
毎年恒例の「表紙特集」を、2025年もお届けします!思わず手に取ってしまったり、ページをめくりたくなったり…。そんなさまざまな工夫が詰まった表紙を、各企業のご担当者さまによる解説・これらの表紙を選んだ「社内報ナビ」編集部員からのコメントを添えてご紹介します。
※個人情報保護のため一部にぼかし加工をしています。

ひとことコメント担当部員:Ebi
①「従業員登場」タイプ
従業員が登場する表紙は、社内報の定番であり、人気のスタイル。「一緒に仕事したあの人だ!」「この人、社内で見たことある!」と興味を持ってもらいやすいのが魅力です。登場した方にとって大切な1冊となるのもうれしいですね。
株式会社ファンケル 『はぁもにぃ』
◆発行頻度:季刊(2月、5月、8月、11月) ◆ページ数:32~40P


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〈ご担当者による解説〉
“「ファンケル人」をつなぐコミュニケーションマガジン”を編集方針に掲げるグループ報『はぁもにぃ』では、さまざまな「人」にフォーカスしたコンテンツを掲載。冊子の顔となる表紙は、表2の巻頭企画と連動した「旬な人物」の魅力あふれる写真を掲載しています。記事では仕事ぶりや想いを中心にエモーショナルに紹介する一方、表紙はオフの面も含めて「その人らしさ」が伝わるようなテーマを決めて作り込んでいます。この号では、旅行好きで特に台湾が好きだという話から、台湾カフェで撮影しました。毎回撮れ高が良すぎて、どのカットを採用するか悩むのも編集部の楽しみの一つです。

まるで雑誌のようなおしゃれな表紙。従業員の方の個性が詰まっており、「インタビューも読んでみたい!」と思わずページをめくりたくなる構成が素敵です!
三和酒類株式会社 『新・酒の杜』
◆発行頻度:季刊(1、4、7、10月末) ◆ページ数:8P(観音開きの構成)

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〈ご担当者による解説〉
ページ数の制約を逆手に取り、表紙にも新入社員を登場させることで、読者が早く顔と名前を覚えられるよう工夫しました。さらに、各新入社員には、自分の得意なスポーツや趣味を体で表現してもらい、個性や人柄が伝わるようにしました。写真だけでは伝わりにくい新入社員の雰囲気を、ポーズや表情を通じて感じてもらえるよう意図しています。限られた紙面でも、印象に残る紹介となるよう心がけました。

「どんな新入社員が入社するんだろう?」と気になっている方は多いので、表紙に登場させるのはナイスアイデアですね!タイトルのデザインからも、歓迎ムードが伝わります。
TOTO株式会社 『陶友』
◆発行頻度:月刊(12月除く) ◆ページ数:16P


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〈ご担当者による解説〉
表紙は、最前線で活躍するグループ員を紹介する「ゲンバリキ」と連動しています。「ゲンバリキ」は単なる職場紹介ではなく、課題に対してどのように取り組んだのか、グループ員の頑張りを紹介するコーナー。他部門の仲間のことを知ることができると人気があります。部門やチームの雰囲気を伝えるため、先に取材を行い、取材対象者のキャラクターやチームのムードをつかんだ上で表紙の撮影を行うのがこだわり。ポーズや撮影場所などを変えて2パターンを撮影し、本人たちが気に入った写真を掲載することで、良い記念になると喜ばれています。

撮影されるのは、誰でも緊張するもの。その気持ちに寄り添い、「中面の取材→表紙の撮影」の流れを意識されているからこそ、自然な表情を引き出せるんですね!
②「イラスト」タイプ
イラストの魅力は、表現の自由度が高いところ。写真撮影が難しい場合や、従業員方の顔出しに配慮が必要な場合にも有効です。また、難しいテーマが中面に出てくる場合、表紙をイラストにすることで、読者の心理的ハードルを下げる効果も期待できます。
株式会社イノアックコーポレーション 『FOREST』
◆発行頻度:季刊(1月、4月、7月、10月) ◆ページ数:20P or 24P


