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ステークホルダーみんなが喜ぶ社史に挑む(株式会社ジャパネットホールディングス)

 

コーポレートコミュニケーション部 シニアリーダー 米田哲郎さん(中央)、広報室 チーフ 加来奈々子さん(右)、広報室 渡邊涼子さん
▲コーポレートコミュニケーション部 シニアリーダー 米田哲郎さん(中央)、広報室 チーフ 加来奈々子さん(右)、広報室 渡邊涼子さん

「社内報アワード2017」の事例発表7社目は、創業30周年を記念して制作した社史『Japanet30年のあゆみ~新たなステージへ-』が、特別部門ゴールド賞を獲得した株式会社ジャパネットホールディングス。ジャパネットグループのオリジナリティにこだわった1冊は、グループの絆をさらに強固に結び直しました。その制作の過程と意図を紹介します。

30周年を祝う中核事業として企画

 2016年に創業30周年を迎えた当社は、この記念すべき年を迎えるまで、大きな変化を経てきました。

 まず2014年、通販番組でおなじみの前社長の髙田明が退任を表明し、翌2015年には髙田旭人が新社長に就任。そのタイミングで、企業理念と企業ロゴを一新しました。そして2016年には、株式会社ジャパネットたかたを軸にした8社体制に移行し、ホールディングス体制の強化に乗り出します。

 このような転換期の中での2016年、年初から30周年関連イベントを精力的に展開。その第1弾は、1月に実施した30周年スタートダッシュキャンペーンです。ここで、株式会社ジャパネットメディアクリエーションで制作した30周年ロゴとキャッチコピー「いいものを これからも」を発表し、この1年間に行うすべてのイベントやキャンペーンでこのロゴを使用する方針としました。

 そのほかにも、記念パーティーや生放送ショッピングの30時間ライブ、記念コンサートなどさまざまな企画が計画・実行されましたが、その一環として取り組んだのが、今回ゴールド賞をいただいた30周年記念社史の制作です。

社外向けと社内向け、2冊を制作

 社史を制作するのは当社としては初めての試みですが、目的は大きく3つありました。これまでお世話になった地元長崎をはじめ、お取引先様や社員に対する「感謝の表現」、拠点の拡大や新規入社者が増え、過去を知らない社員へ歴史を引き継いでいく「歴史の伝達」、新社長が就任し新しいジャパネット体制になったことと、その姿勢を表現する「未来への意思表明」。これらの目的を同時に叶えるには、社史がもっとも適当だと判断しました。

 また、社内・社外の両方を対象とするため、別々の2冊を制作することに決め、感謝・歴史を中心とした社外向けをベースに、いくつかの要素を付け加えて社内向けとすることにしました。この社内向けでは、会社の歴史と社風への理解を深めることで、これまで支えてくださった方への「感謝の気持ちを醸成する」こと、社員家族にも楽しめる内容で「家族が働く会社への愛着・安心感をもってもらう」こと、そして現在も根底にある家庭的な温かさを感じるエピソードを伝え「社風の継承に寄与する」ことを目的としました。

「ずっと持っていたい」と思わせるために

 共通するコンテンツは、創業者と新社長両名による「社長からのメッセージ」、多彩な写真で振り返る「ジャパネットのあゆみ」、懐かしのCMから最新CMまでを網羅しエピソードで紹介する「CMギャラリー」、ジャパネットの歴史を支えてきた主要な商品を紹介する「商品で振り返る30年」、2016年度の取り組みを紹介する「30周年イヤーの取り組み」、クレドの歴史を振り返る「クレドの変遷」の6本。

 社内向けには、社員による座談会で、当社の特徴である「自前主義」と社員が楽しみにしている「研修旅行・大望年会」に触れた「社員と振り返る30年」と、30周年を記念して制作したオリジナルソング「Goods for you.」(作詞・作曲・歌唱:中西圭三)のCDと歌詞カードをプラスしました。

 社内向けのコンテンツ「社員と振り返る30年」。社歴が長い社員には懐かしさを、社歴の浅い社員には新鮮さを感じてもらった
▲社内向けのコンテンツ「社員と振り返る30年」。社歴が長い社員には懐かしさを、社歴の浅い社員には新鮮さを感じてもらった

 

 制作する上でこだわったのは、まず体裁です。ずっと手元に残るものなので、大事に持っておきたいと思わせる豪華さと特別感を感じさせると同時に、温かさや親しみやすさを兼ね備えた紙を採用し、表紙には新しい企業ロゴとタイトル「-30年のあゆみ~新たなステージへ-」を、裏表紙には30周年のロゴを箔押しであしらいました。

 次にコンテンツ。共通ページは、ステークホルダーみんなに喜んでもらえる企画を吟味、メイン企画の「ジャパネットのあゆみ」では、カメラ屋から始まったジャパネットらしく、写真を軸に歴史を振り返ることにしました。また、過去と未来のバランスにも配慮し、店舗時代からの苦労話など、企業として忘れてはならないことをきちんと伝える一方で、新たな時代へのチャレンジ精神を喚起する内容も、盛り込むようにしました。試行錯誤の末、でき上がった社史は、社外向けを4月の取引先向け記念パーティーで、社内向けは12月の大望年会で配布しています。

共通コンテンツの「社長からのメッセージ」は、創業者と新社長両名からそれぞれの想いを語ってもらった
▲共通コンテンツの「社長からのメッセージ」は、創業者と新社長両名からそれぞれの想いを語ってもらった

同じく共通コンテンツの「ジャパネット30年のあゆみ」。写真を軸に30年の歴史を振り返る
▲同じく共通コンテンツの「ジャパネット30年のあゆみ」。写真を軸に30年の歴史を振り返る

節目に歩みを振り返ることの大切さ

 社史の制作過程で感じたのは、30年分の過去をさかのぼることの大変さです。情報の確認や素材の手配など、苦労したことは山のようにありましたが、だからこそ、節目節目に会社の歩みを振り返ることの大切さを学びました。また広報としても、制作を通じて会社に対する知識が増えたと実感しています。

 加えて、当社の広報姿勢として、企業理念である「今を生きる楽しさ」をお客様、お取引先様、社員みんなが感じていけるようなメッセージの発信やイベントの企画ができる、戦略的かつ現場主義の広報を目指していきたいと思っています。

社史『Japanet30年のあゆみ~新たなステージへ-』概要

社史『Japanet-30年のあゆみ~新たなステージへ-』表紙

◆制作:2016

◆仕様:B5判カラー、64ページ

◆発行部数:1,000

 

 

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