毎年、3月に決算を発表したあと、印刷社内報なら夏号、Web社内報ならもう少し早いタイミングで企画化する企業が多いようです。この決算企画は、どの企業にとっても高難度。いかにも難しそうな専門用語と桁が多い数字のオンパレードになりがちな誌面・コンテンツに、読者をいかに引きつけるか、ご担当者は毎年頭を悩ませています。
しかも今年2021年は、昨年来のコロナ禍の影響で業績悪化という企業も多く……。こんなときの決算企画は、どう見せればいいのでしょうか。社内報ナビで考えてみました。
決算企画を読ませるコツは、業績により変わる
決算企画に対する根強いイメージは、「硬い」「つまらない」といったもの。それはある意味、仕方がないのかもしれません。実際のところ、決算書には専門用語が付き物で、普段の生活ではあまり使わない、漢字がずらずら並ぶ専門用語が、たくさん登場するのですから。貸借対照表、損益計算書、流動資産、固定資産、流動負債、経常利益、税引前当期純利益、減損損失……、ページをめくる手やスクロールするマウスのスピードが高速になる(つまり読み飛ばしたくなる)のも無理はありません。
そんな決算企画を楽しく読んでもらうために、以前だったら「グラフをカラフルに」とか「ポップなイラストを絡めて」とか、「マンガ表現するのも手です」といったアイデアを示してきたのですが……。
コロナ禍により昨年の業績が大幅ダウン、その結果が決算にありありと表れている場合は、明るくポップになんて無理というもの。かと言って、暗くて重たい雰囲気の企画にすると、読者の気持ちはさらにトーンダウンしてしまいそうです。決算企画というのは、業績によって見せ方を変えざるを得ない、本当に難しい題材です。
主役を「数字」から「人」にして、希望を演出する
- どんなに悪い業績でも、従業員に正直に伝えたい
- 業績悪化のときこそ、自社が進むべき道を感じてほしい
- 目指すべき目標を提示したい
- 従業員一人ひとりに、自分ごととして考えてほしい
- きらきらした明るい企画にはできないが、希望は感じる内容にしたい
これは、業績悪化した企業の社内報ご担当者の皆さんからよく聞く声をまとめたものです。どれも切実な思いが伝わってきます。これらすべてを解決できる「正解」は簡単には見つかりませんが、ちょっとした工夫を積み重ねることで、目指す方向に近づくことはできるかもしれません。
①決算の内容を正しくわかりやすく伝えるために、グラフを活用
- 無機質な表組よりグラフのほうが、頭に入りやすいでしょう。その時、例えば棒グラフの棒の角に少し丸みをもたせるだけで、誌面全体の雰囲気が柔らかくなります。
- 色を多用せずに落ち着いた色みの同系色でまとめれば、ポップさは抑えられます。重要な部分にだけ少し強い色を使うと、訴求ポイントが明確になり、デザインにメリハリが生まれます。
- 伝える決算情報はできるだけ絞り、専門用語も控えめに。Web社内報なら、専門用語解説は別ページにまとめることもできそうです。
②自社が進むべき道、目指すべき目標を示すために、トップのコメントは必須
長文より、エッセンスを凝縮した短文のほうが響きます。従業員に語りかけるような写真と、熱い見出しを添えてみましょう。専門用語や数字が多くなりがちな企画だからこそ、情熱みなぎるトップのコーナーに読者の目が向きます。
③身近な人の言葉から、自分ごととして考えてもらう
自社の業績は気になるけれど、決算となるとなぜか距離を感じてしまう人は多いもの。そういった読者の気持ちを動かすために、多くの社員から「決算に対する感想」を事前に集めて、できるだけたくさん掲載してみてはいかがでしょうか。自分の同期や部署の先輩後輩などが、今期の決算から何を感じ、どういうアクションを起こそうと考えているかを知れば、自ずと刺激になるはずです。
④読後に希望が感じられる
上記の①から③が実現できれば、④が達成できる可能性は大きいです。つまり、例年なら難解な専門用語と数字が主役になりがちな決算企画を、「人」を主役にしてしまうのです。
決算企画を、前進&加速のきっかけに
コロナ禍が世界経済に大打撃を与えたことは、疑う余地はありません。ただ、わずか1年の間に新しいビジネス様式に適応し、進化している企業もたくさんあります。昨年の決算が暗い結果だったとしても、そこからスピードアップして前進していけるよう、社内報の決算企画で従業員の皆さんを後押ししたいものですね!
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