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〈ご担当者による解説〉
「イラスト」「写真」といった定型にこだわらず、特集テーマと連動して毎号デザインを変えています。思わず手に取りたくなるような表紙を目指しています。
Vol.94は特集がサステナビリティに関することで、自社従業員には馴染みが薄いものでした。まずは読んで知ってもらうため、堅苦しくならないようにやわらかいテイストのイラストで表紙を飾りました。自社キャラクターも添えて、親しみやすさをアップ。特集本編にも同じイラストをページ上下に帯として配置し、一体感が出るように工夫しました。

今回ご紹介した号はイラストですが、特集テーマの内容によっては写真を表紙に用いるとのこと。対応の柔軟性がピカイチ&マンネリ化を防げる良いアイデアですね!
シナネンホールディングス株式会社 『えんゆう』
◆発行頻度:不定期(2024年度は年1回) ◆ページ数:16~20P


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〈ご担当者による解説〉
中面の特集と連動したイラストを用い、グループ全体が一丸となって社会を支えている様子を表現しました。
コアターゲットは、これからの当社グループを担う20代~30代の社員です。稚拙な印象にならないよう配慮しつつも、親しみやすさとシンプルさを大切にしています。また、多忙な社員の方々にも限られた時間の中で要点を把握してもらえるよう、イラストを効果的に活用し、当社グループの全体像や総合力、一体感が直感的に伝わるよう工夫しました。
実際に社員の皆さんからもご好評をいただいており、「家に持ち帰って家族に見せた」といった声も多く寄せられています。

視覚的に頭に入りやすいイラストだから、多忙な方も手に取りやすいですね。「ご家族の皆さんと一緒にお読みください」とひと言添えてあるのも温かみを感じます。
全国農業協同組合連合会 『Minorinote』
◆発行頻度:季刊(1月、4月、7月、10月) ◆ページ数:48P

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〈ご担当者による解説〉
本誌は、全農グループで働く職員・社員が、農業と食の未来を担うことの楽しさ・誇り・責任をシェアすること、その仕事にやりがいを感じられることを目的に発行しています。
今号は、スマート農業を推進する全農グループのさまざまな取り組み事例を幅広く紹介しています。「スマート農業」と聞くと、人によっては小難しそう…と構えてしまう方もいらっしゃると考え、プラモデルをモチーフにしたポップなビジュアルで企画に向き合う読者の心理的ハードルを下げる意図がありました。農業をイメージさせるグリーンを背景に、プラモデルのパーツ(ビジュアル)により、企画で何が語られるのかが直感的に分かる仕掛けになっています。多くの読者が子ども時代に目にしたプラモデルをモチーフとしたことが奏功して興味を引き、読者アンケートではスマート農業企画は高評価を受けました。

中面の内容をプラモデルのデザインに昇華させた発想力は、読者の方の目線を大切にしているからこそ生まれたはず。伝えたい部分をしっかり目立たせる色使いにも、こだわりを感じます!
YKK株式会社 黒部事業所 『One』
◆発行頻度:季刊(2月、5月、7月、11月) ◆ページ数:12P

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〈ご担当者による解説〉
本号の特集は、深刻にとらえがちなテーマを、表紙から「楽しく読める」と印象付けられるようコミカルなデザインにしました。さらに、社員の愛猫のユニークなポーズを加えることで、誌面全体に親しみやすさをプラスしています。
各定例企画のタイトルデザインをリニューアルした号でもありましたので、あえてタイトルデザインを表紙に持ってくることでページをめくらずとも刷新感を感じ、読む前からワクワクする。そのような表紙を目指しました。

