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組織を「刺激」し、社員の行動につなげる!(株式会社リクルートライフスタイル)

企画統括室企画統括部広報G インターナルコミュニケーショングループ 根岸菜穂子さん
▲企画統括室企画統括部広報G インターナルコミュニケーショングループ 根岸菜穂子さん

「社内報アワード2017」の事例発表5社目は、メルマガ社内報『LIFESTYLE通信』の企画「Productivity」が、WEB社内報部門でゴールド賞を受賞した株式会社リクルートライフスタイルです。受賞企画は、生産性の高い働き方をするために、効率の良い仕事の進め方や、すぐに実践ができるテクニックを紹介したもの。制作体制や企画の工夫点などを紹介します。

毎日2~3本の企画を配信、情報を素早くキャッチ

 私たちの社内報『LIFESTYLE通信』はメールマガジン形式で、毎朝9時に記事を配信しています。当社は中途入社者が多く、社員の過半数が入社5年以内。そこで、特に社歴の浅い3年目以内の若手社員が、素早く会社の情報をキャッチアップできることを目指して制作しています。

 コンテンツは「3分で読み切れる量」とするため、800~1000字のメイン企画が1本と、300~400字程度の軽いサブ企画1~2本で構成しています。パソコンでもスマホでも閲覧でき、画面のサムネールで今日のコンテンツが分かり、読みたい企画をクリックすれば記事に飛べるようになっています。そしてスルーした場合でも後から読み返せるように、企画ごとのバックナンバーの形でアーカイブ化しています。

『LIFESTYLE通信』PC版

『LIFESTYLE通信』スマホ版
▲『LIFESTYLE通信』PC版(上)とスマホ版(下)

 

 

 以下に挙げているのは、当社の社内報制作における「6つの指標」です。常にここに立ち返って社内報の企画や構成などを確認するもとになっています。

【6つの指標】
①経営情報の共有化(トップのビジョンが従業員に伝わること)
②領域を超えた相互理解(各部門の事業方針がきちんと伝わること)
③企業と社員の関係構築(風通しの良い状態を作ること)
④意識や価値観の変革(新サービスや取り組みの情報がタイムリーに共有されること)
⑤企業理念の浸透(リクルートで働くことのプライド醸成につながること)
⑥リクルートらしさの実現(新しい価値を生み出すために他者の取り組みや成功事例を刺激にし、その礎になること)

 制作体制は専任2人と兼務者(0.5人)とアシスタント1人で、原稿はすべて内部制作です。従来は週1回配信のメルマガでしたが、2017年4月からデイリー配信に移行しました。

 当初は、多くの人から「無謀だ」「休めないのでは」と不安視する声が聞かれましたが、半年以上継続しています。1週間(5日間)で20本弱の企画を、「入稿は木曜日/初校は火曜日」と決めて一気にまとめて進行させることで、今は安定的に稼働しています。

毎日配信の「習慣化」で、KPIがアップ

 私たちはKPIの第一に、メールの開封率を挙げています。そのため毎週、部署ごと、記事ごとにメールの開封率をウォッチしています。そしてKPIの第二として、前述の6つの指標の達成度を半期に1度のWebアンケートで計測しています。

 効果測定をきちんと始めた2015年から現在までで、メール開封率は7ポイント、6つの指標は平均7.6ポイントアップしています。その最大の要因はデイリー配信にしたこと。毎日配信し続けることで、制作側だけでなく、読者もメルマガを受け取ることが「習慣化」します。「毎朝定例で、さまざまなトピックスを読む習慣がついた」「メルマガを読むことがルーティンになり、1日の業務の起点になった」といった声も寄せられています。

 また、開封率をアップさせるために、記事のファーストタイトルともいうべき「メール件名」を磨き続けました。3人のメンバーが1週間ずつ交代で件名をつけ、それを全員で添削し合います。
例を挙げると、「うまくいく社内プレゼンの3つの方法」という件名は、「『で、何が言いたいの?』とは言わせないプレゼンの極意」に、「生産性を上げるメールの使い方」は「NGメールの事例付き! タイムマネジメントが上手くなるメールの使い方」に、それぞれブラッシュアップしました。

 ここで意識しているのは、聞き飽きた言葉は排除して、読者に「おっ!」と思わせるものに仕立てることです。そして月に1度、開封率とタイトルの因果関係を検討するためのミーティング時間を持ち、そこで考察したことを蓄積しています。

社内活性化のカギは「情報」「企業文化」「刺激」

 今回の受賞企画「Productivity」で心がけていたのは、とにかく読みやすく、わかりやすい文章にすること。そして記事の内容に親近感を感じてもらうことです。また、ある仕事のやり方を伝える際にも、その仕事は「いつやるのか」「どれくらいの時間をかけるのか」といったことの1つひとつを明確にしながら書くことを意識しました。

 そして社内報ですから、ビジネス書やインターネットで検索すれば得られる情報ではなく、もう一歩踏み込んだ“パーソナルな情報”を伝えられるように努めました。またメールマガジンの利点を生かし、インフォグラフィック、表、図などを活用して、記事をより理解しやすいようにしています。

社内報アワード ゴールド賞受賞企画「Productivity」
▲ゴールド賞受賞企画「Productivity」

その仕事を「いつやるのか」「どれくらい時間をかけるのか」といった一つひとつを明確に記事に落とし込む。理解促進の図版も活用
▲その仕事を「いつやるのか」「どれくらい時間をかけるのか」といった一つひとつを明確に記事に落とし込む。理解促進の図版も活用

 

 取材時の心がけとしては、取材対象者にあらかじめ「今回の企画では読者にこのような気持ち(読後感)を持ってもらいたい」という着地点を伝えておくこと。それで、編集側の意図に沿った話をポイントを絞って引き出すことができます。取材時には必ず取材音声を録って、思い込みで原稿を書かないようにしています。

 最後に、社内活性化には「情報」「刺激」「企業文化(風土)」のトライアングルがあると思っています。私たちの仕事は、読者に「企業文化(風土)」を伝え、社内・世の中・お客様などに関するさまざまな「情報」を伝えます。しかしそれだけでは人は動きません。やはり、そこに「刺激」を加えることが大切だと思います。情報を目にした読者が「これはすごい!」「自分も頑張ろう!」という刺激を得ることを目指して制作しています。

 インターナルコミュニケーションは、近年ますます重要性を増しているエキサイティングな仕事です。会社を元気に、ひいては日本を元気にするよう、これからも頑張っていきたいと思います。

社内報『LIFESTYLE通信』概要

社内報『LIFESTYLE通信』

◆創刊:2012年

◆仕様:メールマガジン

◆配信頻度:毎日(記事2~3本)

◆制作体制:専任2人、兼任1人、アシスタント1人

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