2022年夏に大好評だった表紙特集を今年も実施。社内報の“顔”である表紙は、手に取って読ませるためのパワーが必要で、ご担当者は皆さま、工夫を重ねているご様子です。
「その頑張りをサポートしたい」と、社内報ナビ編集部がより抜いた魅力的な表紙の事例を今年もご紹介することに。掲載に向けてご協力くださった企業の皆さま、本当にありがとうございました。
※表紙はすべてクリックで拡大します。個人情報保護のため一部にぼかし加工をしています。
従業員登場型：表紙の王道です
自社メンバーが登場する表紙は、社内報では定番中の定番ですが、その中にも各社ごとで表現に工夫が感じられます。
太陽ホールディングス株式会社 『#TAIYO』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：24P
〈ご担当者による解説〉
ブランドステートメントの「楽しい世界は、楽しむ人がつくりだす。」をコンセプトに2021年に「＃TAIYO」にタイトルを変更し、デザインも刷新しました。表紙では、中面で説明している要素を#をつけてピックアップしティザー的に表現しています。これにより、読者からの興味を引くとともに、楽しさが拡散していく様子を表しました。また、構図にこだわり、働く人を大きく扱う表紙の写真は、毎号取材対象者のほか、その家族からも好評です。
林テレンプ株式会社 『HAYATELE NEWS』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：14～20P
〈ご担当者による解説〉
毎号、掲載企画と連動した写真を選定し、季節に合わせた色でまとめています。
2021年、「従業員が主役の社内報」を編集方針として社内報をリニューアル。自社製品をテーマとした表紙から、従業員やご家族も登場する表紙にシフトしました。
従業員同士の顔と名前が一致する会社規模という当社の特徴を生かし、従業員に関心を持って楽しんで読んでもらえるよう、表紙だけでなく中面でもできる限り多くの従業員を紹介しています。
株式会社ファミリーマート 『FAMILY』
◆発行頻度：月刊 ◆ページ数：16P
〈ご担当者による解説〉
「本部と加盟店をつなぐコミュニケーションツール」「加盟店のモチベーションアップマガジン」という発行目的のもと、表紙では、毎月の誌面アンケートで募った出演希望店舗を中心に選定し、取材・撮影しています。見た目が似通らないよう、撮影場所やポーズにも工夫。「夏」「クリスマス」等、季節感の演出も心掛けています。読者からは「表紙の笑顔に元気をもらった！」「私も頑張ろうと思いました」等の声が寄せられています。
株式会社大林組 『マンスリー大林』
◆発行頻度：隔月刊 ◆ページ数：40P
〈ご担当者による解説〉
「人×大林組」をテーマに、若手社員の活力ある表情をコーポレート・シンボルのオブジェと共に撮影することで、人と会社のつながり、仕事の魅力、可能性、社員の個性を表現。「どこだろう？誰だろう？」と思って社員がページをめくってくれることを目指しています。象徴的な撮影場所を選ぶのがポイントで、撮影場所は登場する社員に関係しています。表2で彼らが取り組むプロジェクトなどに対する思いや、意気込みを紹介します。
ブランディング型：自社製品・サービスを想起させる効果あり
製品やサービスを想起させるビジュアルを使って、事業への理解を深めることをねらっています。
日本ガイシ株式会社 『みずほ』
◆発行頻度：月刊 ◆ページ数：12～28P
〈ご担当者による解説〉
2021年度の表紙では、社員に製品知識を深めてもらうための連載企画を実施しました。こだわったのは見た目のインパクトです。製品写真をいつもと異なる角度や配置にし、大きく掲載することで、パッと目を引く新鮮味のある表紙に仕上げました。
この表紙企画は裏表紙と連動企画で、裏表紙では当社ならではの技術のほか、製造工程をイラストで分かりやすく紹介。社内の評判が良かったことから、より活用しやすいように一年分をまとめて冊子にして社内展開しました。
イラスト型：興味を刺激するイラストを活用
製品やサービス、掲載企画を想起させるイラストを使う事例です。そこから伝えたいことは、企業のビジョンだったり、自社に対する誇りや愛着を感じてもらうことだったり、組織課題への理解だったりと、企業によりさまざまです。
濱田重工 『はまゆう』
◆発行頻度：月刊 ◆ページ数：20～24P
〈ご担当者による解説〉
毎号の特集に関連したテーマで、表紙をイラストで掲載しています。弊社は創業120周年を迎えたことをきっかけに、2019年にコーポレートブランドマーク・カラー・キャラクターを一新しました。読者ターゲットは、10～20代の若手社員のため、CIを浸透させるためにも表紙で多用しています。
