと言えるでしょう。企業によっては、社内報ご担当者だけでなく、部署を超えて社内報の記事を書き、速やかにUPするというケースもあり、人的リソースの面でも便利です。CMSはモバイル端末やタブレットでの表示など、簡単にマルチデバイスにも対応できるという利点もあります。
手軽なことが、デメリットに!?
そんなCMSですが、意外な落とし穴があるようです。それは、記事の更新が手軽にできてしまうこと。「え!?」と、矛盾を感じられたかもしれませんね。その意図をご説明しましょう。
手軽にできて、画像のアップロードも簡単。サービスによっては囲みなどのテンプレートも用意されていて、CMSは本当に便利です。便利だからこそ、それに慣れてしまって記事のUP作業がルーティンワーク化し、企画の内容や伝えたいことが置き去りになってしまう……、そんな傾向があるようなのです。もし今、あなたが、Web社内報のPV数の伸び悩みに頭を抱えているのなら、ご自身のUP作業を思い出してみてください。「先頭にサムネイルを配置し、見出しを入れて、記事を流し込む。途中で数点の画像をちりばめたら、完成。そしてUP」という、”お決まりの作業”になってしまっていませんか?
企画の魅力を伝えることに、こだわり抜く!
では、CMSで熱量あふれる企画の発信をするには、どんな工夫をすればよいのでしょう。企画の訴求力を爆上げするためのこだわりポイントをいくつか挙げてみます。
1. タイトル画像(サムネイル)にこだわる
サムネイルはその企画の顔です。それなのに、「インタビューカットにタイトルを乗せたらでき上がり」では、なんとも無個性……。「その企画の魅力を伝える」ことにとことんこだわり、下記の点に留意しながらサムネイルをつくり上げてみてください。
● 文字のフォントは、企画にマッチしている?
CMSは使えるフォントに限りがある場合が多いものですが、
ワープロソフトやレイアウトソフトなどでつくった文字データを合成するという方法もあります。
● できる限り、人物の写真を使う
知っている人が出ていることとクリックしたくなる…という声も社内報ならでは。
できる限り、記事内に登場する人物の写真を入れていけると注目度が上がります。
● 画像は1枚? それとも複数枚を組み合わせる?
トリミングと切り抜き、どちらが最適?
きりっとした顔と笑顔、目線ありとなし、どんな様子が適している?
2. キャッチーなタイトルや見出しを入れる
「●●特集」「●●について」といったタイトルでは企画の魅力が伝わりづらいもの。その企画で一番伝えたいエッセンスをぎゅっと濃縮したタイトルを熟考してひねり出し、大きく提示しましょう。
● サムネイルのテイストとマッチした言葉を選びましょう。
● ここでも文字フォントにこだわり、必要に応じて画像化した文字データを見出しにすることも検討してみましょう。
3. 長めの記事には小見出しを入れる
Webでは短めのテキストが好まれる傾向があるためか、小見出しをつけずに記事を流し込む事例をよく見ます。しかし、適度に小見出しを入れることで記事の中身を理解しやすくなりますし、上手に言葉を選ぶことで読者の興味を引くこともできます。
4. 画像の位置を検討する
記事と記事に画像を挟むサンドイッチ方式に終始していませんか? CMSに画像位置を調整できる機能があるなら、時には左側、右側とメリハリを出してみてください。インタビューカットの場合は、顏の向きや目線が中央に向かう画像をセレクトすることをお忘れなく。
5. 囲みや箇条書きを入れ込む
普段使っているCMSの囲みデザインも、工夫次第で新鮮なデザインになります。囲み内に画像を入れたり、文字のサイズや色を変えたりしてみてください。
6. リンクを配置して、サイト内の回遊率UP
冊子と異なりWeb社内報では、企画ごとに記事を読んでもらうことが多くなります。せっかくサイトを訪れてもらっても、1つの記事しか見てもらえないのでは訴求力に欠けてしまいます。記事ごとにURLを発行できるCMSであれば、記事内に関連する記事のリンクを配置してみましょう。
● シリーズものには前後の回のリンク
● 取材対象が所属している部署(会社)に関連する企画のリンク
● 読者アンケートなど参加型企画のリンク
企画に適したリンクを配置することで、より深く社内報の内容を理解してもらうことができます。
工夫次第で訴求力は必ず上がる!
今回は、CMSの手軽さゆえの落とし穴と、そこに陥ることなく訴求力を上げる工夫について記してきました。本音を言うと、サムネイル画像に寄せて熱い文体にしたかったのですが、「社内報ナビ」のスタイルもあるので自粛しました……。
今のご自身のWeb記事更新作業を振り返り、更新することが第一目的になって無意識のうちにルーティンワーク化しているのならば、この機会にぜひ、企画の意図を伝えるための組み方を再検討してみてくださいね。
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