「社内報アワード2016」でゴールド賞を受賞した企業に、企画の着眼点や誌面化する際に注意しているポイントなどをうかがいます。連載・常設部門でゴールド賞を受賞した「教えて!カワムラ先生」を企画した河村電器産業株式会社に聞きました。
▲左から課長・田中美奈さん、大澤結衣さん、飯野原輝さん、牧 幸佑さん
連載・常設部門ゴールド賞「教えて!カワムラ先生」
BtoB製品を製造販売する河村電器産業。製品の特徴や販売市場について、社員でもきちんと理解している人が少ない状況にあった。そこで、難しい製品も「先生と生徒のかけあい」やイラストの多用により誰にでもわかりやすく伝えることを目的とした。また昨今では一般層にも受け入れてもらえる製品もラインナップ化されていることから、社内報読者の一人である「社員の家族」に理解してもらいたいという思いも。社員やその家族に製品や市場について理解してもらうことで、社内コミュニケーションの充実や会社へのロイヤリティ向上にもつなげたいと考えている。
読者ターゲットを社員の家族に
社内報を一番読んでもらいたい相手は「社員の家族」です。家族の皆様に、会社が力を入れている製品や、それに関わる世の中の動きを知ってもらいたいという想いから、今回の「教えて!カワムラ先生」を企画しました。
社員やお客様は会社の製品や市場のことをある程度理解していますが、家族は違います。予備知識がほとんどない人たちが、どうしたら理解しやすく、楽しんで読むことができるのか? まず、そこを考えました。
最初に考えたのは、研究開発部長を先生としてキャラクター化し、製品や市場のことを誌面上で講義してもらうというもの。執筆にあたり、実際に社内の研究員に依頼し、私たち広報課のメンバーへ製品や市場のことをレクチャーしてもらいました。ところが、その内容はかなり難しく、広報課の、ある最年少メンバーは「よく分かりませんが、要するにこういうことですか?」と何度も繰り返し質問。その様子を見て、このやり取りはおそらく読者にも通じるものがあるのではと思い、「先生と生徒の掛け合い」のアイデアを思いつきました。
基本的な質問を繰り返すことで、研究員の説明内容もだいぶ丸くなり、詳しくない人が聞いても「なるほど!」と思えるものになっていきました。
読者に受け入れられるには分かりやすさが必要
今回に限らず、社内報の企画は「面白くて、分かりやすくないと、読んでもらえない」と、いつも危機感を持っています。誌面の親しみやすさも重要で、例えば今回の企画であれば、ブレーカーや太陽光発電などの無機質でまじめな題材に対して、あえてかわいらしいイラストを使ったデザインを採用しました。最初にあがってきたデザインにまだ固さが残っていたため、「ディック・ブルーナの感じでお願いします」と指示。これはデザイナーにイメージを伝えるのに効果的でした。
社内報『RIVAVIVA』概要:季刊発行/ A4 判/16 ページ/全ページカラー
※『コミサポプラス』2016年12月号より転載