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社内報づくりにおける強力なサポート体制のつくり方

さまざまな業務を進行する社内報担当にとって、強力な手助けになるのが「編集委員・通信員制度」。新しく制度をつくるためには、どのような業務を依頼し、運営すればいいのでしょうか。
委員のみなさんに強力なサポーターになってもらうための方法、その運営のポイントや、Web/アプリ社内報における編集委員の活動について紹介しながら、考えます。

編集委員・通信員制度って……?

 「そもそも、編集委員と通信員は、何が違うの?」と疑問を持つ方も多いかもしれません。かつては、編集委員と通信員は業務が異なっていて、編集委員は企画立案が主な仕事で、通信員は各部門の窓口として原稿依頼や回収などを担当するケースが多くみられました。しかし最近では、呼び方は各社によって違い、業務範囲も企画立案から情報収集、編集実務までさまざまです。まとめて言うならば、「編集部や広報部のサポーター制度」、それが編集委員や通信員制度でしょうか。

編集委員の選定方法を具体的に考えてみる

 では、編集委員・通信員はどのような単位で配置し、どんな業務を、どれくらいの期間でお願いするのがよいのでしょうか。そもそも、どんな人に依頼すれば、効果的なのでしょうか。ポイントを挙げてみたので、貴社の社内報制作に必要なのはどれか、考えてみてください。

どのような単位で委員を置くのか?

  • グループ会社ごと
  • 事業所ごと
  • 事業部ごと
  • 工場ごと
  • 海外事業所ごと
  • 部署ごと
  • 組織に関係なく有志  など……

 

どのような業務をお願いしたいか?

  • 情報収集(トピックスやニュースを挙げてもらう)
  • 人選や原稿依頼
  • 写真撮影
  • ニューストピックスや行事の原稿作成
  • 企画ものの取材と原稿作成
  • 誌面の確認・校正  など……

 

任期はどれくらいか?

  • 情報収集(トピックスやニュースを挙げてもらう)
  • 人選や原稿依頼
  • 写真撮影
  • ニューストピックスや行事の原稿作成
  • 企画ものの取材と原稿作成
  • 誌面の確認・校正  など……
理解者を増やすか、スキルや深さを求めるか。貴社で重要視するのはどちら?
理解者を増やすか、スキルや深さを求めるか。貴社で重要視するのはどちら?

 

どんな方にお願いしたいか?

  • フットワークのいい若手
  • 中堅で人脈がある人
  • 情報が集まる管理職
  • 総務人事関係の人
  • 社内報や企画に興味がある人  など……

 理想は幅広い年齢層で構成すること。若手ばかり、管理職ばかりで偏ると、人選や企画立案にバリエーションが出にくいためです。決まった役職や年次から出す場合は、人脈の広い人、問題意識や好奇心が旺盛な人、コミュニケーション能力の高い人、アイデアやひらめきが豊富な人など、どんな人を選出してもらいたいか、編集部の意向を伝えることも必要です。

通信委員・編集委員制度を動かすポイント

 編集委員・通信員のメンバーが決まったら、実際の活動に移るわけですが、忙しいなか引き受けてくれた方々のやる気が十分発揮されるような配慮を、編集部は心がけましょう。次に挙げるのは、その一例です。

業務として認めてもらうよう、会社に働きかけよう

 編集委員・通信員の仕事はボランティアではなく、「業務」として会社に認められるほうが、モチベーションはアップします。任命の際は、上司の方に社内報の意義や価値を理解してもらい、委員の仕事を「業務」として認めてもらえるよう働きかけてみてください。任命状などを制作して、社長や上司から直に渡してもらえると、周囲の協力も得やすく、編集委員・通信員としての活動がしやすくなります。

みんなで顔を合わせる機会をつくろう

 委員同士がお互いに知り合う機会や、編集部と委員がリレーションをつくる機会を設けましょう。今はオンライン会議が進んでいるので、距離が離れていても顔合わせの機会はつくれそうです。リアル、オンラインを問わず、顔を見ながら話すことで、お互いの理解が深まり、編集部も依頼しやすくなります。

勉強会を企画しよう

 勉強会で社内報の目的や編集方針を理解すれば、協力度がアップすること請け合い。加えて、委員の編集に対する興味とスキルもアップ。

時には誌面に登場してもらおう

 誰だって、がんばっていることを認めてほしいもの。編集に関わったことを誌面に残すことで、委員たちの奮闘をたたえましょう。

編集委員が主役という企業も

 こうして活動が始まったら、編集部はフォローと見守りをバランス良く行い、良好なリレーションが築けるように尽力しましょう。バランスのとり方は、企業によりけり。多くの企業では、編集部が主体的に制作し、編集委員はサポート役という体制が多いのですが、なかには編集委員が主役というケースもあります。

 その好事例が、住友商事の社内報『住商こみゅにてぃ』です。1972年の創刊当時から編集委員制度を導入し、約50年にわたりその伝統は続いています。編集委員は本業に従事しながら『住商こみゅにてぃ』の編集を行い、活動範囲は単なる情報提供にとどまらず、取材先の選定から寄稿依頼、原稿回収や原稿執筆、取材なども含みます。つまり、編集全般を編集委員が担当しているのです。本来なら編集作業を担う広報部は、編集委員のサポートに徹し、アシスト業務を行っています。

>>>『住商こみゅにてぃ』の編集体制の詳細はこちらをご覧ください。
広報部と編集委員制度が紡いできた社内報の歴史(住友商事株式会社)

CMSを使ったWeb/アプリ社内報が増加し、気軽に協力できるように

 コロナ禍により社内報のWeb/アプリ化が加速していますが、CMS導入により編集委員が増えたという声をよく聞くようになりました。Web媒体は速報性がメリットなため、取材・原稿執筆後に即UPすることが多いです。それはつまり、編集にかける時間少ないこと、媒体特性として比較的短文の原稿が多いことにつながります。さらに、CMSは操作が容易です。これらWeb/アプリの媒体特性が編集委員の負担減につながり、協力体制のハードルを下げているのかもしれません。

 実際にWeb/アプリ社内報の編集委員として記事作成に参加している人に話を聞いたときは、皆さんとても楽しそうでした。「オフィシャルな場で成果を認めてもらえるというのは、編集委員の特権ですね」「取材を通して、どういう人が会社にいるのかを知ることができ、本来の業務にもプラスになっています」など、笑顔で話してくださいました。

>>>編集委員に活動内容を聞いた記事はこちらで紹介しています。
「社内報アプリ」導入により、最新情報の共有を実現(株式会社クロス・マーケティンググループ)

 「編集委員・通信員制度はあるけれど形骸化している」「これから導入しようか検討中」という企業の方、参考になったでしょうか? 編集委員・通信員制度は長い歴史がありますが、その在り方は、時代の変化に合わせて進化しています。それでも不変なのは、この制度が“社内報づくりにおける強力なサポート体制”であるということ。貴社に最適な体制を構築し、より充実した社内報をめざしてくださいね。


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