社内報ご担当者が常に抱えている悩み、それは企画のネタ探しではないでしょうか。「自社の従業員に興味を持ってもらう企画とは?」「他社ではどんな企画を立てているのだろう」と考え続けるご担当者も多いことでしょう。
そんな皆さまに社内報企画のヒントにしていただこうと、弊社が開催している「社内報アワード」に寄せられた数多くの企画事例を、ジャンルごとに厳選してご紹介します。貴社の社内報をより一層充実させるために、参考にしてください。今回のテーマは「拠点・部署紹介」の2回めです。
会社訪問
(イオン株式会社/『AEON PEOPLE』)
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的自グループ各社が展開する店舗、サービス、事業の成果などを紹介し、グループ会社同士の相互理解の深耕につなげる。グループ各社への親近感を高め、一体感を醸成する。
読者ターゲットグループ従業員すべて
内容見開き2ページ。扉側のページに、タイトル・訪問先社名と、案内役のインタビューおよび会社プロフィール。片側ページでは、店舗従業員が業務内容や店舗の活動を、多くの写真とともに紹介。機械的な会社紹介ではなく、その会社をつくりあげる「人」にスポットライトが当たるように工夫。グループ間の異動もあるため、キャリアプランを描く際のヒントとなる役割も担わせている。企業選定では、社会背景とその会社が得意とする業容がマッチするかを検討して決定。
○○新オフィスで業務開始!
※○○○部分は固有名詞のため伏せ字にしています
企画特集(6ページ)/常設・連載/表紙
実施目的社内のある部署が新オフィスに移転。新オフィスで働く人々の姿を通じて、本社・支社の社員たちのモチベーションを上げる。
読者ターゲット主に、該当部署の人々とその家族。さらには、本社・支社で働く人々。
内容扉(見開き)で新オフィスの写真を大きく掲載し、プロジェクト担当者のコメントも紹介。次の見開きでは、パースと、ポイントとなる施設の写真を数多く紹介。最後の見開きで、新オフィスで働く人々の声を採り上げた。
編集担当者が移転説明会から参加して企画化。移転プロジェクトの担当者からじっくり話を聞き、現場に何度も足を運んで、新オフィスのコンセプトを誌面で伝えた。設計の企画段階から該当部署の人々が参画し、自分たちの手で働きやすい職場環境をカタチにしていった新オフィス。そこで働く社員と新たな働き方の実践例を通じて、新オフィスの魅力を紹介すると共に、自社の「働き方改革」の先行事例とした。新オフィスのテーマに合わせて、特集の誌面全体をホワイトを基調としたスタイリシュなデザインに。長くなりがちな文章は見やすい書体にし、オフィスのコンセプトはアイコン化して伝えるなど、視覚的にも工夫を凝らした。
[情報]
イラストで見る工場見学
(株式会社豊田自動織機/『Current』)
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的業容が多岐にわたり、拠点も多いため、工場間のコミュニケーションが課題。社内報の表紙・裏表紙にて、各工場のレイアウトや製品を親しみやすいイラストで表現することで、他工場のことを知るきっかけづくりとした。
読者ターゲット自分が働く工場以外をあまり知らない人。文章を読むことに抵抗のある人。
内容工場内の特徴的な場所・製造工程をシンプルに描き出し、モノの流れやつくっている製品を分かりやすく表現。文字を読まない人も直観的に工場の全容がつかめるようにした。また、ディティールも描き込んであるため、表紙1枚で工場見学をしているような気分になるように工夫。発行月の季節に合わせたアイテム(新緑・花火・サンタクロースなど)も加え、企画に彩りを添えている。色彩や絵のタッチなど、楽しくわくわくする仕上がりにこだわった。
職場ウォッチング
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的世界30カ国以上に拠点が広がったことでコミュニケーションが希薄に。各拠点で働く社員の業務内容や人柄を紹介し、相互理解を深める。
読者ターゲット全社員