ファスナー(ページ)を開くと内容が見える遊び心が楽しいですね!「あすの話題が見つかる」というキャッチコピーがしっかり体現されています。
③「自社の魅力をアピール」タイプ
自社の魅力を全面に押し出すことで、「そういえば私の会社って、こういう魅力があるよね」と改めて認識してもらえる方向性。仕事を頑張る理由になるのはもちろん、家族にもどんな会社かひと目で伝えられるのもポイントです。
大成建設株式会社 『たいせい』
◆発行頻度:年6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月) ◆ページ数:24P


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〈ご担当者による解説〉
表紙と表4が連動する「たいせい名所探訪」は、新旧を問わず、当社が施工した物件の現在を撮り下ろすことで、「人がいきいきとする環境を創造する」という当社のグループ理念を社員に身近に感じてもらう企画です。この号では、沖縄北部の離島、古宇利島に架かった古宇利大橋をピックアップし、景観に溶け込んだ美しい姿を掲載しました。表4では建設の意義や施工の工夫を紹介し、社員やご家族が「実際に行ってみたい」「お父さん・お母さんの会社ってすごいね!」と思ってもらえることを目指しています。読者アンケートでも人気の企画です。

美しい古宇利大橋の写真を見て、「自分の会社がつくったんだ!」と改めて誇りを持てる方も多いはず。表4と連動した企画仕立てで、詳細まで知れるのも良いですね。
マルハニチロ株式会社 『DOUBLE WAVE!』
◆発行頻度:年2回(春・秋) ◆ページ数:35~45P

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〈ご担当者による解説〉
冬が旬のメバルを使ったアクアパッツァの写真に、当社のコミュニケーションカラーのラインをあしらいました。年2回発行の社内報では、毎号、旬の食材を使った料理を表紙に採用しています。食品を扱う企業として、四季折々の「食の魅力」を社員に感じてもらうとともに、おしゃれで手に取りやすいビジュアルを意識。自然の生命力を鮮やかに伝えるコミュニケーションカラーと、シズル感のある料理写真を組み合わせることで、思わず「開いてみたい」と感じられる表紙づくりを心がけています。

会社の特色を全面に押し出した写真、そして、コミュニケーションカラー。「シンプルなのに目を引く」表紙に仕上がっているのは、訴求点を上手に厳選できている証拠です!
④「構成バランス」タイプ
誌面全体のトーン設計に考慮しながら、表紙を決めていく方法です。例えば、深刻なテーマを扱う社内報の場合、表紙では希望を感じられる写真を、中面ではリアルな声を掲載。重いテーマでも、読者の心に過度な負担をかけすぎず、静かに受け止められるような構成です。
大和リース株式会社 『あゆみ』
◆発行頻度:季刊(1月、5月、8月、11月) ◆ページ数:32P


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〈ご担当者による解説〉
Vol.89の特集は、2024年元日に発生した能登半島地震における応急仮設住宅建設プロジェクトの歩みを振り返るものです。
表紙には、その内容が直感的に伝わるよう、ドローンで撮影した仮設住宅団地の写真を全面に使用しました。毎号、特集と連動した写真やイラストを掲載していますが、今回は災害という重いテーマであることを踏まえつつ、海や山に囲まれた能登半島の自然の豊かさが感じられる写真をセレクト。被災地の現実にしっかりと向き合いながらも、読者の気持ちが必要以上に暗くならないような誌面づくりを心がけました。

災害後、現場の方の気持ちを汲み取りながら制作を行うのは、とても大変だったことでしょう。詳細は中面でしっかり掲載し、表紙にはあえて現場の魅力が伝わる写真を選定。そのバランスにも心遣いが感じられます。
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2025年の表紙特集、いかがだったでしょうか?掲載にご協力いただいた各社の皆さまのおかげで、今回も学びの多い内容となりました。本当にありがとうございました! 「どんな表紙にすれば良いんだろう」「どうしたら『中面も読みたい!』と感じてもらえるんだろう」と悩んだら、ぜひ表紙特集を参考にしてみてくださいね。
来年も、“学びの輪”が広がるような表紙特集を届けていきます!








