
社内ニュースをまとめるページを任されたナビ子ちゃん。今日は真剣に机に向って何かを描いている様子。どうしたんでしょう。(前回はコチラから)。
登場人物

ナビ子ちゃん
新任社内報担当者。
なかなか引き継ぎの時間が取れておらず、右も左もわからないため、ことあるごとにもやりんに泣きついている。
もやりん
歴代の孤独な社内報担当者のもやもやから生まれた社内報の妖精。
社内報担当者以外はもやりんの姿を見ることはできない。
時折辛口ではあるものの親身にナビ子ちゃんのお悩みと向き合っている。

これで完璧……!

あ、もしかしてラフが完成したの?

うん! もやりんのアドバイス通りまずは紙に描いてみたんだ。初めてだから何回も描き直して大変だったよ~。

どれどれナビ子ちゃんの力作を見せてもらおうか……。こ、これは……!


スキルアップ勉強会の告知をどーんと真ん中に置いてみたんだ! 私も前に行ったことがあってすっごく勉強になったからみんなに知ってほしいな。講師に有名な先生も来るから写真も入れて、勉強会に参加すると率も上がるからそのグラフも入れたよ!

ナビ子ちゃん、実は残念なお知らせがあるんだけど、見開きの真ん中に写真や図は入れられないの……。

ええ! なんで?

見開きの真ん中には、製本する際にページ同士をくっつけるための余白がいるんだ。これを綴じ代って呼ぶよ。綴じ代にかかるように図や文字が載っていると、綴じ代部分に巻き込まれちゃって重要な部分が見えなくなっちゃうから、重要なものほど綴じ代の近くに置かないほうがいいんだよ。



このもやりんこわすぎる……!
でも見出しや写真が真ん中に載っている記事とかをみたことがあるけどなあ。

真ん中に置きたいときは、見出しの文字の間や集合写真の人物と人物の間に綴じ代がくるように調整したりするよ。あと、外観の雰囲気が分かればいいような建物の写真とかは置きやすいかな。でも今回は講師の先生が一人で写っている写真とグラフだから、綴じ代を逃がすのが難しいかも……。

そうなんだあ。せっかくみんなに見てほしかったのに、残念だなあ。

真ん中に置くだけが目立たせる方法じゃないよ! 目線の動きを意識すると、記事を自然と目立たせることができるんだ。

目線の動き? なんだか前に聞いたことがあるような……?

ページを読むときの読者の目線の動きはレイアウトによって誘導できるんだ。紙面上で一番上の位置を「アタマ」と呼び、多くの人は、まずそこから読み始めるよ。



なるほど! じゃあそこに一番読んでほしい記事を持ってくればいいんだね。

縦書きと横書きでアタマの場所が異なるから、注意してね。横書きの場合、左上から読み始めて、右下で読み終わるようになっているから……。


あ! これ前に教えてくれたレイアウトのZ! 目線の動きってこういうことなんだね。ということは、縦書きだとNになるの?

さすがナビ子ちゃん、その通り!
読み終わりの最後の部分も印象に残りやすいから、ここにも見てほしいものを置くといいよ。


なるほどね。じゃあ補足とか、細かい要素はそれ以外の場所に載せればいいんだね。

ほかにも、画像の大きさで強弱をつけると、よりメリハリが効いて伝わりやすい紙面になるよ。全部大事だから全部大きくしたい! だと、読者が疲れちゃうからね。

ありがとう、もやりん。もっと分かりやすくなるようにもう一回描き直してみるよ。

めんどくさがり屋のナビ子ちゃんが成長してる……!
ナビ子 Note
綴じ代……製本する際に、閉じる部分に必要となる余白のこと。綴じ込み部分の文字やデザインが隠れたり、切り取られたりすることを防ぐ。


目線の動き
Z型……目線は左上から右下に動く。横書きの多い。

N型……目線右上から左下に動く。縦書きの多い。

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