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新ビジョン「UPDATE JAPAN」を全社員に浸透(ヤフー株式会社)

コーポレートグループ SR推進統括本部 コーポレートコミュニケーション本部 杉浦美和子さん
▲コーポレートグループ SR推進統括本部 コーポレートコミュニケーション本部 杉浦美和子さん

「社内報アワード2017」の企画事例発表8社目は、昨年迎えた創業20周年に、未来へ向けた新ビジョンの策定に取り組んだヤフー株式会社。その浸透をはかる動画『UPDATE JAPAN』が、WEB社内報部門のゴールド賞を受賞しました。創案から策定、浸透まで、全社員6,000人が参加した一大プロジェクトの全容を紹介します。

次の20年、100年先を見据えて

 創業から20年、当社は日本におけるインターネットの普及と発展の歴史とともに進化してきました。その間、社員数も増加の一途をたどり、現在では約6,000人が在籍しています。それに比例して、社内コミュニケーションの課題も増え、その解決が急がれていました。そこで取り組んだ施策のひとつが、新ビジョンの策定です。

 次の20年、あるいは100年後も、ヤフーグループが一番必要とされるインターネット企業であるために、私たちはどう進化すればいいのか。20周年を機に改めて考え直し、全社員が足並みを揃え、未来に向かって進んでいこう。そんな想いから、新たなビジョンが必要だと判断しました。

全社員が参加、1年かけて新ビジョンを決定

 時期は、20周年のちょうど1年前。1年をかけて全社員で新ビジョンを作ろうという計画でした。まずは、全社員が一堂に会する社員大会で宮坂CEOが新ビジョン策定を宣言。同時に、新ビジョンと事業案を検討する推進役を社内で募り、プロジェクトチームを発足しました。

 その後、プロジェクトメンバー、経営陣、本部長・部長、全部門の社員という4つのカテゴリーごとに同じテーマでディスカッションを実施。テーマは、「人生でもっとも悲しいことは何?」「人生でもっとも幸せを感じることは何?」「20年後、100年後も一番必要とされるIT企業であるためにどう進化すべきか」の3つです。

 また並行して、全社員へのアンケートも行いました。これは、ディスカッションでは反映しきれない思いを拾うためです。そしてその後に、プロジェクト合宿を敢行。ディスカッションとアンケートで集まったすべての声から、重要なキーワードを抽出して可視化し、徹底的に議論しました。

 その末に導き出された「課題解決のその先を目指そう」という指標のもと、新ビジョンは「UPDATE JAPAN」に決定しました。枠の中をJAPANとしたのは、まずは自分たちの足元である日本からという意で、全体には情報技術で皆様の問題を解決していきたいという思いを込めています。

浸透のために踏んだ5つのステップ

 次なるステップは、浸透です。いかに社員への浸透をはかるかを検討した結果、5つのプロセスを踏むことにしました。まずは全社朝礼の場でCEOから発表。次にマネジメント向けに質問会議を実施し、背景や理由の説明を行いました。新ビジョン浸透には特にミドルマネジメントの深い理解が不可欠との判断からです。その後、部門ごとに説明を下ろしてもらい、情報技術で世の中の何をアップデートしたいのか、全社員に考えてもらう期間を設けました。同時に、社員が自由にアレンジして使用できるロゴも用意しました。「うちの部署ではこういうことだよね」「そのために私自身はこうしたい」と、JAPANの枠の中を自らのアップデートしたいものに置き換えてもらい、お互いに宣言・共有ができるようにするためです。

 そして、新ビジョン浸透の仕上げとして利用したのが、1年前に新ビジョン策定を宣言した社員大会です。毎年恒例の大会ですが、20周年に当たる昨年度はOBも招待して大々的に開催。そのメインイベントとして、プロセスの最終段階にあたる動画を放映しました。社員自身が自らのアップデートの内容を語る8分間の動画は、過去、現在、未来の順に、プライド、マインドチェンジ、インスピレーションの3つのテーマで構成。過去20年間を振り返り、現状維持ではいけないという気付きを喚起、自分はこれから何をアップデートできるか、を考えさせるという流れになっています。

20周年に向けて、新ビジョンの策定と浸透をはかってきた同社。その中で動画も大きな役割を果たした
▲20周年に向けて、新ビジョンの策定と浸透をはかってきた同社。その中で動画も大きな役割を果たした

 制作上で注意したのは、集中を切らさないようにすること。社員のメッセージを集めた内容は単調になる懸念もあったため、曲やテンポに変化を付け、関心をそらさないように工夫しました。なぜ動画にしたかといえば、動画だからこそできることがあると考えたからです。

 短時間で凝縮した内容を伝えられること、感情に訴えかける力。そのどちらも、ビジュアルの特性であり、プラス面です。また、社員大会で放映した理由は、6,000人が同時に、同じ環境で視聴できるからです。それにより、他者の反応を間近に感じることができ、同じタイミングで共感できるという、一人で観るのとは異なる効果が期待できます。加えて、大会テーマ、経営メッセージ、映像に一貫性をもたらすことで、共感レベルを一気に引き上げたという狙いもありました。

 この目論見は予想以上に的中し、放映後には「エネルギーを感じた」「やる気が出た」などのポジティブな声が多数寄せられました。しかし、これで終わらせては、一過性の効果しか得られません。社員一人ひとりの行動につなげるために、その後はデジタルサイネージで繰り返し放映し、さらなる浸透をはかりました。また、翌年の社員大会では、各部門で取り組むアップデート案件を集約し制作した動画を放映しました。

 今回のプロジェクトは、全社の課題をいかに自分ごと化してもらうか、また受け入れてもらうかにフォーカスを当てた取り組みです。当社としても初めての試みでしたが、ねらい通りの効果を上げた上、客観的にも高く評価していただいたことを、大変うれしく思っています。

社内報アワード ゴールド賞受賞作品「Yahoo! JAPAN 新ビジョン動画『UPDATE JAPAN』」
▲ゴールド賞受賞作品「Yahoo! JAPAN 新ビジョン動画『UPDATE JAPAN』」

 

 

 

 

 

 

 

 

Yahoo! JAPAN 新ビジョン動画『UPDATE JAPAN』概要

Yahoo! JAPAN 新ビジョン動画『UPDATE JAPAN』

 

 

 

 

 

 

 

◆制作:2014年

◆仕様:動画/8分間

◆更新頻度:年1回

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