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広報誌で「経営と現場をつなぐ」を実践!(ユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社)

左から、広報室広報グループ 寺崎将人さん、広報室長 岩崎 浩さん、広報室付マネジャー 竹内優子さん
▲左から、広報室広報グループ 寺崎将人さん、広報室長 岩崎 浩さん、広報室付マネジャー 竹内優子さん

10月24日に開催した「社内報アワード2017 表彰&ナレッジ共有イベント」では、上位入賞を果たした優秀企業8社にプレゼンターとなっていただき、「社内報制作の事例発表」を行いました。「社内報ナビ」では、今週から8週にわたって各社の発表内容をご紹介していきます。

第1回目は、2016年の経営統合を機に加盟店向け広報誌を一新し、新社長が登場する名物企画「澤田社長の気合いde突撃」で「社内報アワード2017」連載・常設企画部門ゴールド賞に輝いたユニー・ファミリーマートホールディングス株式会社です。「現場ファースト」の視点を貫いた誌面は、全国20万人のスタッフから絶大な支持を受けています。

全社一丸に向け広報誌が果たす役割とは

 当社は2016年9月、ユニーグループ・ホールディングスと経営統合を果たし、新生ファミリーマートとして始動しました。コンビニエンスストア部門はサークルK・サンクスとの統合で、全国約1万8千店舗、ストアスタッフ約20万人体制の大所帯となりました。ブランド統合に向けて全社一丸となることが最大の経営課題となる中、広報誌の役割についても認識を新たにすることが求められました。その結果、リニューアルに踏み切ったのが、今回ゴールド賞を受賞した加盟店様向け広報誌『FAMILY』です。

 直接のきっかけは、合併と同時に経営トップに就任した澤田貴司新社長の発言でした。リニューアル前の冊子を確認のために見てもらったところ、「読んでいてワクワクしない」「廃刊も視野に入れ、一からコンセプトを見直すように」との厳しい指摘を受けたのです。思いもよらないこの言葉にショックを受けたわれわれ制作チームは、急遽リニューアルプロジェクトを立ち上げることになりました。

3つの取り組みで見えてきた課題を解決

 まず取り組んだのが、加盟店へのアンケートと他社へのヒアリングです。現状の問題点を洗い出し、読者のニーズを掘り起こすことが目的でした。それにより、①読者ターゲットを店長クラスからストアスタッフ全体に拡大する、②事例として紹介する店舗は超優良店ではなくリアリティのある等身大のロールモデルとする、③誌面にメリハリをつけ読みやすくする、の3点を中心に変更することに。また併せて、新しいコンセプトを練るために、経営が目指すビジョンの研究も行いました。

 着目したのは、経営トップが繰り返し発信しているメッセージです。そこにヒントがあると考えたからですが、澤田社長が就任以来よく口にしていたのが、「全国の現場で働く20万人のストアスタッフこそがHEROだ!」という言葉でした。これを参考に、新コンセプトは「お店で働くみんなのモチベーションアップマガジン」としました。編集方針は、「誌面を通じて経営トップの熱さを伝え、読むとモチベーションが高まる冊子」とし、「モチベーションでコーナーを貫く」を切り口に企画を全面的に刷新しました。

社長のコーナーでも、主役はストアスタッフ!

 今回ゴールド賞をいただいた「澤田社長の気合いde突撃」は、その新生『FAMILY』のトップを飾るメイン企画。全国各地で頑張っている店舗を澤田社長が訪問し激励するというものです。視察や巡回ではなく、「激励」というスタンスがこだわりで、経営トップと現場のつながりを前面に打ち出すことで一体感を醸成し、スタッフのモチベーションを引き上げることを狙いとしています。

 取材する店舗は、「等身大ロールモデル」の方針に従い、「お客様からお褒め」があったお店を選定。「等身大」という概念はやや曖昧なので、「お褒め」の視点を基準としました。そうすることで、トップが地域密着経営を重要視していることを発信したいという狙いもあります。

 この企画は、社長のコーナーではありますが、主役はあくまでも店舗で働くストアスタッフ。メインの写真もスタッフにフォーカスしているため社長の姿は見切れていることがほとんどです。中には背中や横顔だけしか写っていない号もあるほどです。

 制作上のポイントは、写真を大きく使った大胆なレイアウト。これは冊子全体に共通することですが、文字量は極力少なくし、ビジュアルが目に飛び込んでくるように工夫しています。

「澤田社長の気合いde突撃」の誌面
▲「澤田社長の気合いde突撃」の誌面。メインビジュアルは主役のストアスタッフにフォーカスし、澤田社長は横顔や後ろ姿で見切れてもOKというルールに

 

 また、このコーナーにかける澤田社長の意気込みは大変大きく、多忙の合間を縫って全国を飛び回っています。それというのも、澤田社長は「現場第一主義」の人。「加盟店の皆さんと社員が喜ぶためなら、バカでもなんでもやる!」がモットーなので、全国のストアスタッフに出会えることを心から喜んでいるのです。

 こうした熱意が通じてか、加盟店の皆さんからの評判も上々で、アンケートによるとリニューアル後の冊子も約95%の読者から「良くなった」との評価をいただいています。

社内報の企画がきっかけで経営施策を展開

 しかし、この好評価に甘んじることなく、常に変化を取り入れ、進化を続けることが大切だと考えています。現在、最も力を入れているのは読者参加型企画。

 一例を挙げると、主婦のストアスタッフと澤田社長が会社や店舗の課題について感じていることをディスカッションする座談会を企画したところ、社長が主婦スタッフの重要性を再認識し、その後、主婦の採用強化を全社の経営施策として展開するにつながりました。社内報を通じて現場スタッフの声が経営に反映されたことは、私たち編集部だけでなく、座談会に参加したスタッフにとっても喜ぶべきこととなりました。

 今後も定期的なアンケートで「効果測定」を行いながら誌面のさらなる充実を図り、「現場ファースト」を貫くことで、地域で働くスタッフのモチベーションを高めていく広報誌を作り続けていきたいと思っています。

加盟店報『FAMILY』概要

『Family』表紙

創刊:1978年9月加盟店と本部をつなぐ情報誌として『ファミリーマートニュース』を月刊で発行

※1991年10月『ファミリィ』にリニューアル、1995年4月に『Family』にリニューアル

◆発行部数:約20,000部

◆仕様:A4判カラー 16ページ冊子形式

◆発行頻度:毎月1回 1日発行

◆配布対象者:ファミリーマートフランチャイズ加盟店

※サークルK・サンクス加盟店、本部回覧、一部グループ会社に配布

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