また、コンプライアンスをテーマとした特集号では、中頁に登場するゴレンジャーを表紙に掲載することで、「硬い、難しいテーマだけど読んでみたい」と思ってもらえるような明るい誌面を目指しています。
日清食品ホールディングス株式会社 『KITCHEN OF THE EARTH』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：32P
〈ご担当者による解説〉
表紙のビジュアルは、一年を通じて1人のアーティストの方にお願いをしています。日清食品グループは、EARTH FOOD CREATOR（食文化創造集団）を企業ビジョンとしています。それを実現していくために、社員のクリエイティビティ、ユニークさなどの感性を刺激したいという思いから、毎年、良質なアーティストを弊社のデザインルームと一緒に選定しています。また表紙はその号の顔です。手に取って、読みたくなるよう特集の内容をテーマに、ユニークなタッチで描いていただいています。
株式会社メイテック 『SYORYU（ショウリュウ）』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：44～48P
〈ご担当者による解説〉
当社は、社員の9割がエンジニアのため、未来の「モノ」や「コト」を生み出すエンジニアの世界をモチーフにデザインしました。製品やサービスとしてこれから世の中に普及していく可能性のあるものをイラストに起用。エンジニアの技術力で世の中を快適にし、社会課題の解決にも貢献していく、というエンジニアの存在意義を伝えられるよう意識しました。そして何より、社員にワクワク感をもって読んでもらえることをねらいとしました。
季節感で興味を喚起型：五感を刺激するビジュアルに工夫をプラス
季節感があふれる楽しく、愛らしい表紙は、それだけで目を奪う効果大。そこに、訴求力のあるコピーや、従業員の姿が加えて、さらに魅力を高めている事例です。
トヨタ紡織株式会社 『Shuttle』『World Shuttle（英語版）』
◆発行頻度：月刊 ◆ページ数：16～24P
〈ご担当者による解説〉
社員に温かみを感じてもらえる明るい表紙を目指すとともに、いきいき働く仲間や一体感を伝えるため社員の笑顔や集合写真を掲載しています。また、特にコロナ禍でイベントの自粛や外出を控える人が多かった時期ということもあり、表紙を通じて季節の移り変わりや風物詩に少しでもワクワクした気持ちを抱いてもらえるようなデザインを心掛けました。四季を感じる表紙は、海外拠点からも日本らしさが伝わると好評です。
リンテック株式会社 『コミュニケーションマガジン「LINTEC」』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：24～28P
〈ご担当者による解説〉
本誌は「自然」をテーマとした表紙を展開しており、季刊誌なので春夏秋冬の季節感が出るよう心掛けています。加えて、当社グループの長期ビジョンが「サステナビリティ経営の推進」を大方針としていることから、‟さまざまな社会的課題に対し事業活動を通じて貢献していく”という思いを込めて、自然環境や生物多様性などをコンセプトに写真を選定。写真に巻頭特集企画ともリンクさせたイメージコピーを添えることで、読者にメッセージを伝えています。
表紙＝企画型：表紙自体を一つの企画として実施
表紙そのものを一つの企画として成立させている事例もあります。ページ数が少ない社内報の参考になりそうです。
阪急阪神不動産株式会社 『Ｈａｎ－Ｆｕｎ』
◆発行頻度：季刊 ◆ページ数：8P
〈ご担当者による解説〉
身近な社員が掲載されていると思わず手に取りたくなりますよね。親しみやすい表紙を心掛け、人柄に迫るコーナーと各地の営業所紹介を写真付きで構成。人物写真は各々ポーズにも工夫いただき楽しさを演出しています。各部署の社員をバランス良く掲載するなど、少ない紙面に工夫を凝らし、会話のきっかけにもなればとの想いで作成しています。また、営業所紹介は、社内報担当が取材に出向き、読者の声を聴く交流機会にもしています。
表紙特集2023ver.は、いかがでしたか？ 表紙の掲載をご快諾くださった企業の社内報ご担当者は、みな、企業の垣根を超えて同じ業務に励む者同士、刺激しあい学びあおうというスピリットをお持ちです。その気持ちが「社内報ナビ」読者の皆さまに伝わり、来年はその方々が手掛ける表紙を紹介できたら……と考えると、ワクワクしてきます。バトンがつながるよう、「社内報ナビ」編集部も日本中の社内報ご担当者とともに頑張っていきます！
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