社内報ご担当者が常に抱えている悩み、それは企画のネタ探しではないでしょうか。「自社の従業員に興味を持ってもらう企画とは?」「他社ではどんな企画を立てているのだろう」と考え続けるご担当者も多いことでしょう。
そんな皆さまに社内報企画のヒントにしていただこうと、弊社が開催している「社内報アワード」に寄せられた数多くの企画事例を、ジャンルごとに厳選してご紹介します。貴社の社内報をより一層充実させるために、参考にしてください。今回のテーマは「ダイバーシティ」です。
「多様性」は何のため? 誰のため?
(キリンホールディングス株式会社/グループ報『きりん』)
企画
特集(12ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
自社グループの価値観に「多様性」が加わり、長期経営構想「キリングループ・ビジョン 2027」の中の「イノベーションを実現する組織能力」の1つに「多様な人材と挑戦する風土」を掲げた。それはなぜなのか? 自社グループが目指す「多様性」を具体的に説明することで、「多様性」を誰しもが持っていることに気付くきっかけとし、互いに認め合える風土づくりの重要性を伝える。
読者ターゲット
30代の若手リーダー、リーダー予備群。また、多様性=属性によるものと考えている従業員や、なぜ自社グループの価値観に多様性が加わったかを理解していない従業員。
内容
見開きの扉ページでは、漫画のコマ風イラストで、一般的に想起する「多様性」を提示し、自社グループが目指す「多様性」とは違うことを伝える。「では多様性って何?」との吹き出しで、続くページへ誘う。次ページ以降が本編となり、まずは改めて「多様性」という言葉の意味やこれからの方向性についてイラスト、吹き出し、担当部署責任者の写真を組み合わせ、キャッチーなビジュアルで分かりやすく解説。次に、ずっとキリングループで働いているのではなく、社外に出向したり、経験者採用として入社した従業員が自社グループの多様性について語り合う覆面座談会を開催し、現状と目指すべき姿を本音で語り合った。さらに、「違いを強みに」をテーマに行われているさまざまな取り組みを紹介。まずは個人レベルでの取り組みを、最後に会社の取り組みを提示し、実施目的の達成を図った。
突撃!★取材記★
○○初の男性の育児休業取得!
※○○○部分は固有名詞のため伏せ字にしています
企画
特集(4ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
男性の短期育児休業取得が可能であることやその意義、変わりつつある職場環境を社員に知ってもらう。
読者ターゲット
子どもの誕生が間近、または小さな子どもがいる社員。その社員の所属部署を中心とした全グループ社員。
内容
自社初の男性の短期育児休業を取得した管理職社員にインタビュー。休業中の過ごし方や周囲の反応、この先取得を考えている社員へのアドバイスなどを掲載した。誌面構成は、「なぜ育休を取得しようと思ったのか」「周囲の反応は?」といった編集部からの質問に答える一問一答形式。そこに育休中の写真を入れ込むというシンプルなつくり。わかりやすさが読者の腹落ち感となり、育児休業に関する人事部への問い合わせが増え、この企画をきっかけに取得を決心した社員もいるなど、反響は大きかったとのこと。
[住宅設備]
TO EXPAND Alps Alpine Group
多様性を強さに変えて
互いに認め合って上向きスパイラル!
(アルプスアルパイン株式会社/『Alpinist』)
企画
特集(6ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
経営統合により、社員は互いの企業文化や考え方の違いに直面する機会が増えている。それぞれ違ったバックグラウンドや価値観を持っていることを認識し、お互いが刺激を与え合い、理解し、認め合うことで、個人も会社も強くなることを伝える。
読者ターゲット
全社員
内容
社内にある多様性を伝えることをねらって座談会を開催。参加者は20代から50代と年齢も立場もさまざまな5人。参加者が恋愛事情から家庭、働き方など、自分の状況を本音で語り合うことから、それぞれの思いや魅力を理解し、互いを高め合うことにつなげた。各ページの下には、社内アンケート結果を掲載。座談会とアンケート結果、ともに社員の本音を伝えたことが奏功し、掲載後は「社内にはさまざまな考え方の人がいると改めて認識した」といった感想が寄せられた。
Diversity, Inclusion ー 多様性への挑戦 ー
企画
特集(5ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
グループ横断でダイバーシティプロジェクトが始動したことを機に、自分と異なる立場の人を理解・受容し、強みを生かしあう組織風土を醸成する。
読者ターゲット
全社員
内容
ダイバーシティを意識したことがない社員に自分ごととして捉えてもらえるよう、“身近に、楽しく理解できる”を編集コンセプトに制作。興味を喚起するために果物をCG加工した扉(表紙)ページから始まり、プロジェクトの意義を伝える役員インタビューとプロジェクト概要説明をした上で、職場でありがちなアンコンシャス・バイアスをデフォルメ調のイラストで提示した。この”あるある事例”は社内でヒアリング調査を行った結果を基にしたそうで、実際の例ゆえ響くものがあったのか、掲載後の読者満足度は95%超えを記録した。
[人材]
すべての人が活躍できる職場とは?