内容1見開きに、基本3名(うち1名は役員)を紹介。その部門で働く従業員を採り上げ、ONとOFF(趣味・休日の過ごし方など)を紹介。人柄がわかるようなプライベートの写真を多く掲載することで、拠点・役職・業務を超えた、コミュニケーションの活性化を図った。また、本人とその家族の記念になるように、家族の写った写真も載せている。親しみやすさが好評の長寿企画。グローバル企業ならではの“距離感”を埋めるのに一役買っている。
[メーカー]
支店紹介
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的社員感の相互理解促進と、自社グループと地域とのつながりの強さを感じてもらう。支店の所在地域への親近感を抱いてもらう。
読者ターゲット出向中・休職中を含む全社員およびOB・OG
内容毎回5~6ページを使って掲載。扉は、地元の名所での支店社員の集合写真。その後は号により、地元の特産品や名所旧跡情報、その地域での支店の業務内容を紹介。全国にある支店の中から取材先を選定したら、支店社員にプレ取材し、その内容に基づき情報を収集。地域情報は、市販の観光ガイドブックにならないように留意し、その支店で働いたことがある社員には懐かしい場所や行事を掲載。また、支店ならではの活動も紹介し、社内報らしさを追求している。地元の様子がリアルに感じられるような写真を多用して臨場感を出している。
[金融]
SHOKUBA NO CHIKARA
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的社内にあるさまざまな部署とその役割を知ってもらい、実務や人脈作りに役立てる。紹介される側のモチベーションアップを図り、全社に呼びかけたいことを発信してもらう。
読者ターゲット国内の社員、海外の日本人駐在員
内容見開き・2ページの連載企画。毎回、色味や構成要素を変えているが、扉ページの主役は、紹介部署メンバーの写真と部署名。もう1ページで、部署の業務内容や上長からのメッセージ、部署の自慢などを紹介。普段あまり注目されない部署を採り上げ、そこで働く社員を魅力的に伝えることで、社内各部署の機能の理解とモチベーションアップを図っている。専門的な内容になりがちなので、誌面が硬くならないよう、取材対象者のポーズやデザインを工夫してビジュアルで目を引くように工夫。所属社員の紹介文には、業務に関係ない一言コピーをあえて添えることで、人柄が伝わるようにした。
[システム・サプライヤー]
○○○本部の人材育成
※○○○部分は企業が特定されるのを防ぐため伏せ字にしています
企画特集(2ページ)/常設・連載/表紙
実施目的数年前からスタートした○○○本部の人材育成制度だが、認知度が低いことが課題だった。その取り組みの内容や効果を伝えて、該当部署社員の興味・関心を呼び起こし、新たなキャリア選択の一つとして参考にすることがねらい。
読者ターゲットこの取り組みを知らない該当部署社員
内容タイトルページに、人材育成制度の概要紹介。続いて、制度を利用した社員の声。最後に担当部長の総括。主観的・客観的な視点をバランスよく入れこみ、制度利用者の成長と周囲への効果・影響を訴求した。新たな取り組みは成果の面で未知数ではあったが、経験者自身が効果を伝えることで、取り組みの意義とそこから生まれるシナジーを読者に伝え、取り組みの周知に貢献した。
[メーカー]
違う職場におじゃまします!
企画特集/常設・連載/表紙
実施目的グループ社内の各部署の特徴を紹介することで理解を促進し、グループ報のテーマである「教育」と「一体感の醸成」をかなえる。
読者ターゲットグループ全社員
内容基本は見開きで完結。職場におじゃまする社員がレポーターとなり、知りたいポイントを6つに分けて紹介する。レポーターのオーバーアクションの切り抜き写真で親しみ感を醸し出し、職場の写真は角版中心で真面目な雰囲気に。そのバランスが絶妙で、真面目と楽しさを両立している。社内報やグループ報では王道とも言える部署紹介の手法ではあるが、訪問先部署と接点のない社員がレポーターとなることで、フレッシュな視点で部署の特徴を紹介するのが本企画の特長。読者の代弁者という立ち位置のため、レポーターのコメントを適所で吹き出しで紹介するなど、記事や部署に親しみを持ってもらえるよう努めている。
[運輸]
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