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著名人登場企画の実現に向けた3つのルート

 社内報の一つの方向性としてマガジン化の傾向が見られる昨今、「著名人を社内報に登場させたい」という声が増えてきました。しかしその実現の前には高い壁がはだかっています。
その壁の正体は何でしょう? 実現するためには、どのような方法をとるのが有効なのでしょうか?

「著名人登場」で何を伝えるか、企画を練り込む

 社内報に著名人を登場させたいと考える編集担当者の声に耳を傾けると、「社内報への興味を喚起したい」「有名人が登場すれば閲覧率が高くなるのではないか」といった意図が見えてきます。 どこの企業も社内報の閲覧率UPには苦心していて、その打開策の一つが著名人企画のようです。

 しかし、単に著名人を出すだけでは、企画としては成り立ちません。

 例えば、登場してほしい著名人の活動や考え方を通じて自社の経営理念を発信する、あるいは読者=従業員に業務のクオリティアップのヒントを与えるなど、単なるアイキャッチ以上の効果をもたらすように企画を練り込むことを忘れないでください。

社内報に著名人登場企画が難しい理由

 ただ、どんなに見事な企画を立案しても、著名人が取材を受けてくれなければその企画は実現しません。そして、社内報に著名人が登場するのは、ハードルが高いと言わざるを得ません。なぜでしょう? 著名人側に立って考えてみましょう。

出演料の問題

 まず、一番大きな問題として立ちはだかるのが、出演料です。

 社内報ご担当の皆さんは、著名人の取材謝礼はどれくらいだと想像しているでしょう? 「1~2時間話を聞くだけだから」「広告じゃなくて社内報だから」と、手軽な金額をイメージしていないでしょうか?

 一概には言えませんが、著名人側からすれば、企業の仕事は単発の宣伝広告ととらえることが多く、メディアへの露出が多い人気者や大御所といわれる方々なら、1~2時間の取材で30万円以上ということも珍しくありません。さらに取材場所として高級ホテルなどを指定される、お車代が必要というケースや、女優や女性タレントの場合はヘアメイク代が別途かかる場合もあります。それらを賄う予算が組めるかどうか……、著名人登場企画はそれを踏まえたうえで検討する必要があります。

媒体の認知効果の問題

 著名人が仕事の依頼を受けるポイントとして、世間に露出することで認知度を上げるという一面があります。一方、社内報の公開範囲は、基本的には社内またはグループ内限定の企業が多いものです。著名人側にとっては認知効果が及ぶ範囲が限られることなり、取材を受けるメリットが感じられないと判断される可能性があります。

 また、(過去も含めて)広告などで競合他社と契約している」「広告契約している企業以外はお断り」という理由で難色を示されるケースもあります。

企画実現に近づくためのルートはコレ!

 では、著名人登場企画を社内報で実施することは絶対に無理かというと、そんなことはありません。必要な予算は確保した上でのお話になりますが、実現するためのルートをいくつかご案内します。自社のご都合に合わせてどの方法にするか、ご検討ください。

自社で取引がある広告代理店に依頼する

 大手広告代理店ならさまざまなツテがあります。その力をお借りしましょう。普段からお取引がある関係ですから、希望する著名人や予算、取材希望時期などをざっくばらんに話して、相談に乗ってもらいましょう。

キャスティング会社に依頼する

 「著名人」「キャスティング」などのワードでネット検索すると、キャスティング会社がみつかります。希望する著名人の活動分野に強いキャスティング会社に相談してみましょう。予算など諸条件についてのアドバイスや、複数の候補者への同時交渉による時間節約といったことが期待できます。

自力で交渉する

 著名人の所属事務所に直接、取材依頼の連絡を入れます。ファーストコンタクトは、電話とメールのどちらでも問題ありません。依頼状には、企画趣旨や取材希望時期、取材場所などの基本情報のほかに、自社情報と社内報の媒体資料的な情報を記載した上で、「ぜひとも取材をお受けいただきたい!」という思いの丈を伝えるようにしましょう。

 取材交渉は、人選リストの優先順位が高い方から1人ずつアタックしていきます。キャスティング会社のような専門会社は別として、複数の候補者に同時に交渉することは礼を欠くと受け取られることもあるため、あまりお勧めしません。

取材依頼書の一例。
取材依頼書の一例。依頼書はできるだけ1枚に収め、 企画内容を詳しく伝える場合は別途企画書などを添付しましょう

高い壁の向こうには喜びと大きな効果が待っている

 著名人登場企画を実現することは、決して簡単ではありません。でも高い壁だからこそ、実現できた時の喜びは大きく、狙った効果が得られる可能性も高いです。

 予算取りなど難しい問題もあるとは思いますが、社内交渉も含めて、高い壁に挑んでみてください。

 

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