~障がい者雇用を通して考えてみよう~
企画
特集(15ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
社員が“障がい者と働く”ことに関心を持ち、正しい知識を得てもらう。障がい者に対する思い込みを払拭するとともに、障害は個性の一つであり、一人ひとりと向き合うことが重要だと知ってもらう。さらには、すべての人が個性と能力を最大限に発揮し、意欲と誇りを持って働き続けるために何が必要かを考えてもらう機会にする。
読者ターゲット
基幹職を中心とした社員
内容
イントロダクションとして、「なぜ障がい者雇用が重要視されるか」「自社がどんな風にこの課題に取り組んでいくか」といった基本事項をQ&A形式でわかりやすく伝え、続く見開きでは、障がいのある自社社員に「こんな時はこうしてほしい」という要望を発信してもらいながら、具体的な対応事例をイラストともに紹介。さらに、外部部インタビューとして、障がいを抱えながら活躍する経営者の取材、自社の事例紹介と展開。最後はさまざまな立場の社員座談会を開催し、障がい者とともに働くにあたり大切なことや、障がい者にだけでなく、すべての人が個性と能力を最大限に発揮し、意欲と誇りを持って働き続けるために何が必要かを考えるきっかけを提示した。
[電気機器]
ダイバーシティ「ちがいはチカラになる」
企画
特集(5ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
ダイバーシティの意味(1次属性、2次属性)を理解する。企業におけるダイバーシティ推進の意義への理解を促し、全員がイキイキと働ける職場づくりを目指す。
読者ターゲット
全社員
内容
ダイバーシティの意味や自社の取り組み事例を「これまで」と「これから」に分けて解説し、推進フェーズの転換をわかりやすく解説。「これまでの取り組み」は、事例報告に加えて、成果の数値化や従業員インタビューにより、説得力を持たせた。最後に、自分がどれだけ理解できたかを実感してもらうために、自己診断チェックリストを掲載。情報量は多いが、キャッチーなイラスト・写真を適所にちりばめ、読者が飽きないように工夫した。
[重工業]
誰もがいきいき輝いて働ける職場づくり
※○○○部分は企業が特定されるのを防ぐため伏せ字にしています
企画
特集(6ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
働き方改革は、会社の制度や職場環境以上に、自らの意識を変えることが大切。そこで、主体的に働き方を変える意識を持ってもらうことをねらった。
読者ターゲット
全社員
内容
扉ページでは、自社のビジョンおよび育休制度の利用状況や定年後の再雇用率、外国人受け入れ数を提示。それを社会状況を照らし合わせ、自社の現在地と目指す方向性を確認することを促した。「なるほど」と思ったところで、生き生きと働くために自律的に改善に取り組む部署や工場を紹介。それぞれ、育児と仕事を両立している女性社員、外国籍社員、聴覚障がいを持つ社員の活躍にスポットライトを当て、職場の理解と工夫でダイバーシティは実現できることを示した。
[繊維]
○○が描く多様性の未来
※○○○部分は企業が特定されるのを防ぐため伏せ字にしています。
企画
特集(13ページ)/常設・連載/表紙
実施目的
グループ社員に、なぜダイバーシティを理解し受け入れていく必要があるのか理解してもらう。偏見や思い込みによる弊害について解説し、自身の偏見や思い込みの傾向を理解してもらう。
読者ターゲット
全社員
内容
全社員が多様性の必要性をきちんと理解できているとは言い難い状況を改善するための企画で、「自社グループが持続的に成長するために、多様性を受け入れていくことが不可欠である」ことを伝えた。若手社員でも理解できるよう、言い回しは易しく、扉ページにはポップなイラストを使用。そこに、ダイバーシティ推進の責任者が自社グループが目指す姿をコンパクトに訴求した。続く見開きは外部有識者へのインタビュー記事で、多様性が企業の成長になぜ必要なのかを説いた。そのあと、誰もが持っている無意識バイアスをグラフを使って具体的に提示し、さらに、多様性を生かして活躍する社員たちのインタビュー記事を掲載。最後に総括と自社グループの活動例を提示した。
[金融]
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